男の妊活大作戦に共感!“ダメ金玉”の夫が語る、不妊治療に感涙【パパやママに観てほしい映画】

©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

「凶気の桜」「遠くて浅い海」などで知られる作家でマルチクリエーターのヒキタクニオ。ヒキタさんが、自らの体験を基に手掛けた同名エッセイを映画化した『ヒキタさん! ご懐妊ですよ!』が、104日(金)より公開されました。本作は、中年男性が若い妻と共に不妊治療に励む“男の妊活”をユーモラスに描いた作品ですが、実は、夫婦という“ユニット”における思いやりの大切さを説く普遍的な映画でもあります。

主人公は、49歳の作家・ヒキタクニオで、彼は年の離れた妻サチと結婚し、子どもはいなくても、二人だけで十分楽しい日々を過ごしていました。ところがある日、ヒキタはサチから「ヒキタさんの子どもに会いたい」と言われ、そこから夫婦揃っての妊活をスタートさせます。

©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

彼らはまず、タイミング法にトライしますが、全く成果が上がりません。2人が検査をしたところ、サチの体はまったく異常がなかったのですが、ヒキタは「精子の8割は動いていない」という衝撃的な事実をつきつけられます。

ヒキタ役を演じるのは、連ドラ「孤独のグルメ」で人気を博す松重豊で、なんと映画初主演作となりました。一回り以上年が離れた妻・サチ役を北川景子が演じています。実は、松重さんとの実年齢差は二回り近いのですが、しっかり者のサチ役が非常にハマっていて、仲の良い年の差夫婦という設定がなんともしっくり来ています。

 ナイーブな不妊治療に斬り込んだハウツー映画

©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

 ヒキタさんが実体験された不妊治療なので、そのノウハウや知識がふんだんに散りばめられています。タイミング法から始まり、スイムアップ法、人工授精、顕微授精と、さまざまな方法がわかりやすく解説されますが、その一方で、ステップアップしていくほど費用が高くなるという現実にも向き合うことになります。

やがて、軽い気持ちで挑んだ不妊治療が、イバラの道だったことに気づくヒキタ夫妻。もともと楽天的なヒキタは「ダメ金玉!」と自分をののしり、そこは笑いを取りますが、サチも含め、まったく治療の成果が得られないことにだんだんストレスを溜めていきます。

©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

また、妊活は当事者2人だけではなく、周囲の理解も必要でして。応援してくれる人もいれば、最先端の治療に対する偏見や抵抗感を顕にする人もいて、ヒキタ夫妻の心も大いに揺れていきます。

 「妊娠」というゴールはわかっていても、そこはなかなか見えてきません。現在、二人目不妊に悩んでいるママたちは言うまでもなく、子どもを授かることの尊さを知っているママたちは、大いに共感できますし、涙なくしては観れないかも。

 自分のためではなく、相手のために諦めなかった妊活

©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

ヒキタ家にある水槽で、自由にたゆたうクラゲたちが、まさにヒキタの頑張る精子を象徴しているよう。夫婦は生活を見直し、体質完全しようと日々奮闘していきます。そんな中、ようやく一歩前に進めたと喜んでいたのに、谷底に突き落とされるという悲劇が……!

その悲しみを共有し、不妊治療を続けるかどうかに苦悩する2人。それでも夫妻が諦めなかったのは、「ただ子どもが欲しい」という願いだけではなく、「相手を“親”にしてあげたい」という相手本位の強い想いがあったから。つまり一番支えとなっていたのは、愛する妻や夫への愛情でした。

©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

そして、「ヒキタさん! ご懐妊ですよ!」となるわけです。この“!”の重みに涙腺崩壊です。

子育て中、あるいは現在妊活中の夫婦はもちろん、忙しい中で互いの気持ちを思いやる余裕がなくなってきたという夫婦にもぜひ観てほしい本作。言うまでもなく、映画館にはハンカチ必携でどうぞ。

『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』は10月4日(金)より全国公開中
脚本・監督:細川徹 原作:ヒキタクニオ「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」(光文社文庫刊)
出演:松重豊、北川景子、山中崇、濱田岳、伊東四朗…ほか
公式HP: https://hikitasan-gokainin.com/

文/山崎伸子

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