新NISAでよく聞く「オルカン」「S&P500」ウチはどちらに投資すべき? パパFPが解説します【HugKumマネー教室】

「オルカンとかS&P500って耳にするけど、どう違うの?」「新NISAを始めたいけど、何を選べばいいのかわからない…」2024年1月からスタートした新NISA。お子さんの教育資金作りや老後の資産形成などに向けて、始めてみたい方も多いのではないでしょうか。
今回は新NISAで人気の「オルカン」と「S&P500」の違いについて、二児を育てるパパFPが解説します。

新NISAで話題の「オルカン」や「S&P500」って何?

新NISAで話題になっている投資信託のオルカンはeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、S&P500は eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のことを指します。投資信託の売れ筋ランキングで、ともに上位を争う人気の銘柄です。

それぞれの銘柄の特徴について簡単に解説します。

【オルカン】eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とは?

オルカンは、日本を含む世界中の代表的な企業約2,900社にまとめて投資できる投資信託です。

オルカンを買うだけで、先進国23ヶ国、新興国24ヶ国に分散投資できます。一部の国が衰退したとしても、世界経済全体が成長すれば、恩恵を受けられる点がメリットです。

参考:三菱UFJアセットマネジメント「数字でみる!オルカン徹底解剖」

【S&P500】eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とは?

S&P500は、アメリカの代表的な企業500社に投資する投資信託です。

S&P500を購入すれば、YouTubeを提供するGoogle、オンラインショッピングで有名なAmazon、SNSで人気のInstagramを運営するMetaなど、日本でもなじみのあるアメリカ企業を中心にまとめて投資できます。

これからもアメリカが世界経済を牽引すると思っている方におすすめの投資信託です。

オルカンとS&P500を徹底比較!

ここでは、さまざまな項目からオルカンとS&P500の違いについて解説します。どちらに投資するのが向いているのか、判断材料にしてくださいね。

オルカンとS&P500の基本情報を比較

(2024年11月現在)参考:三菱UFJアセットマネジメント|eMaxis Slim 全世界株式(オール・カントリー)「交付目論見書」|eMaxis Slim 米国株式(S&P500)「交付目論見書

オルカンは先進国だけでなく、新興国も含む世界の約2,900社に分散投資する投資信託です。一方、S&P500はアメリカの優良企業500社に絞って投資しています。

手数料(信託報酬)を見ると、オルカンのほうが少し安いですね。オルカンは0.05775%、S&P500は0.09372%です。1,000万円投資した場合の年間手数料の差は約3,600円です。

設定来のトータルリターンを比較すると、約5年間でオルカンが1.5倍に対し、S&P500は2倍近くになっています。

どちらも新NISAの成長投資枠、つみたて投資枠に採用されているので、年間で最大360万円まで投資が可能です。

オルカンとS&P500の組入銘柄を比較

(2024年4月30日現在)参考:三菱UFJアセットマネジメント|eMaxis Slim 全世界株式(オール・カントリー)「交付目論見書」|eMaxis Slim 米国株式(S&P500)「交付目論見書

オルカンとS&P500の組入上位10銘柄はほとんど同じです。

オルカンは「オール・カントリー」といいながら、上位はほぼ米国株で占められているので、意外に思う方もいるでしょう。

図表出典:eMaxis Slim 全世界株式(オール・カントリー)「交付目論見書

また、オルカンは全体の6割以上が米国株で構成されているため、S&P500と似たような値動きをしているのが特徴です。

オルカンとS&P500のリターンを比較

グラフ出典:Yahoo!ファイナンス

運用開始からのトータルリターン(総収益)を比較すると、オルカンが149.13%、S&P500が195.62%で推移しています。(2024年11月現在)

過去の運用成績から判断すると、S&P500に投資したほうが高利回りを期待できることがわかります。ただし、これはあくまで今までの成績です。将来も同等のパフォーマンスを維持できるとは限りません。

今後もアメリカが今までのペースで成長し続けると思う場合は、S&P500に投資して高い利回りを狙いましょう。

一方、将来の予測がつかない場合は、安定性を重視したオルカンに投資したほうが無難です。

オルカンとS&P500どちらに投資すべき?

まだ、オルカンとS&P500のどちらに投資すればいいか迷っている方も多いでしょう。それぞれの銘柄に向いている人の特徴について解説します。

オルカンがおすすめの人

・手数料を低く抑えたい人
・世界中の企業に分散投資したい人
・できるだけリスクを抑えて、資産運用したい人

オルカンは約2900もの世界中の企業に分散投資するので、S&P500よりも安定した運用が期待できます。できるだけリスクを抑えて、将来の教育資金や老後資金などを貯めておきたい人におすすめです。

S&P500がおすすめの人

・ある程度のリスクを受け入れられる人
・オルカンよりも高いリターンを狙いたい人
・長期的なアメリカの経済成長を信じている人

過去の運用成績から判断すると、オルカンよりも高い利回りを目指したい方にはS&P500をおすすめします。

ただし、10年後、20年後も今までのペースで米国株が成長し続けるとは限りません。過去の利回りだけを信じて判断しないようにしましょう。

しかし、今後もアメリカが世界経済を牽引する国であり続けると思っている場合は、今からでもS&P500に投資するのがおすすめです。

両方投資するのがおすすめの人

・安定感を求めつつ、やや高めのリターンも得たい人
・オルカンとS&P500のどちらに投資すべきか判断できない人

オルカンにするかS&P500にするか決められない!という人には、オルカンとS&P500に50%ずつ投資するのをおすすめします。

両方に投資すると、どちらかだけの場合より平均的な結果を得られる

半々の割合で投資すれば、オルカンとS&P500の平均点が取れるので、どっちのほうがリターンが良くなるのか予測する必要がありません。

たとえば、オルカンが5%、S&P500が7%の利回りで運用できた場合、半々で投資したので、トータルの利回りは6%になります。オルカンがS&P500の利回りを上回った場合も同様です。

オルカンかS&P500のどちらか1本に絞れない場合は、両方購入して平均点を目指すのもアリですね。

【まとめ】オルカンとS&P500の違いを理解した上で新NISAをはじめよう

オルカンとS&P500は、いずれも低コストで分散投資され、長期運用に向いている優良銘柄のため、「絶対にこちらが良い」という答えはありません。大切なのは、ご自身の目的や考え方に合わせて選ぶことです。

● 安定性重視でオルカン
● 積極的にリターンを狙ってS&P500
● 平均点になるように両方投資

以上のように、どのような運用方針にしたいのか明確にした上で、新NISAでの資産形成を検討しましょう。

編集部注=この記事は実在の金融機関および証券会社が扱う投資をレポートしていますが、特定の機関の利用や投資商品の運用をすすめるものではありません。

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記事執筆

もにゅら | ファイナンシャルプランナー

独立系ファイナンシャルプランナー(FP)として執筆業を中心に活動中。2児の父親でもあり、家計や資産形成に関する執筆が得意。また、マンションの売買も経験しており、実体験に基づいたライティングを強みとしている。各種金融メディアでの執筆・監修業のほか、自身のメディアとして「もにゅら親子の節約ブログ」「もにゅらのクリプト部屋」を運営中。

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