「日本の小学校」の新鮮さとは?
子育ては自分の子ども時代を巡ることになる。そんな話をよく聞きますが、本当にその通りだなぁと思います。
黒板とチョーク、真夏のプール、ラジオ体操、朝顔の観察……どれもこれも懐かしいものばかり。「ママのときはどうだった?」と子どもから聞かれることもあり、自分の小学生時代によく想いを巡らせています。
そんなふうに懐かしんでいるわたしの横で、どうやらスウェーデン人の夫は、新しい発見があるようなのです。

発見① 給食当番と掃除当番
日本の小学校で夫が驚いたことのひとつは、子どもたちが自分で給食を盛り付けたり、部屋の掃除をしたりすること。
スウェーデンでは給食はビュッフェ形式か、もしくは、スタッフの方に盛り付けてもらうことがほとんど。また、掃除も専門の方にお願いしているので、子どもたちが自分で掃除することもないのです。
「なんでも自分でやるっていいことだよね。自分で使った部屋は、自分で片付けないとね!」とスウェーデン人の夫。掃除好き、キレイ好きな夫らしい視点だなと思います。
発見② 毎日の持ち物準備。スウェーデンではリュックはほぼ空っぽ!
チェックリストをにらめっこしながら、学校の準備をしている娘に、夫は日々感心しています。スウェーデン人の夫が小学生のころは、リュックはほぼ空っぽで学校へ行き、スカスカのまま帰ってきていたのだとか。カバンに入っているのは、果物のおやつくらいかもしれません(果物のことはvol.06で書いています)。
教科書、鉛筆、消しゴムなど、必要なものは学校が用意してくれ、そのまま学校に置いて帰るので、持ち帰ることがないようです。荷物が軽くなり、忘れ物も減りそうで、これはこれでいいなぁと思います。
発見③ 体育の後はシャワーを浴びないこと
小さなところでは、体育の後にシャワーを浴びないことに、夫はちょっとびっくりしたようです。あちらでは、運動したらシャワーが定番なのだとか。
ちなみに北欧の会社にはシャワールームがよく設置されていて、出社前に運動してから来る人もいます。こんなところも小学校時代からのあたりまえが関係しているのかもしれません。面白いです。
発見④ 夏休みの宿題

「そうか、日本では夏休みにも宿題があるんだね」と夫。というのも、スウェーデンでは、2か月の夏休みの間は宿題がないのです。ところかわれば、あたりまえも違いますね。
休むときはとことん休む。しっかり休むことで、より効率よく勉強ができる。この考え方が、とてもスウェーデンらしいなと思います。
大人にも根付いている「休む」マインド
ちなみに、「しっかり休む精神」は大人になってからも続いているのです。北欧では夏休みの期間中、レストランもカフェもあちこちが閉まっているのがあたりまえ。オフィスの仕事や役所の手続きなども、この時期は新しいことはほぼ進みません。
自分も休みたいから、相手の休みも受け入れる。だから、多少の不便はしょうがない。
どうやら、こんな風に思っているようです。
夏休み中は、宿題をコツコツと進めながらも、スウェーデン人のように休むときはしっかり休むことも大事に。そして、娘の宿題である、朝顔も枯らさないように気をつけます!

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プロフィール
イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。
文・構成・写真/桒原さやか

