子どものお金教育が遅れていると言われている日本。人や仕事に恵まれる大人になるためには、きれいごとだけではないお金の意味や仕組みを知ることが大切だと言われています。
お金教育を受けてこなかったママパパが、子どもにお金教育をしなくてはいけない。そんな時に力になってくれるのが、この本『10歳から知っておきたいお金の心得』です。
『10歳から知っておきたいお金の心得』
この本を監修した八木陽子さんが主宰するキッズ・マネー・ステーションは、いま子どもが受けたい人気No.1マネー講座を全国で行なっています。キッズ・マネー・ステーションといえば、HugKumでもお金にまつわる絵本の連載や新しくスタートしたキッズ・マネー講座が好評配信中です。
お金の知識だけでなく、社会をよくするための「お金」を考えてほしい
キッズ・マネー・ステーション主宰の八木陽子さんは、この本を通して、子どもにお金の知識を伝えるだけでなく、子どもたちに、社会をよくするための「お金」について考えてほしいという思いがあります。
さっそく子ども(10歳)と読んでみて、ここが良かった!という本の感想をご紹介しましょう。
子ども目線のテーマ設定
子ども向けのお金の本は多く出ていますが、他の本と比べてもわかりやすく感じたのは、子ども目線の疑問がそのままテーマになっていること!
大きなテーマは子どもの疑問から
・物の価格はどうやって決まるの?
・未来のお金はどうなるの?
・銀行って何をしているところ?
・投資でお金は増やせるの?
・税金や社会保障って何?
子どもから「税金って何?」「銀行って何しているの?」聞かれますよね。お金の仕組み、社会の仕組みを知る上で、これらの疑問は必ず出てくるもの。この本は、子どもの素朴な疑問から仕組みを解説していく作りです。ですから、構えて読む必要はなく、すんなりと内容に入っていくことができます。
例えやイラストがわかりやすい
例えば、物の価格がどうやって決まるか、というテーマで。「需要と供給のバランスで、物の価格は決まります」と言われても、子どもはピンときません。その説明として、本の中ではこんな風にわかりやすく解説したページがあります。
・山の上では価格が割高なのはなぜ?
・コンビニエンスストアとスーパーでは同じ品物でも価格が違うのはなぜ?
・ゴールデンウィークやお正月になると旅行代金が高くなるのはなぜ?
子どもも考えやすい身近な例がたくさん
山の頂上、コンビニとスーパーの比較など、日常の身近なものを例に挙げているので、とてもわかりやすいですよね。これなら、物の価格がどうして上がるのか、なるほど!と納得できます。他にも、子どもに投げかけるのにいい着眼点がこの本にはいっぱいありました。普段の親子の会話でも参考にしたいものが多いので、クイズ形式で、夕飯の話題にしても盛り上がりそうです。
笑える!お金にまつわる多彩なコラム
子どもが大好きな「へー!」とか「えー!」という面白いコラムが、本には散りばめられています。例えばこちら。
「世界のビックリ税金大集合!」では、世界に実際にある、ウソのようなホントの税金がコラムとして紹介されています。他にも、「お金についての名言集」や「昔のビックリお金」などなど、面白いコラムも見逃せません。
お金は使い方、稼ぎ方、生き方が大事
最後に、この本を監修したキッズ・マネー・ステーションの八木陽子さんの子どもたちへのメーセージを紹介します。
お金と幸せは密接な関係だよ。でも、お金がたくさんあれば幸せという方程式は成立しない。自分らしいお金の使い方、稼ぎ方、生き方を見つけて、幸せな人生を歩もう!
いかがでしたか。お金の話はしにくい、という時代はもう終わりです。ぜひこの本をきっかけに、子どもと一緒にお金の話をしてみませんか。この本があれば、きっと親子でお金について語る有意義な時間が持てるはずです。
八木 陽子
~キッズ・マネー・ステーションとは~
「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約160名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2018年までに1100件以上の講座実績を持つ。
「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)