隕石が地球に落ちたらどうなるの? 災害事例や避ける方法、衝突頻度まで解説!

隕石が落ちたらどうなるのか、気になる人は多いかもしれません。隕石の定義や過去の事例、落ちたときに起きる可能性がある災害について解説します。また、隕石が落ちてくる頻度や避ける方法など、気になる疑問についても確認しましょう。

隕石の定義と過去の事例

隕石とは、どのようなもののことを指すのでしょうか? まずは隕石の定義と、過去の事例について解説します。

宇宙から燃え尽きずに、落ちてきた個体を指す

隕石は、宇宙にある岩石が燃え尽きずに地球に落ちてきたものです。多くは小惑星のかけらであるといわれていますが、流星として観測される天体が燃え尽きずに落下する場合もあります。

サイズが小さいものは地球に向かってきても途中で燃え尽きてなくなってしまいます。ある程度の大きさがあり、地上まで形を保っているものが隕石といえるでしょう。

中には空中で爆発して、さらに小さなかけらになり降り注ぐこともあります。

出典:隕石 | 天文学辞典

主な隕石による災害事例

地球では、これまでに隕石による災害が数多く起こっています。

例えば、約6,600万年前には現在のユカタン半島周辺に直径10kmの巨大隕石が落ちました。この隕石衝突によって火災や津波、急激な気温上昇・低下が起こり、恐竜絶滅の一因とされる有力な説の一つとされています。

また、近年にも隕石による被害は発生しています。例えば1908年にはロシアのツングースカ川周辺で隕石による爆発事故があり、周辺に大きな被害をもたらしました。2013年にもロシアのチェリャビンスク州で同様の爆発事故が起きています。

また、災害にはつながっていませんが、日本でも隕石の落下は報告されており、1850年、現在の岩手県陸前高田市に日本最大級とされる「気仙隕石」が落下し、発見されました。

地球に隕石が落ちたらどうなる?

これまでに地球には多くの隕石が落ちていますが、実際に目にする機会はほとんどありません。隕石が落ちてきた場合、何が起きるのでしょうか?

事故や災害が起きる

隕石が落ちてくると、衝突の際に爆発が発生し、周囲に被害を与えることがあります。周辺の物体が爆発によって焼かれるだけでなく衝撃波でガラスが割れるなどの被害も報告されており、大きさによっては大きな被害につながるでしょう。

また、大きな隕石が海に落ちた場合、津波の原因になることもあります。隕石の衝突によって大きな波が生まれ、遠方まで被害を及ぼすのです。

規模や種類は異なるものの、隕石が落ちてきた場合は周辺で爆発や火事、津波などの事故や災害が起きるリスクが大きくなります。

地形が変わる

隕石が地上に落ちてくると、衝突の衝撃で地面に穴が開きます。周辺には衝撃でクレーターができ、地面が円形に陥没し、クレーターと呼ばれる地形が形成されます。

隕石が大きくなると、地形を変えるような衝撃が加わることもあります。例えば大きなクレーターは盆地のような地形になるでしょう。

特に大きな隕石の場合、周辺の地面に影響を与えるだけでなく爆発や衝撃によって噴煙が舞い上がり、灰となって降り注ぐこともあります。

生物が絶滅する

隕石が落ちてくると、衝撃・爆発・津波の発生などによって近くにいる生物が死んでしまいます。

巨大な隕石は広い範囲の気温に影響を与えるため、爆発に巻き込まれないとしても著しい高温によって死に至ることもあるでしょう。

広範囲の生物が一度に死滅することで、種の絶滅につながる可能性があります。これまでにも恐竜が隕石の衝突が原因で絶滅したという説があり、巨大隕石の衝突は生物にとって大きな脅威です。

隕石にまつわるQ&A

隕石は一体どのくらいの頻度で地球に衝突するのでしょうか? 避ける方法があるのかも気になるところです。気になる疑問について、Q&A方式で紹介します。

隕石はどのくらいの頻度で地球に落ちるの?

隕石は、サイズによって地球に落ちてくる頻度が異なります。小さなものであれば年間数千個の隕石が衝突しており、珍しいことではありません。

しかし、サイズが大きくなると衝突の頻度は少なくなります。

特に10km級の巨大隕石が衝突するのは、1億年に1回程度のようです。1km級の隕石でも数百万年に1回程度といわれ、大災害につながるような巨大隕石の衝突はめったにないことが分かります。

出典:自然科学研究機構(NINS)

隕石を避ける方法はある?

隕石が落ちてきた場合何もできないように感じますが、現代では隕石を避ける方法が研究されています。

例えば無人探査機や爆弾をぶつけて軌道を変化させることで、地球に衝突しないようにするといった研究が中心です。特に、衝突までの時間がある程度残されている場合、少しの軌道変化でも大きな影響を与えることができます。

今後、地球に巨大隕石が落ちる可能性は?

小型の隕石は日々地球に衝突していますが、巨大隕石が落ちてくるリスクはあるのでしょうか? 研究によると現在、地球に衝突する可能性がある天体はわずかな数であるといわれています。

NASAや各国の専門機関が監視を行っており、万が一衝突の可能性が高い場合には警告を出すなど定期的なリスク評価も行われているようです。

巨大隕石が衝突する頻度がまれであるため、今後100年のうちに衝突が起きる可能性は限りなく低いとはいわれています。

隕石が落ちると事故や災害の危険がある

地球には多くの隕石が衝突しており、過去には生物の絶滅や地形の変化をもたらした巨大隕石もあります。しかし、巨大隕石が落ちる頻度は1億年に1回程度といわれており、非常に珍しい事象です。

隕石を避けるための研究も行われており、現在のところは隕石による大きな被害が起きる可能性は低いといえます。

こちらの記事もおすすめ

「人工流れ星」を流したい! 実現に向けて日々奮闘する2児のママ・岡島礼奈さんに聞いた「子どものワクワクを育てるには?」リアルな子育て裏話も!
「人工流れ星」はエンターテインメントであり、科学貢献の役割も担っている --現在取り組まれている「人工流れ星プロジェクト」について教え...

文・構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事