「民間さい帯血バンク」を知っていますか?赤ちゃんや家族の未来のために、妊婦の時に考えたい

さい帯血は、さまざまな病気の治療に役立てられるのではないかと今、注目されており、妊娠を機に、自身の赤ちゃんや家族に適応される「民間」の「さい帯血バンク」の利用を考えるママたちも増えているそうです。

さい帯血保管の必要性について、さい帯血を希望する妊婦さんに寄り添ってきた経験が豊富な「すみれ助産院」の助産師・坂田陽子さんにお話を聞きました。

「さい帯血」ってなあに?

「さい帯血」とは、赤ちゃんのへその緒と胎盤の中を流れる血液

お腹の中の赤ちゃんは、お母さんから栄養や酸素を受け取るためにさい帯(へその緒)を通じて、全身に血液を巡らせています。その血液がさい帯血です。

「さい帯血」には「幹細胞」という細胞が多く含まれています。これは臓器・筋肉・骨・血液の成分・神経などになる「身体のもと」になる細胞です。

 

さい帯血バンクは“公的バンク”と“民間バンク”の2種類

「さい帯血バンク」は、「さい帯血」を保管している施設のこと。公的バンクと民間バンクがあり、それぞれ目的がちがいます。

国内で民間さい帯血バンクを運営するには、厚生労働省に事業の届出をする必要があり、民間さい帯血バンクは、現在は2社届け出があります。

公的なさい帯血バンクは、第三者への寄付として使われる

「公的さい帯血バンク」は、厚生労働大臣の許可を受けた全国6カ所のさい帯血供給事業者が行っているもので、第三者の白血病などの血液疾患の治療のために、さい帯血を寄付する制度です。寄付なので費用はかかりません。

民間のさい帯血バンクは、生まれてくる赤ちゃんと家族のためのもの

一方「民間さい帯血バンク」は、利用できるのは赤ちゃん本人とその家族だけ。保管委託契約があり有料です。費用は10年間で24万円、20年で29万円ぐらいが目安です。

「さい帯血」治療の研究はどう進んでいるの?

さい帯血を利用した治療としては白血病が有名ですが、近年、国内外において、脳性まひ、低酸素性虚血性脳症、自閉症スペクトラム障害、小児難聴などに対する臨床研究が進められ、現在治療法が確立されていない病気への新たな治療法として注目されています。

自分のさい帯血を使った治療で、脳性まひの子の6人中5人が運動能力向上

脳性まひは、出生時1000人に23人の割合で発症すると言われています。

脳の損傷が原因で、運動発達や知的発達などに重篤な症状が見られますが、今のところ有効な治療法はなくリハビリが中心です。そのため高知大学では、脳性まひの治療にさい帯血を生かす研究を進めています。マウスを使った基礎研究では、さい帯血を投与したことで自己治癒能力を高める働きが見られました。

また、2017年からは脳性まひの子ども6人に対して、自分のさい帯血を使った臨床研究を進めており、投与後6人中5人に運動能力の向上が確認でき、また、コミュニケーション能力の向上も見られたと発表しました。中には一般的にはリハビリだけでは改善が困難とされる7歳以上の子どもも含まれています。

きょうだいのさい帯血を使った脳性まひへの臨床研究がまもなく開始

脳性まひに対して、本人のさい帯血を使った研究で、その安全性と症状改善の確認をした高知大学では、さらに治療対象を広げるために、きょうだいのさい帯血を使用する国内初の臨床研究を開始すると発表しました。

民間さい帯血バンクのステムセル研究所に、きょうだいのさい帯血が保管されている1歳以上7歳未満の8名を対象に、研究が行われます。

脳性まひを未然に防ぐ研究は11月にスタート!

また、2020年11月、大阪市立大学を中心とする研究グループは、低酸素性虚血性脳症※に対して自分のさい帯血を使用する臨床研究を開始すると発表しました。既に前段階試験でその安全性を確認しており、この試験では今後の治療実施の可能性と効果の確認を目的に15症例が予定されています。

この試験は、出生時に採取されたさい帯血に必要な処理を施し、24時間以内に赤ちゃん本人に投与するという内容です。なお、ステムセル研究所は、民間さい帯血バンクの機能とネットワークを活かし、関東圏で実施される一部症例の細胞分離とその運搬でこの試験をサポートします。

※低酸素虚血性脳症とは、赤ちゃんが出産するとき、何らかの要因で脳への血流が途絶えてしまい、重症仮死になる状態です。有効な治療とされている赤ちゃんの体を冷やす低体温療法を施した場合でも、その半数は重い後遺症が残り、脳性まひの主因のひとつになっています。

「民間さい帯血バンク」について>>>

自閉症、小児難聴にも…その期待は大きく広がりつつあります

ほかにも、今後日本でも、100人中12人が発症すると言われている自閉症スペクトラム障害をはじめ、1000人中1~2人が発症するとされている小児難聴などに対しても、さい帯血を使った治療が期待されています。

採取のチャンスは出産した時のみ

へその緒、胎盤からしか採取できない「さい帯血」は出産したときのワンチャンス。バースプランを立てるときなどに一緒に考えるといいでしょう。さい帯血バンクを希望しない場合は、医療機関でさい帯血は処分されてしまいます。

産後、切ったへその緒や胎盤から採取。赤ちゃんに痛みはありません

「さい帯血を取る」と言うと「痛いのでは?」「赤ちゃんに危険はない?」と心配するお母さんもいると思います。しかしさい帯血は、産後、切ったへその緒から看護師や助産師がさい帯と胎盤に残っている血液を採取するので、赤ちゃんに痛みなどは一切ありません。

ただし①帝王切開などでさい帯血の採取に時間がかかる、②分娩時に出血が多い、③へその緒が細いときなどは、採取できない場合があります。

民間さい帯血バンクについては、産院で開かれる母親学級や両親学級などで説明することもありますが、私からお母さんたちに伝えているのは、さい帯血を使った再生医療はこれから研究がどんどん進む医療分野であるということ。そのため未来を見据える視点を大切に考えてほしいですね。

 

ステムセル研究所のさい帯血保管者は約6万人。気になる方は資料請求を

現在、国内シェアトップのステムセル研究所でさい帯血を保管している人は約6万人。同社では、お母さんから採取したさい帯血から幹細胞を抽出し、その後、横浜市にある耐震性に優れた国内有数の大規模な細胞保管施設で液体窒素を用いて厳重に管理・保管しています。

赤ちゃんの将来のため、そして大切な出産の準備のひとつとして、今さい帯血を保管する方が増えています。さい帯血保管に興味のある方は、まずは資料を取り寄せてみてください。

 なお、ステムセル研究所では毎週末オンライン説明会を開催していますので、ご家族皆さまで参加してみてはいかがでしょうか。

 

さい帯血保管に関する資料請求はこちら↓↓↓

 

 

教えてくれたのは

坂田陽子さん

助産師。授乳相談・断乳卒乳相談・沐浴・ベビーマッサージレッスン・産後ケアを行う出張専門の助産院「すみれ出張専門助産院」に所属。母親に寄り添い、すみれの花言葉である「誠実」で「愛」のあるケアを提供。
産婦人科やNICU、新生児訪問など助産師歴19年。さい帯血を希望するママたちをケアしてきた経験も豊富。

https://sumire-josanin.com/about/

協力・資料提供/ステムセル研究所 取材・構成/麻生珠恵

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