この秋、映画界は北村匠海まつり！出演映画３作で違った魅力が炸裂！

Happy Birthday！今日は本格派俳優の仲間入りをした北村匠海の誕生日

本日11月3日に23歳の誕生日を迎えた人気スター、北村匠海。この秋は北村さんの出演映画が3本も公開されます。そこで、祝“秋の北村匠海まつり”ということで、彼が出演した3作を一挙まとめてご紹介します。

その3作とは、先週10月30日に無事に公開された『とんかつDJアゲ太郎』に、吉沢亮や小松菜奈と共演した『さくら』(11月13日公開)、森山未來や勝地涼と共にボクサー役を演じた『アンダードッグ』(11月27日公開)です。

子役出身で、『君の膵臓をたべたい』(17)でブレイク以降、着実にスター街道を歩んできた北村さんは、ダンスロックバンド・DISH//のリーダーでもあります。彼は人気者となっても決して浮足立つことはなく常に謙虚で、毎回周りの人々への感謝の心を忘れません。

『とんかつDJアゲ太郎』の初日舞台挨拶では、公私ともに交流が深い共演者・伊藤健太郎のひき逃げ事件に心を痛めながら、北村さんはこんな言葉を口にしました。「僕は決してかわいそうな奴ではないし、とても幸せ者だと思っています。本当に人に恵まれて、監督、キャスト、スタッフの皆さんに支えられながら、今ここに立てています」

おそらく一番ショックを受けていたであろう北村さんが、あの場においても周りを気遣い、感謝の言葉を口にするとは。正直、その懐の深さに感服させられました。若きトップスターは、人間としても一流なんだなと。ということで、北村さんにエールを贈るべく、彼の出演作3本を、駆け足でご紹介していきます。

北村匠海がコメディに初挑戦した『とんかつDJアゲ太郎』

現在公開中の『とんかつDJアゲ太郎』は、イーピャオが原案を、小山ゆうじろうが漫画を手掛けた同名コミックの実写映画化作品。北村さん演じるとんかつ屋の三代目跡取り息子のアゲ太郎(北村さん)は、ある日訪れた渋谷のクラブで衝撃的な出会いを果たし、とんかつもフロアもアゲられる、“とんかつDJ”を目指します。

北村匠海＆伊藤健太郎のアゲアゲ映画『とんかつDJアゲ太郎』まもなく公開！

『とんかつDJアゲ太郎』で主演を務めた北村匠海 10月6日開催「渋谷の中心でとんかつ愛を叫ぶ presented by『とんかつDJア...

この作品での北村さんは、『アンダードッグ』での肉体改造に挑む前なので、イベントでは「当時はなにも気にせず飲み食いしていたので、今よりも8kg太ってました。でも、とんかつ屋の息子だから、ぷよぷよでいいんじゃないかと」と言っていましたが、確かに現在と比べて、愛らしいムッチリさがファンにはたまりません。

また、本作で、コメディに初挑戦した北村さんが、とんかつのコスプレをして踊ったり、ランニング姿で町を疾走したりと、これまで見たことのないコミカルな表情を炸裂させています。劇中の音楽もアゲアゲだし、見れば元気がもらえる痛快音楽映画でもあるので、家族で観ても、大いに盛り上がれそうです！

©2020 イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会

北村匠海の陰のある表情も、泣き顔も大いにそそる『さくら』

続いてご紹介するのは、『ストロベリーショートケイクス』の⽮崎仁司監督作『さくら』です。直⽊賞作家・⻄加奈⼦の同名ベストセラー小説の映画化作品で、ありふれた普通の家族と彼らの愛犬サクラが、残酷な運命に翻弄されながらもたくましく生きていく姿が描かれていきます。

一家の長男役に吉沢亮、次男役に北村さん、末っ子の妹役に小松菜奈、両親役に寺島しのぶ、永瀬正敏と、実力派俳優陣がキャスティングされ、それぞれが織りなす演技合戦が、最大のどころとなります。

ある事件によって、家族が絶望の淵へと追いやられ、思わず息を呑む展開に。本作での北村さんは、人気者の兄にコンプレックスを持つ次男という役どころで、キラキラオーラは控えめなのですが、こういう陰のある役どころも絶妙に演じ分けます。また、愛犬サクラとの共演シーンには思わずほっこり。

いわば「キミスイ」の主人公のように、憂いをたたえた北村さんの表情もファンにはたまらないはず。今回も彼が泣くシーンで、観ている側の涙腺も刺激されること、間違いなし。

©西加奈子/小学館 ©2020「さくら」製作委員会

8kg減量して肉体改造！北村匠海がボクサー役を演じた『アンダードッグ』

最後の1本は、第88回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作に選出され、国内外で高い評価を得た『百円の恋』の監督・武正晴×脚本・足立紳のコンビが放つ、感動のボクシング映画『アンダードッグ』です。

主演の森山未來が演じるのは、過去のささやかな栄光が忘れられず〝かませ犬（=アンダードッグ）〟になり果てた今も、ボクシングにしがみつくことしかできないボクサーの末永晃役。北村さんは、彼と闘うことになる若き天才ボクサー・大村龍太役を、勝地涼が、鳴かず飛ばずの芸人ボクサー・宮木瞬を演じています。

『とんかつDJアゲ太郎』の撮影後、体重を8kg落としてこの役に挑んだというストイックな北村さん。過酷なトレーニングをこなし、心身ともにボクサーになりきりました。武監督も3人の奮闘について「彼らの献身的なトレーニング姿は我々スタッフの力となり、作品の推進力となりました」と称えています。

人生から見放された3人の男たちが、不屈の精神で立ち向かっていく闘魂ぶりがとにかく熱い本作。パンチを浴びても、何度も諦めずに這い上がる姿は、コロナ禍において、気持ちが沈んでいる人たちにも、熱いエールを与えてくれそうです。

ということで、北村さんの出演作3本は、毛色は違えど、いずれも見どころのある力強い作品に仕上がっています。ぜひこの秋は、“北村匠海まつり”をめいっぱい堪能してください。

© 2020「アンダードッグ」製作委員会

文/山崎伸子