ジメジメの梅雨は食中毒にご用心! 安全で安心な「お弁当づくりの基本」【管理栄養士監修】

湿度が高いこのシーズンは、食材が傷みやすく保存には細心の注意が必要です。特に、お弁当での食中毒が増える時期でもあるため、事前の対策は十分にとりたいもの。食中毒予防に大切なルールと正しいお弁当づくりのノウハウをご紹介します。

お弁当の食中毒を予防するために知っておきたい3原則とは?

まず、お弁当づくりに重要な3原則をご存じでしょうか?

1.つけない

2.ふやさない

3.やっつける

この3つが、食中毒予防には最も大事だといわれています。

とはいえ、具体的にどのようにすればよいのでしょうか…。少し分かりにくいですよね。ここでは、食中毒を予防するためのお弁当づくりのポイントを順に解説していきます。

.つけない=しっかり洗う

そもそも食中毒菌を寄せつけない第一のコツは、“しっかりと洗うこと”。洗うという行為には、調理をする手をきちんと洗う。お弁当の容器を洗う。食材を洗うことは、基本中の基本です。「なんだ~それなら、きちんとやっていますよ」という方でも“洗い方が重要”なんです。例えば、お弁当の色どりによく使われるミニトマトのヘタ。毎回、取っていますか? 実はトマトのヘタ部分は雑菌がとても多いのです。農林水産省でも「お弁当に入れるミニトマトのヘタは外してからしっかり洗い、食中毒を防止すること」と、注意喚起しています。

トマトは、ヘタの部分に雑菌が付着しやすく食中毒の原因になりがち。

ヘタを外してから“しっかり洗うこと”。よく水気を拭いて使用しましょう。

2.ふやさない=しっかり保存する

次に、食中毒菌を増やさないことがポイントです。朝お弁当を作って詰めてから昼に食べるまでには、ある程度の時間を要するもの。そのため、“保存の仕方”にも工夫が必要です。お弁当箱の正しい保冷法や、汁気が多いおかずは水分をとることも大切。最近では、便利なお弁当グッズがたくさん出ていますので一緒にチェックしていきましょう!

これからの季節は、保冷バッグ+保冷剤を入れたお弁当箱を持たせてあげることが第一条件。さらに安心なのは、お弁当箱をしっかり保冷する方法です。冷気は、上から下へ向かう性質があるため、保冷剤は上にのせるのが正解。お弁当箱自体に保冷剤を入れることができるタイプもあるため探してみるのもいいですね。

フタの下に保冷剤を入れることができる3層構造のお弁当箱も販売中(3COINS扱い)。

また汁気の多いおかずは、そのまま入れるのはNG! しっかりと水分をとることを優先しましょう。豆腐の水切りなどに使う穴の空いた容器を活用すれば、違う作業をしながら水気を切っておけるので便利です。

穴の空いた容器と下に受け皿がセットになった豆腐の水切り容器。汁気の多いおかずをしばらく置いておくだけで、水分のみ下へ落ちるので手間いらず。

油や汁気に強く吸収性のよいカップを利用するのも◎。

お弁当用の「抗菌シート」という商品を活用するのもいいですね(菌の増殖を抑えてくれる銀系無菌抗菌剤を使用)。

お弁当を詰めた後、上に抗菌シートを置くだけ。手軽で衛生的です。

3.やっつける=しっかり加熱する

食中毒予防で、「つけない・ふやさない」までは分かるけど「やっつける」って何? と思いませんでしたか。普段の食事とお弁当との大きな違いは、“正しい加熱”が大前提です。すぐに作りたてを食べられる環境でおいしいものと、時間が経ってからでも安全でおいしく食べられるものとの違いがあるからです。最も気をつけたいのは、「不十分な加熱による菌の繁殖」です。食材の加熱には細心の注意を払うことが鉄則になります。

ゆで卵を例に挙げてみましょう。左は7分加熱の半熟卵。右側は12分加熱した固ゆで卵。すぐに食べる分には、半熟卵を選ぶ方が多いかもしれませんが、お弁当に詰める場合は固ゆで卵にするのが正しい選択です。

肉の加熱にも要注意! 特に骨付きの肉は、火が通るまでに時間がかかります。中まで加熱をしたつもりでも骨の周りがまだ赤いという場合も…。生煮えの肉は、菌を増やしてしまうため十分な加熱を。

骨付き肉は十分な加熱後にアルミ箔に包み、余熱で中まで火を通すという方法も。お弁当箱に入れるときは、しっかり冷ましてから詰めましょう。

前日の残りおかずをお弁当箱に詰めるときは、電子レンジなどで再加熱してから入れることもポイントの1つです。

お弁当箱に詰めていく順番は、最初にご飯を入れてしっかり冷ましておくのもポイント。あとは、“つけない・ふやさない・やっつける”を守っておかずを詰めていくだけ! 食中毒を寄せつけないお弁当の完成です♪

いかがでしたか? 毎日のお弁当づくりは大変ですが、基本の「食中毒予防の3原則」をしっかりと実践すれば安心です。正しいお弁当づくりを心がけて、この梅雨を乗り越えてくださいね。

参考資料:お弁当づくりによる食中毒を予防するために:農林水産省

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この記事を書いたのは

川越光笑(かわごえあきえ) 管理栄養士・たべごとライター

出版社で編集を経験後、独立。食を通した環境問題、農業などに関心が高くフリー編集者兼ライターとして活動中。著者本に日本の食文化を守るべく企画した「おにぎり」(グラフィック社)がある。NHKやラジオ番組J-WAVEロハスモーニングなど多数のメディアに出演し、全国のおにぎり文化を語る。両親を病気で亡くしたことをきっかけに、“人は、食べるもので体がつくられている”ということを改めて実感。食の大切さに目覚め、管理栄養士を目指すべく大学へ進学。2023年春、国家試験に合格し、管理栄養士となる。

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