「水を差す」とは?
読み方と意味
まずは読み方と意味を確認しておきましょう。この言葉は『水を差す』と書いて「みずをさす」と読みます。
うまく進行していることに対して、わざわざ横から邪魔をすることを表す言葉です。
「水を差す」の由来・語源
『水を差す』とは、適温のお湯や料理に水をそそいでダメにしてしまうことが由来となっています。
似たような言葉に、料理用語の「差し水」がありますが、こちらはそばをゆでるときに湯が吹きこぼれそうになったときに入れる水のことです。『水を差す』とは逆に、そばの芯まで火を通すためには効果的な方法ですので、間違えないようにしましょう。
使い方を例文でチェック!
では、『水を差す』の使い方を例文でチェックしていきましょう。

1:盛り上がっているところに水を差すようで悪いけど、もうお開きの時間だよ。
盛り上がっている人たちに事実を伝えるときには、『水を差す』とあらかじめことわることもよくあります。
2:久しぶりの飲み会で盛り上がっていたのに、どうしてあんな水を差すようなことを言うの?
楽しい時間をわざわざ邪魔をするような発言は『水を差す』と感じられることもあります。
3:せっかくの結婚パーティー、水を差すような元カレの話はしないようにしよう。
結婚式で昔の恋人の話ほど『水を差す』話題はありません。
類語や言い換え表現は?
では、『水を差す』を別の言葉で言い換えたい場合、どのような表現を使うことができるのでしょう。『水を差す』に似た表現を探してみました。

1:興覚め(きょうざめ)
『水を差す』と同じく、ある出来事がきっかけで、それまで感じていた面白みや楽しみが失せてしまう様子を表す言葉です。
2:横槍を入れる(よこやりをいれる)
人が話すことやすることに、誰かが横から口を挟んで妨害することを意味する「横槍を入れる」。『水を差す』と同じく、厄介な口出しをするという意味の言葉です。
3:茶々を入れる(ちゃちゃをいれる)
『水を差す』と同じく、相手が何かをしている最中に、横から冷やかしたり揶揄したりして、邪魔をすることを意味する言葉です。
4:冷や水を浴びせる(ひやみずをあびせる)
『水を差す』と同じく、水を使って邪魔をする表現です。意気込んでいる人に冷水を掛けるように、相手のやる気や元気をなくさせるような言動を表す言葉です。
対義語は?
では、『水を差す』の反対の意味に当たりそうな言葉にはどんなものがあるのでしょうか?

1:火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ)
勢いの盛んなものにさらに勢いを加えるようなことをするたとえである「火に油を注ぐ」。勢いを削ぐ『水を差す』とは逆の意味と言えそうです。
2:事を荒立てる(ことをあらだてる)
物事を穏便に済ませず、揉め事を引き起こすことを意味する「事を荒立てる」。同じ迷惑行為ながらも、事態をしらけさせる『水を差す』とは逆の言葉と言えるかもしれません。
3:波風を立てる(なみかぜをたてる)
物事に面倒な事案、揉め事を持ち込むことを意味する表現である「波風を立てる」。こちらも『水を差す』とは逆に、物事が大きくなってしまう様子を表す言葉です。
英語表現は?
では、『水を差す』は、英語ではどのように言い表すことができるのでしょうか。最後に『水を差す』の英語表現と言えそうな言葉をご紹介します。

1:Throw a wet blanket on
直訳すると“濡れた毛布を投げる“。『水を差す』と同じく盛り上がりを消してしまう行為を、火事を防ぐために濡れた毛布を炎に投げる様子に例えた言葉です。
2:Rain on one’s parade
直訳すると“誰かのパレードに雨が降る“という意味で、『水を差す』と同じく、いい気分を台無しにしてしまうという意味があります。
3:Ruin the mood
“ムードを壊す”という意味の言葉で、こちらも『水を差す』と同じ状態と言えそうです。
「水を差す」の意味と由来を知って、正しく使いましょう
盛り上がっている様子を沈めてしまう『水を差す』という言葉。使う際は、意味を心得たうえで適切な場面で使うようにしましょう。
あなたにはこちらもおすすめ
構成・文/kidamaiko
