【保育士監修】焦らず気楽に!トイレトレーニングはスマイルが肝心!トイトレを楽しむグッズも紹介

トイレトレーニングって何だか大変そう……と心配になっているおうちの方も多いのでは? でも大丈夫。お子さんの「気持ちいい」という体験を上手に積み重ねてあげれば、ストレスなくおむつを卒業できますよ!保育士の山賀路子先生に、トイレトレーニングを親子でハッピーに乗り切るコツを伺いました。

保育士が伝授!トイレトレーニングをストレスなく進めるポイント

「溜めて出す」のは本来気持ちがいいもの

今まではいつ・どこでもできた「おしっこ」「うんち」を、これからは決められた場所でしなければならない……。このハードルを乗り越えるためには、「気持ちいい」という体験を積み重ねることが大切です。

実は、人間には「排泄欲」があるので、「溜めて出す」というのは本来気持ちがいいもの。おむつでするよりも溜めてからトイレでしたほうが気持ちいい、という経験をくり返すことで、トイレトレーニングがスムーズに進みます。

タイミングさえつかめばあとは大丈夫

気持ちのいいトイレトレーニングのために大切なのは、おうちの方がストレスなく取り組むこと。イライラしたり、怒ったりしてしまうと、子どもはトイレトレーニングを嫌なものとして捉えてしまいます。

親子それぞれにとって一番重要なのは、トレーニングを始めるタイミングが、その子に合っていることです。また、トイレトレーニングがどのように進むかを知っておくと、「こんなこともある」とおおらかに接することができるでしょう。

まずはこちらを!トイレトレーニングの予備知識

早く始めれば早く終わるものではない

ほかの子が始めたから、もう2歳だからなど、「早く始めなきゃ」と焦る必要はありません。体の準備が整わないうちに始めてしまうと、トレーニングの期間が長くなってしまうこともあります。

溜められる量には個人差がある

おしっこを溜める量は、人によって違います。また、暑い時期は汗をかくからあまり出ない子もいれば、水分をたくさん摂るので量が増える子もいるなど、人それぞれ。おむつの時期からおしっこの傾向を意識しておくといいでしょう。

失敗を経験しながらできるようになっていく

一度も失敗せずにおむつが外れる子はいません。むしろ失敗して「気持ち悪い」と感じることも大切な経験です。おうちの方がおおらかな気持ちでトイレトレーニングができるよう、「失敗してもいい環境」を整えましょう。

戻ったり、一回休みも問題なし!トイトレすごろく

トイレトレーニングの基本的な方法をご紹介します。ストレスなく進めるためには、焦らないことが一番。予備知識を参考に、その子なりの状態やタイミングをはかって、自分たちのペースで進めていきましょう。

スタート! 1 始めるタイミングを見極める

トイレトレーニングを始める目安は、「おしっこの間隔が2時間あく」こと。おむつを交換してから2時間経ったらおしっこしているか、おむつを確認してみましょう。おむつが濡れていないことが何度か続いたら、トイレトレーニングを始める絶好のチャンスです。

2 おむつが濡れていないときにトイレに誘う

おむつ交換から2時間経ったときや、朝起きたとき、活動の切れ目などでおむつが濡れていなければトイレに誘いましょう。このとき、「おむつ卒業のためにトイレに行こう!」 と伝えるか、「一緒にトイレに行ってみない?」とさりげなく伝えるかは、その子の個性に合わせるといいでしょう。

3 とりあえずトイレに座らせてみる

最初はおしっこが出なくても構いません。出るか出ないかよりも「座ること」が大切なのです。おしっこが溜まっている状態ではあるので、出る場合もあります。そのときに「すごいね! トイレでおしっこ出たね!」とおうちの方が喜ぶことで、子どももおしっこを出す感覚がだんだんわかるようになります。

4 トイレでできる回数が増えてきたら布パンツに

まだおむつにおしっこをするときがあっても、トイレでできる回数が増えてきたら、とりあえず布パンツをはかせてみましょう。「もらすとパンツや脚が濡れて気持ち悪い」と体験することも、「トイレでするほうが気持ちいい」と思うきっかけになります。

おむつ卒業! 5 おしっこが出る前に教えるようになる

「トイレに座ったら、たまたま出た」という経験をすることで「おしっこを出す感覚」を学び、「もらすと気持ち悪い」経験から「トイレですると気持ちいい」ことを学びます。これらを積み重ねていけば、だんだんおしっこが出る前の感覚がわかるようになり、出る前に教えてくれるようになります。

〈マイルールもOK!〉うんちは“子どもの儀式”を尊重しよう

今は「カーテンの裏でうんち」など、その子特有の“儀式”を尊重してOK。出るタイミングはわかっているという

ことです。一度でもおむつを脱いだ状態でうんちができたら、「おむつでしたらお尻がべちゃっとして気持ち悪い、脱いでしたほうが気持ちいい」と学び、トイレでできるようになります。今だけのその"儀式"は、大きくなったらきっと笑い話になることでしょう。

トイレトレーニングが楽しくなる「お助けアイテム」

トイレスケジュール用ホワイトボード

ホワイトボードとマグネットを用意して、1日のトイレスケジュールと結果の記録をつけてみましょう。「おしっこ成功」は好きな色のマグネットにして、「できた!」という気持ちを盛り上げます。寝る前に「今日はこんなにできたね!」と振り返るのもいいでしょう。

トイレが楽しくなる絵本・写真・ぬいぐるみ

トイレトレーニングは「トイレに行って座る」ことから始まります。そのためにも、トイレをその子にとって楽しいところにしましょう。好きな絵本のコーナーを設置したり、キャラクターの絵や写真を貼ったり、ぬいぐるみを置いたり……トイレを「行きたくなる場所」にプロデュースしましょう。

自分で選んだ「おにいさん、おねえさんパンツ」

布パンツやトレーニングパンツを用意する際、子どもと一緒に選ぶといいでしょう。「どれにする?」と楽しく選んだパンツは、大切なパンツ=汚したくないパンツになります。おうちの方の趣味より子どもの好きなものを優先して選びたいですね。

ママから寄せられたトイレあるあるQ&A

焦らず、気負わず、楽しんでトイレトレーニングを進められるよう、よくある疑問に対して先生に答えていただきました。スマイルトレーニングでパンツデビューを迎えましょう!

Q.トイレに連れて行っても遊ぶだけでおしっこをしません

A.トイレが「楽しい場所」と思えればそれでよし

トイレを「楽しい場所」だと思えている証拠です。時間が許す限り付き合ってあげるといいでしょう。最初はトイレに座ってもなかなか出ないもの。まずは行きたくなる気持ちを保てるサポートを。

 

Q.おしっこをする前でなく、出たあとに言うことが続きます

A.出た感覚がわかっているだけでOK

出たあとに教えてくれるということは「出た感覚」はわかっているということ。すばらしい進歩です。「教えてくれてありがとう!」と伝えましょう。くり返していくと「出る前の感覚」がわかるようになります。

 

Q.誘ってもトイレに行くのを嫌がります

A.マネしたい気持ちをくすぐって

人のマネをするのが大好きな時期なので、年上の子やお友だちがトイレに行く様子を見せたり、パパやママのおしっこについてきてもらうのもいいですね。パパやママがトイレでおしっこをしてすっきりしている姿を見ると、やってみたい気持ちになっていくでしょう。

 

Q.失敗が続くと、つい怒ってしまいます

A.「失敗してもいい環境」を整えて

怒ってしまうのは、「汚されたくない」という意識が働くから。を汚さないようビニールシートを敷いておく、ズボンをはかずに過ごすなど、失敗してもいい環境を整えておきましょう。

 

Q.スタートが遅れ、3歳になってしまいました。今からでも間に合いますか?

A.始めたら成功するまでが早いかも

「間に合わない」ということはありません。むしろ、体が発達しているので「出る感覚」を理解するのが早く、おしっこを溜める量も増えているため、失敗の回数も少ないでしょう。体の準備ができていたら、始めてみてください。

 

Q.できていたのに、下の子が生まれたらできなくなってしまいました

A.わざとママを困らせることをしたい時期です

今は「赤ちゃんになりたい」「ママを困らせてかまってもらいたい」という時期です。しばらくはおむつにして見守りましょう。今は「できない」のではなく「しない」だけ。スタート前に戻ったわけではないので安心して。

 

Q.旅行などで、おむつで過ごすとトイレトレーニングが長引きますか?

A.完全に戻ることはありません

少し長引くこともあるかもしれませんが、完全にできなかったころに戻るというわけではありません。旅行を楽しむことを優先してもいいでしょう。家族のにこにこ笑顔が一番です!

 

Q.日中はパンツで過ごせるようになっても、夜はまだおねしょをすることが多いです

A.夜は別物。入学までにとれればOK

昼間はおむつなしで大丈夫でも、夜はおむつでOK。目安として小学校入学までにおむつがとれれば発達上は問題ありません。「朝までおむつが濡れていない」という日が1週間続いたら、夜もパンツにしてみましょう。

 

トイトレが 進んだら、こんなことにもトライ!

家のトイレ以外でもやってみよう

家のトイレではできるけど、他のトイレではできない……では困りますね。よく遊びに行く公園や児童館などのトイレでもできるよう、練習してみましょう。小学校入学までに、和式トイレ、男の子は小便器でもできるようにしておくといいですね。

うんちを自分で拭く練習をしよう

うんちを自分で拭くのは、初めはなかなか難しいものですが、3~4歳くらいから自分で拭く練習を始めましょう。このとき、うんちは「前から後ろ」の方向に拭くよう習慣づけましょう。

おしっこ、うんちの大切さを知ろう

おしっこ、うんちは「汚い・くさい」だけではなく、健康に生きていくために大切なものです。「どうしておしっこやうんちが出るのか」がわかる絵本を読んだり、うんちから体調がわかることを教えたり……親子で楽しく学んでいきましょう。

 

山賀路子先生

「アンミッコ保育園」「春アンミッコ保育園」代表。小児科看護師を経て保育士に。保育士と看護師両方の視点を生かした保育に定評がある。

 

イラスト/オブチミホ 構成/童夢 出典/ベビーブック

編集部おすすめ

関連記事