隈 研吾氏設計の「角川武蔵野ミュージアム」が東所沢に!知的好奇心を刺激する8mの巨大本棚は必見☆

親子でアートを楽しむ方法を紹介している「リトルアーティストリーグ」です。この秋、全方位から知的好奇心を刺激する素晴らしいミュージアムが埼玉県の所沢市に登場!その魅力を徹底レポートします!

建築家の隈研吾さんが設計!美術・博物・図書の複合ミュージアム

JR武蔵野線の東所沢駅から10分ほど歩いて住宅街を抜けると、突如、石でできた武骨な巨大建造物が現れます!設計を手がけたのは日本でも指折りの建築家・隈 研吾氏。

外壁には、1つおよそ50kg~70kgの花崗岩を約2万枚も使用しており、61枚の三角形を組み合わせた複雑な外観は、見る角度や光の加減によって様々な表情を見せています。隈氏はこの建築について、「地形そのものが建築になったようなものがつくりたかった」と語っています。この建築物を見るだけでも訪れる価値あり!

©角川武蔵野ミュージアム

角川武蔵野ミュージアムは5階建て。1階には、館内でもっとも広大な1000平米を誇る「グランドギャラリー」と、KADOKAWA刊行のマンガやライトノベル2万5000冊を配架する「マンガ・ラノベ図書館」が。2階は受付やショップ、カフェ。3階には700平米の「EJアニメミュージアム」が、4階には荒俣 宏氏監修の「荒俣ワンダー秘宝館」と松岡正剛氏監修の「エディットタウン」。そして5階には武蔵野をテーマにした展示を展開する「武蔵野ギャラリー」などがあります。

21世紀型の複合文化ミュージアムと称されるにふさわしく、至るところに知的好奇心を刺激する仕掛けが沢山あり、たっぷり楽しめるスケジュールで訪れたい施設です。

新文脈で図書が紹介される「エディットタウン」

まずは館の目玉といえる4階にある「エディットタウン」をご紹介しましょう。

ここはどこを見ても本だらけ。本の息づかいや賑わいが感じられる”街”のような図書空間が広がります。編集工学で有名な松岡正剛館長の監修により世界を読み解くための「9つの文脈」にそって約2.5万冊の図書が至る所に配置されています。

数学をテーマにしたコーナー

椅子もあるので本棚の前で好奇心の赴くまま本のワンダーランドに没頭できます。

「荒俣ワンダー秘宝館」に迷いこもう

4階のエディットタウンには、荒俣宏氏監修の「荒俣ワンダー秘宝館」も併設されているので、いつの間にか博物館に迷いこんでしまいました。

「荒俣ワンダー秘宝館」 は、「触れる奇跡」の品物が多数展示されている《半信半疑の地獄》と生物の美しさ不思議に触れられる《生命の神殿》の2つの部屋に分かれています。「え、何これ?」という驚きこそが、ワンダーの源。

入口では3Dのアラマタサマがお出迎え!左は《生命の神殿》、右は《半信半疑の地獄》と案内矢印が出て、どちらに行くか迷います。まずは、右側へ。

世界から集めた珍品、標本、宝物、模型が所狭しと並んだ《ワンダーの部屋》です。光と影、東と西のもの、嘘か誠かわからないものが入り混じるそのカオスの空間は、訪問者のセンス・オブ・ワンダー(=自然の神秘さや不思議さに目を見はる感性)を刺激します。

机の上の展示物は実際に触ることが出来ます。

ライトを当てると光が分解されて様々な色がみれるプリズムキューブは、オシャレでずっと眺めていられます。

今度は、《生命の神殿》へ。美しい標本はワンダーを刺激するアートになりうる、を体現した部屋です。「自然界に見られる相似性」に着眼したウサギノネドコによる5つの展示作品や、海中の生き生きとした生物を繊細なガラス作品で表現したつのだゆきによる作品、科学と芸術を橋渡ししたエルンスト・ヘッケルの間など、科学と芸術の融合が楽しめます。

透明標本作家・冨田伊織氏の期間限定展示

「人間が作った標本の中で最も美しい」と荒俣宏を唸らせた、冨田伊織による透明標本も必見です(期間限定公開)!

圧巻!高さ8メートルの本棚に囲まれた「本棚劇場」

ストリートを抜けると「本棚劇場」と称される、360度高さ8メートルの巨大本棚に囲まれた圧巻の空間が!

KADOKAWA刊行物と、角川源義文庫など個人蔵書が一堂に並んでいます。また、本棚劇場では、定期的に「本と遊び、本と交わる」をコンセプトとした《プロジェクションマッピング》を上映する予定です。

「武蔵野」を様々な角度から深く知る展示

本棚劇場は吹き抜けで、階段から5Fに上がれます。ここには「武蔵野回廊」と「武蔵野ギャラリー」があり、埼玉・千葉・東京にまたがる武蔵野エリアについて深く知ることができます。

「武蔵野回廊」には、<武蔵野再発見>をテーマに、民俗学者の赤坂憲雄先生が監修・選書した、地理・歴史・文学・ルポタージュ・写真集など幅広いジャンルの本が収蔵・展示されています。

「武蔵野ギャラリー」では、三万年前の太古より人が住み続ける<武蔵野>を再定義することをテーマにした展示がされています。武蔵野への強い思いを持っていた角川書店創業者・角川源義が1950年代に撮影した貴重な武蔵野の風景写真、人気イラストレーターToy(e)氏描きおろしの武蔵野の巨人「ダイダラボッチ」など、多彩なコンテンツが楽しめます。

チームラボの作品も見逃せない!

また、ミュージアムに隣接する東所沢公園内にオープンした「武蔵野樹林パーク」にも注目!武蔵野樹林パークでは「チームラボ どんぐりの森の呼応する生命」が常設展示され、2つの作品《自立しつつも呼応する生命 – 液化された光の色》と《呼応する木々》が展示。縄文時代の日本ではどんぐりがなる落葉広葉樹林が広がり、縄文人は「どんぐりの森」と共に生きてきたのです。

「チームラボ どんぐりの森の呼応する生命」埼玉 所沢 © チームラボ
「チームラボ どんぐりの森の呼応する生命」埼玉 所沢 © チームラボ

チームラボは、非物質的であるデジタルアートによって「自然が自然のままアートになる」という「Digitized Nature」というアートプロジェクトを行っています。武蔵野のどんぐりの森が、人々の存在によって変化する光のアート空間に変わります。昼と夜で表情が異なるので両方味わってくださいね!

【施設概要】

名称:角川武蔵野ミュージアム
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内
開館時間:日~木曜10:00~18:00/最終入館17:30、金・土曜10:00~21:00/最終入場20:30
休館日:第1・3・5火曜日 その他詳細は必ずWEBで確認してください
チケット:https://tix.kadcul.com/
問い合せ先:0570-017-396(受付時間:平日10:00~17:00)

 

教えてくれたのは、LITTLE ARTISTS LEAGUEのお二人。

LITTLE ARTISTS LEAGUEは母になった、アーティスト二人が立ち上げた、
親子へ向けた、本気でアートをやっていく活動団体です。

facebook.com/littleartistsleague/littleartistsleague.org

instagram.com/littleartistsleague/

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