※この記事は『小学生のためのドラえもん ふしぎ!理科図鑑(藤子・F・不二雄 原作/富田瑞枝 監修・小学館)』の一部より抜粋・再構成しています。
「売っている卵からヒヨコが生まれないのはどうして?」
映画化された名作「のび太の恐竜」。のび太くんが必死で恐竜のたまごを温め、なんとふ化させてしまい、恐竜の子・ピー助との物語が始まります。しかしスーパーで販売しているニワトリの卵は、いくら温めてもかえることはありません。
買い物しているとき、食事しているとき……ふとした瞬間の子どもの素朴な質問に、あなたは答えられますか?
売っている卵からヒヨコが生まれない理由。正しいのはどれ?
A:ヒヨコが生まれないよう品種改良したニワトリの卵を売っている
B:ニワトリが産んだ卵をすぐに冷やせばヒヨコは生まれない
C:ニワトリのメスが受精せずに産んだ卵だから

正解は…C:ニワトリのメスが受精せずに産んだ卵だから
1個で約6gのタンパク質を取ることができるニワトリの卵。人類にとって大切なタンパク源です。
キジの仲間のヤケイという鳥を改良して生まれたニワトリ。メスは1年中いつでも卵を産むことができるのが特徴。そして産卵はオスと交尾しなくても可能です。受精せずに産まれた卵「無精卵」は、温めてもヒナはかえりません。スーパーなどで売っているのはこの「無精卵」です。
ちなみに子どもに説明するときは、ぜひ下の画像をご参考に。

一方、メスとオスが交尾し受精して産まれた卵は「受精卵(有精卵)」といいます。卵がかえるには約3週間の時間が必要です。ヒヨコは、卵の中から殻をつっついて羽毛が生えた状態で生まれてきます。
「受精ってなあに」って聞かれたら、ぜひ下の該当ページを活用してくださいね。

「電車が走るときにガタンゴトンと鳴るのはなぜ?」
子どもは走る電車が大好き! そういえば、電車が走るとガタンゴトンという音が聞こえます。
「電車のガタンゴトンは一体、何の音?」──大人は疑問に思わないけれど、言われてみれば確かにふしぎ。その答えは?
ガタンゴトンと鳴る理由。正しいのはどれ?
A:レールに電気が通らないように、線路にすき間が空いているから
B:レールが伸び縮みしても大丈夫なように、線路にすき間が空いているから
C:電車が脱線しないように、レールに等間隔にはめられたストッパーとの接触音

正解は…B:レールが伸び縮みしても大丈夫なように、線路にすき間が空いているから
電車のレールは主に鉄、つまり金属でできています。そして金属の体積も、水や空気と同じように温度によって変化します。温めると体積が大きくなり、冷やすと体積は小さくなるのです。つまり夏の暑いときはレールが伸びたり、冬の寒いときはレールが縮んだりします。
すき間なくレールをつないだ状態で、レールが伸びてしまったら、レールが曲がってしまって危険。それを防ぐために、レールとレールのつなぎめには1㎝くらいのすき間が空いています。そのすき間を電車が通ると、車輪がつなぎめに当たって、ガタンゴトンという音が鳴るのです。
近年は「ロングレール」という200m以上のレール(ちなみに普通のレール1本の長さは25m)の登場で、ガタンゴトンという音がしない電車が増えました。ロングレールはつなぎめが少ないので、音が鳴りにくいのです。ほかにも音や揺れが起きにくいレールのつなぎ方なども開発されていて、技術の進歩によって、音や揺れが少ない乗り心地のよい電車が増えています。

『小学生のためのドラえもん ふしぎ!理科図鑑』
『小学生のためのドラえもん図鑑』シリーズ第3弾!「ドラえもんと一緒に科学のふしぎを学ぼう!」をテーマに、理科の基本が凝縮された一冊。
「生物」「化学」「地学」「物理」「宇宙」「電気」の6章で構成され、ドラえもんのキャラクターたちがクイズ形式で重要ポイントをわかりやすく解説してくれます。監修は筑波大学附属小学校の富田瑞枝先生が担当し、小学校で学ぶ理科の単元から最新の科学技術まで紹介されています。
クイズだけじゃない! 理科好きになるしかけがたっぷり
さなぎが出てくるマンガとともに「さなぎの中で、なにが起こっているの?」というクイズを紹介。その答えをドラえもんたちが写真やイラストを使ってわかりやすく解説してくれます。欄外の「もっと知りたい」では専門用語や最新の知識などが掲載され、よりいっそう知識が深まります。

虫たちの声を聞きながら、秋の夜長にお子さんとともに理科の学び。ぜひチャレンジしてください!
ドラえもんと一緒に科学のふしぎをときあかそう!
総ルビ、オールカラーで小学1年生から読める、大好評「小学生のためのドラえもん図鑑」シリーズ3冊目。小学生で学ぶ理科の基本がこの1冊で身につきます。
構成/国松 薫
Ⓒ藤子プロ・小学館/2025

