【調査概要:調査期間/2025年7月17日~7月31日 調査対象/0歳~12歳のお子さんがいる607人】
目次
最新アンケートから読み解く、夏休みの自由研究の実態
夏休み宿題の定番は? 教科ドリルが1位、自由研究は2位に
まず、今年の夏休みの宿題として、どのようなものが多く出されているのでしょうか。出された宿題の種類について尋ねてみると、上位から「教科型ドリル」「自由研究」「絵日記や自由作文」の順に挙がりました。

自由研究はドリルに次いで2番目に多く票を集めており、今もなお、たくさんの家庭が向き合っている宿題のひとつであることがわかります。
自由研究は、半数以上の家庭で「任意」扱いと回答
さらに、自由研究の提出について「任意か必須か」を聞いてみると、学校によって扱いに差が出ていることもわかりました。「夏休みの宿題」の定番ではあるものの、自由研究は「任意」と答えた家庭が347人で半数以上を占め、「必須」の224人を上回っています。

その他の回答欄には、「自由研究の宿題が出ていない」「ポスターや作文などとあわせて選択式になっている」といった声も寄せられていました。以前の「自由研究は全員が取り組むもの」という時代から、少しずつ変わってきているのかもしれません。
「自由研究が任意か必須か」で変わる親の負担感
では、自由研究が「必須」か「任意」かによって、保護者の負担感にはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの家庭の状況をみてみると、「負担が大きい」「やや負担が大きい」と感じている割合は、いずれも自由研究必須の家庭の方が高い結果となりました。

自由研究が必須の場合、進捗管理や材料準備など、親の関わりがより求められます。そのため、サポートの必要性が高まり、負担に感じることが多いのかもしれません。
家庭での宿題サポート、実際どうしてる?
夏休みの宿題、親のサポートは「援助要請があれば手伝う」が最多!
そこで、実際に多くの家庭で悩みがちな「どこまで親が手伝うべきか」という問題について、それぞれのスタンスを聞いてみました。すると、「子どもから要請があれば手伝う」と193人が回答し、もっとも多くの票を集める結果となりました。

2番目に多かったのは「親から見て不安な部分を手伝う」で184人、3番目が「親子で一緒に取り組む」で112人でした。全体としては、子どもの自主性を大切にしつつ、必要な場面ではサポートするというスタイルが主流のようです。
親の手伝いが多い宿題とは? 自由研究は「3位」にランクイン
では、実際に保護者が手伝うことの多い宿題のジャンルには、どのようなものがあるのでしょうか。
アンケートで「手伝うことが多い宿題」をたずねてみたところ、「工作や絵画」「教科型のドリル」「理科の自由研究」が上位に挙げられました。

自由研究は、テーマ選択や材料調達などの工程も多くなりがちです。そのため、保護者がサポートを必要とする場面が自然と増えるのかもしれません。
「自由研究」は親が手伝う? 手伝わない? それぞれに込められた思いとは

どうしてもサポートが必要になりがちな自由研究ですが、それでも親がどこまで介入すべきかは悩ましい問題です。そこで、親が手伝う理由と、逆に手伝わない理由について聞いてみました。それぞれの考え方にはどのような背景があるのか、探っていきます。
手伝う理由 “子どもの成長を支える大切なサポートをしたい”
・わからないところを一緒に考えることで、子どもの理解が深まる。特に自由研究や工作などは「親と一緒に取り組んだ経験」が記憶に残りやすいと思います 。(福島県/小学4年生の子どもの母)
・具体的な着地点に導いてあげたり、必要な材料を購入したりと、大人が協力しないとできない部分があるため。(神奈川県/小学4年生の子どもの母)
・材料をそろえるなど、親が手伝わないといけない部分はあると思うから。(大阪府/小学5年生の子どもの母)
・普段はできない探究活動の時間として、親も参加したいと思っています。(神奈川県/小学6年生の子どもの母)
手伝わない理由 “子どもの主体性や自由な発想を尊重したい”
・子どもがやり遂げることを大事にする。(神奈川県/小学1年生の子どもの父)
・子ども自身の主体性を重視しつつ、方向性が決まらなかったときに選択肢を与えるような働きかけをしたいと思っているため。(大分県/小学3年生の子どもの母)
・子どものできる範囲を超えて完成した作品や研究が、本当にその子のためになっているか不明だから。(茨城県/小学4年生の子どもの母)
・親が口出しすると、自由な発想がなくなってしまいそうだから。(福岡県/小学6年生の子どもの母)
手伝う派からは「学びを支えたい」「一緒の体験にしたい」、手伝わない派からは「主体性や自由な発想を大切にしたい」といった声が寄せられました。
どちらの関わりかたにも、子どもの成長を願う親の思いがにじんでいます。
手伝うのは“ここ”が多い! 作業工程別のサポート実態
自由研究で保護者が手伝う場合に、サポートすることが多い工程としては、まず「テーマさがし」がもっとも多く挙げられています。そのほかにも「文具や素材の調達」「調べものやリサーチ」などが、上位に入りました。

「何をやるか」というテーマの決定段階と、「どう進めるか」「何を準備するか」といった基盤づくりの部分で、保護者のサポートが特に求められていることがうかがえます。子どもだけで材料を買いに行くのが難しいケースも少なくないのかもしれません。
気になる“お金”事情、夏休みの宿題にかける費用はどのくらい?
自由研究の有無で差が見える「経済的負担感」
経済的な負担の有無についても、自由研究が「必須」か「任意」かでわずかに差がみられました。任意の家庭では26%が「負担を感じる」と答えたのに対し、必須の家庭では35%と、より多くの方が経済的負担を感じています。

夏休みの宿題にかける費用は「3000円以内」が最多
では、自由研究を含む、夏休みの宿題全体にかけている費用はどのくらいなのでしょうか。
アンケートで子ども1人あたりの予算を聞いてみると、「0~3,000円未満」と答えた家庭が圧倒的に多く、479人にのぼりました。次いで、「3,000円~5,000円」と回答した家庭が101人でした。

工夫次第で出費を抑えることも可能ですが、実験キットや工作材料を購入したりと、夏休みの宿題には一定の費用がかかっているようです。
保護者の本音から見える、これからの自由研究の課題と期待
最後に、今後の自由研究に対する保護者の本音をのぞいてみましょう。さまざまな思いや意見が寄せられており、期待や課題が見えてきます。
・自由項目になっていることはありがたいが、学校でやり方をもう少し教えてほしい。(大阪府/小学1年生の子どもの母)
・学年に応じたテーマを見つけるヒントがあれば、子どももやりやすいと思う。(岡山県/小学1年生の子どもの母)
・昔は自由研究が必須でしたが、今はできる人だけになっているため気が楽です。(神奈川県/小学3年生の子どもの母)
・自由研究は親が手伝ってもよいことを、明確にしてほしい。(神奈川県/小学6年生の子どもの父)
自由研究が必須ではなくなったことで負担が軽くなったと感じる声がある一方で、学校の具体的な指導やサポートが不足しているという意見も寄せられています。また、「どこまで親が手伝ってよいのかわかりづらい」といった戸惑いの声も多く聞かれました。
こうした意見は、今後の自由研究の改善に向けた、大切なヒントとなるのかもしれません。
わが家らしく取り組む、自由研究のヒント
自由研究は、親にとって負担に感じることもありますが、子どもの好奇心を育み、親子の時間を深める大切なチャンスでもあります。
どこまで手伝うか、どれだけ予算をかけるか——家庭それぞれのペースで、無理なく楽しみながら取り組める環境が広がってほしいですね。
「自由研究」以外の夏休みの宿題全般についても調査!
↓↓HugKumファミリー層のあれこれ調査記事はこちら↓↓
構成・文/牧野 未衣菜
