子どもの成長は、「これが成長の瞬間！」となかなか線を引くことはできませんが、子どもの歯が抜けるとき、歯抜けのわが子の顔を見ると、そこにはっきりとした成長を感じるものですよね。
歯は放っておいても自然と生え変わるものとは思うものの、わが子のことになるとちょっと話は違います。ママたちに取材したところ、
歯はいつごろから抜けるの？
順番はあるの？
グラグラしたらどのくらいで抜けるの？
無理に抜かなくていいの？
という疑問や、
乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてきた
お友だちの〇〇ちゃんは５本も抜けたのに、うちの子はまだ１本も抜けていない！
など、不安を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。そこで、今回は乳歯の生え変わり時期の特徴や注意点について、歯科医の先生にお話を伺いました。
目次
乳歯から永久歯への生え変わりの時期はいつ？
５歳前後から12歳ごろまで続く
乳歯の生え変わりは、だいたい小学校入学前（5歳前後）から始まり、小学校6年生（12歳前後）くらいまで続きます。乳歯は20本あるのですが、生えそろった段階で、28本の永久歯になります（親知らずが生えている場合は、合計で32本になります）。
抜ける時期については、言葉の発達や体形の変化と同じように個人差がありますが、8歳くらいまでに生え変わりが始まれば問題ないので気にしなくて大丈夫です。
乳歯が抜けて、永久歯が生える順番は？
下の前歯→上の前歯から始まって奥歯へ
まず、下の前歯の2本から生え始め、次に上の前歯2本、その後、奥歯が生えてきます。ただし、これらの生え方にも個人差があるので、順番が違うからといって焦らなくてもいいでしょう。だいたい乳歯が抜け始めたら、半年くらいで永久歯が生えてきます。もし永久歯が生えてこないようなら、歯科でレントゲンを撮ってもらうのもおすすめです。
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきたら？
乳歯が揺れるようなら問題なし
生え変わり時期に、乳歯が抜ける前に永久歯が生えてくる場合があります。乳歯にグラグラとした揺れがあるようなら様子を見てもらって大丈夫です。ただし、半年ほどたっても揺れがない場合、先天性の永久歯欠如などの可能性も考えられるので、歯科で診てもらいましょう。
乳歯がグラグラして子供が痛がるときは？
ひどい痛みは炎症の場合も！歯科医に相談を
乳歯はグラグラしたらすぐに抜けるのかな？というイメージがあるかもしれませんが、半年くらいかかって抜けます。もし、揺れている乳歯が痛くてご飯が食べられない！ というときは、歯茎が炎症を起こしている可能性も。この場合は、歯科で抜歯をしてもらいましょう。
生え変わり時期の時期は虫歯に注意！
歯磨きがしにくいため、しっかりチェックを
歯の生え変わりの時期は、乳歯と永久歯が混ざっているため歯が磨きにくく、虫歯や歯周病のリスクも高まります。さらに、生え変わったばかりの永久歯は酸に弱く、虫歯になりやすいという特徴があります。歯磨きをお子さんだけに任せるのではなく、親御さんが仕上げ磨きをするなどお口の中の状態をチェックしてあげましょう。
成長に大きな個人差があるのが歯の生え変わり
子どもの成長の中でも乳歯の生え変わりは個人差があるのが特徴です。3歳や4歳で抜けてしまった、というお子さんもいれば、中学生になってもまだ乳歯が起こっているということもあります。約8年ほどの期間をかけて歯の生え変わりは進んでいくので、気長に成長を見守りましょう。永久歯が出てきているのに乳歯が抜けなかったり、生え方に不安がある場合は歯科に相談すると安心です。
お話／世田谷通りデンタルオフィス松陰神社前 壱岐聰一郎先生
取材・文／安田光絵