カマラ・ハリス氏の登場で民主党に活気が
今年に入っての米大統領選ですが、トランプVSバイデンの構図ではバイデン大統領の高齢が民主党内でもネックとなり、勢い的にはトランプ氏が有利な状況でしたが、バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明し、カマラ・ハリス氏が救世主のごとく後継候補として突如現れたことで、民主党は一気に元気を取り戻した状況になっています。これまでトランプ1本で選挙戦を比較的順調に進めてきた共和党陣営からすると、非常に厄介な対抗馬が現れたと言えるでしょう。
カマラ・ハリスってどんな人?
そのハリス氏ですが、どのような人物なのでしょうか。まず、簡単にハリス氏のプロフィールを書きますと、ハリス氏は1964年10月20日生まれで、ちょうど今月で60歳となります。カリフォルニア州の出身で、黒人系のジャマイカ出身の父とインド出身の母との間に長女として生まれました。父は経済学者の大学教授で、母はがんの研究者です。
検察官から上院議員・バイデン政権で副大統領に
地元のカリフォルニア大学を卒業後は検察官として長年活躍し、2011年からカリフォルニア州の司法長官を6年間務めました。そして、2016年にカリフォルニア州選出の上院議員となり、バイデン政権の発足に伴い、副大統領に至っています。
副大統領に就任することが決まった際、世論ではハリス氏への注目が集まりました。なぜなら、これまでの米国の歴代大統領も副大統領も全員が男性であり、米国でナンバー2以上になった初めての女性だからです。また、オバマ氏が大統領に就任した際、米国史上初めての黒人大統領ということで、アフリカ諸国でもそれを歓迎する祝福モードとなりましたが、副大統領の職に黒人系が就くこともハリス氏が初めてとなりました。
さらに、母がインド系ということで、ハリス氏が副大統領に就任した際、インドのモディ首相はとても誇るべきことであり、ハリス氏のリーダーシップによって米国とインドの関係がさらに発展することを願うとのメッセージを贈りました。
外交や安全保障・経済など 政権運営でバイデン大統領をずっと支えてきた
一方、副大統領という役職や立場上、大統領ほどメディアの注目が集まるわけではありませんので、就任当初はメディアでも頻繁に取り上げられたものの、バイデン政権の4年間ではそれほど注目が集まった人物とは言えません。おそらく、ハリス氏が後継候補として台頭したことで一瞬のうちに注目が集まり、カマラ・ハリス氏って誰?と感じた人々も少なくないでしょう。
しかし、メディアで大々的に取り上げられる回数は少なかったものの、外交や安全保障、経済など多くの政策、政権運営でバイデン大統領を支え続けてきたのはハリス氏であり、バイデン大統領のハリス氏への信頼も厚く、今日、ハリス氏はバイデン大統領の信頼のもと選挙戦を戦っています。仮に、選挙戦に勝利すれば、米国史上初の女性大統領ということで、女性、移民など各方面から祝福する声が広がることでしょう。
ハリス氏ってどんな人?まとめ
①米国でナンバー2以上になった初めての女性副大統領
②副大統領の職に黒人系が就くこともハリス氏が初めて
③外交や安全保障・経済政策などバイデン政権を支え続けた経験、魅力的なキャリアと強いリーダーシップを備えている
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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバスサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。