ユーラシア大陸を含む六大陸については、世界地理の入門となる知識です。その特徴・成り立ち・名前の由来など、ユーラシア大陸のさまざまな情報をまとめました。ユーラシア大陸にある主な国々や、大陸にまつわる面白い豆知識についても紹介します。
ユーラシア大陸とは?
「世界にある六大陸の名前を言ってみて」と聞かれて、真っ先に「ユーラシア大陸」を挙げる人も多いのではないでしょうか。そんな認知度の高いユーラシア大陸の概要を紹介します。
地球で最も大きな大陸
世界地理は「六大陸・三大洋」を覚えることから始まります。六大陸とは次の六つです。
・ユーラシア大陸
・アフリカ大陸
・北アメリカ大陸
・南アメリカ大陸
・南極大陸
・オーストラリア大陸
なお、上記は面積の大きさ順に並べました。地球の表面は海洋と陸地が7:3の割合になっていますが、ユーラシア大陸はその陸地の40%を占めています。世界の陸地の約半分ですから、もちろん六大陸の中で1番大きな大陸です。
北半球に位置しており、日本海を挟んで日本列島のすぐ隣にあります。ちなみに三大洋は「太平洋」「大西洋」「インド洋」の三つです。
名前の由来は造語
「ユーラシア」は、英語で書くと「Eurasia」です。ユーラシア大陸にユーラシアという国があるわけではありません。
これは、Europe(ヨーロッパ)とAsia(アジア)を組み合わせて作った造語なのです。その名の通り、ヨーロッパ諸国とアジア圏の国々のほとんどがユーラシア大陸にあります。
こうして名前の由来まで覚えておくと、つい度忘れしてしまったときでも名前を思い出しやすくなるでしょう。
ユーラシア大陸にはどんな国がある?
続いて、ユーラシア大陸にある主な国々について紹介します。大陸における位置関係とともに、気候や文化などそれぞれの国の特徴まで一緒に確認しましょう。
世界で一番大きな国 ロシア
ユーラシア大陸の北部に位置するロシアは、ヨーロッパとアジアにまたがって世界の陸地の11.5%を占める「世界一大きな国」です。広い国土に180を超える民族が住んでいるといわれている多民族国家でもあります。
ロシアは正しくは「ロシア連邦」です。ロシア連邦の中には20以上の共和国が存在しています。それぞれが独自の憲法や公用語を有していますが、ロシアから独立しているわけではありません。
大陸性気候のため季節の寒暖差が激しく、北部地方では年間の約半分が厳しい寒さに見舞われます。首都・モスクワにある有名な世界遺産「クレムリン」「赤の広場」は、ロシア随一の観光地です。
人口世界一 中華人民共和国
大陸の東側にある中華人民共和国(以下、中国)も、広大な国土面積を有する国です。約14億もの人々が住んでいる「人口世界一の国家」でもあります。
中国全土が同じ大陸性モンスーン気候ではありますが、南北で冬季の気温差が激しいのが特徴です。一方で、夏や秋はほとんどの地域が温暖で過ごしやすくなります。
数ある世界遺産の中でも有名なのは、首都・北京を含む七つの都市にまたがる城壁「万里の長城」でしょう。山々に巡らされた長い防御施設は、広大な自然と相まって圧巻の眺めです。
カレーが有名 インド
インド共和国は大陸南部にあり、首都はニューデリーです。人口の多さは中国に次いで世界第2位となっています。雨期と乾期があり、最も気温が上がる4・5月には40度を超える暑さになることもめずらしくありません。
インドといえば「カレー」を連想する人も多いでしょう。インドの家庭で食べられているカレーにはさまざまな香辛料が使われています。日本の一般的なカレーよりもずっとスパイシーです。
インドの代表的な世界遺産は「タージ・マハル」で、観光名所として多くの人が訪れます。完全なシンメトリーを成した白亜の霊廟(れいびょう)は、思わずため息の出る美しさです。
大陸最西端!ポルトガル
ポルトガルは「ユーラシア大陸最西端にある国」です。地中海性気候なので一年中過ごしやすい気温が続き、日本の気候とは逆に夏はからっとして冬は雨が多くなります。
ポルトガルは800年近く国境が変わっておらず、首都・リスボンはギリシャのアテネに匹敵する歴史を持つ都市です。長い歴史の中で変遷してきたヨーロッパ諸国の中では、古代からの歴史を感じられる国といえるでしょう。
リスボンにある世界遺産「ジェロニモス修道院」には、ヨーロッパ人として初めてインドへの航路を発見した「ヴァスコ・ダ・ガマ」の棺が安置されています。
知っておくと面白いマメ知識
最後に、地球規模の壮大なスケールのユーラシア大陸にまつわる豆知識について紹介します。
大陸の衝突でできたヒマラヤ山脈
世界一高い山・エベレストを擁するヒマラヤ山脈が生まれたのは、約4000~5000万年前のことだと考えられています。
はるか遠い昔、六大陸は全て「パンゲア」と呼ばれる一つの大陸だったといわれています。やがて、地球の表面を覆うプレートが移動するとともにバラバラになり、少しずつ今のような大陸の形になっていきました。
ユーラシア大陸と離れた南極に近い位置にあったインドは、プレートの動きに乗ってユーラシア大陸と衝突しました。その衝撃で海底にあったプレートが押し上げられ、現在のヒマラヤ山脈となったのです。
日本はもともと大陸と地続きだった
ヒマラヤ山脈ができた頃、日本は「ユーラシア大陸の一部」でした。約2000万年前に地殻変動により大陸から分裂し、長い時間をかけて現在の日本列島になっていったと考えられています。
その証拠となったのが、島根県にある「隠岐片麻岩(おきへんまがん)」と呼ばれる岩石です。この岩石の中に大陸と同じ砂粒や鉱物が含まれていたことから、大昔の日本列島の姿が見えてきました。
ユーラシア大陸の端が分断された原因については、未だ議論に決着がついていません。
世界の地理にも目を向けてみよう
学校で学ぶ世界地理の入り口だけに、ユーラシア大陸について学んだことがうろ覚えになっている人も多いのではないでしょうか。小中学生の子どものいる家庭では、突然の質問に困惑させられることもあるかもしれません。
大陸の成り立ちやそこにある国々について併せて学習すると、ただ大陸の名前を覚えるだけよりもずっと記憶に定着しやすくなります。この機会に親子で一緒に楽しく勉強してみましょう。
文・構成/HugKum編集部