小学生になると、国語の授業で漢字がスタートしますよね。しかし、漢字には書き順やとめ・はね・はらいなどさまざまなルールがあり、漢字に対して苦手意識を持ってしまう子どもも多いよう。
そこで、HugKumでは、学年誌『小学一年生』の連載まんがで、ことばあそびの楽しさを伝えている「もじのみやはかせ」に直撃インタビュー! 漢字の面白さをたっぷりと教えてもらいましたので、ご紹介します。
ことばあそびまんが「もじのみやはかせ」って?
学年誌「小学一年生」に登場する、「もじのみやはかせ」とは、いったいどんな方なのでしょうか。
お笑い芸人、篠宮暁さん
「もじのみやはかせ」の正体は、なんと(!)漫才コンビ「オジンオズボーン」の篠宮暁さんなのです!
🎤「漢字に興味を持ったきっかけを教えてください!」
篠宮さん「小学生のときは、たんたんと漢字ドリルをこなすだけでしたので、ぜんぜん頭に入っていなくて、成績も良くありませんでした。
中学に入ったら、いよいよ勉強についていけなくなり、一からやり直そう!と思って勉強し出したら、特に漢字は勉強すればするほど成績が伸びました!
すると漢字に対する苦手意識も自然と無くなっていて。
ただ、その当時、漢字検定3級にも挑戦したのですが、不合格でした……。
高校に入ってから、すぐお笑い芸人になり、いつの間にか勉強はそっちのけに。
30歳半ばになった頃、勉強に対するコンプレックスがどんどん出てきて、あのときダメだった漢字検定3級にリベンジしてみようと、また勉強を始めたんです!
そうしたら、ほぼ満点で漢字検定3級合格!
嬉しかったですね~。
やったらやった分成果が出たので、勉強って楽しいなぁ~と思いました」
🎤「先日は、『漢字検定準1級』も合格されていましたよね! おめでとうございます!」
篠宮さん「そうなんですよ! 準1級! あれは本当に嬉しかったです。
難しくて、3回もチャレンジしたんですよ!」
🎤「これからの目標は?」
篠宮さん「漢字検定1級取得を目指すだけではなく、小1になったばかりの息子に勉強の楽しさも伝えたいなと思っています。
そして、その延長に小学生のみなさんにも勉強の面白さを伝えられたらと考えていて……。
そんなときに、「小学一年生」で連載をさせていただける機会をいただきました。
親子でTwitterに登場♪ ↓
なんと小学一年生で一年間、もじのみや博士として連載させていただけることになりました。息子が一年生になるタイミングでの連載は嬉しすぎ浦太陽です。4月号は明日発売。 pic.twitter.com/c694FGIJo4
— オジンオズボーン篠宮暁 (@shinomiyaakira) February 28, 2021
🎤「子ども達にはどんな風に、漢字の面白さを伝えていきたいですか?」
篠宮さん「“みせ方”ですね~。
というのも、僕は、難しい漢字を“秒”で覚えられる!という動画をTwitterやYouTubeにアップしているんですけれど、そんな風にいろいろな角度から漢字自体に興味を持ってもらいたいなぁと思っています」
🎤「Twitterに『鬱』を“秒”で覚えられる!動画を公開されていましたよね!」
篠宮さん「そうなんです!
Twitterに初めて、漢字の動画を載せたら、リツイート3.5万回と大きな反響がありましたね」
バズったTwitterはこちら↓
漢字「鬱」の覚え方 pic.twitter.com/xScWMw5QjW
— オジンオズボーン篠宮暁 (@shinomiyaakira) October 1, 2019
難しい漢字を“秒”で覚えられる方法は?
篠宮さんは、漢字を分解するという独独の方法で難漢字を覚えているそう。
確かに、前述の「鬱」も分解することで、“秒”で覚えられてしまうから、不思議です!
🎤「漢字を分解するようになった、きっかけは?」
篠宮さん「思い起こせば、中学のときから特に覚えにくい漢字は分解して覚えていました。
例えば、「壊す」の右側は、十四衣(じゅうよんころも)で壊す、
と覚えていました。
大人になって漢字の勉強を再開したときにも、そのやり方を思い出して「鬱」など難漢字も分解して覚えていったんです」
🎤「覚えるときって、リズムは大事ですか?」
篠宮さん「リズムはすご~く大事ですね。
基本的には、8拍で収めるようにしています!
リズムに合わせて覚えるとグッと覚えやすくなるんですよ」
お悩み相談!実例Q&A
小学生のお子さんがいる親御さんから、質問を預かってきました。
Q1.書き順やとめ・はね・はらいなどが覚えられません。
篠宮さん「実は、僕の漢字の覚え方には、“とめ・はね・はらい”などは入れていないんですよ。
というのも、この漢字の分解を作り始めたとき、早稲田大学の教授の方とお話しする機会があって。そうしたら、『書き順なんてどうでもいいよ!とめ・はね・はらいも、漢字検定の試験の点数には関係ないから、漢字が書けるほうが大事だよ!』と。
でも、小学校のテストには、書き順も、とめ・はね・はらいも入ってくるんですよね。
僕は、書き順は、書けるようになってから教えるでいいと思っています。
最初から全部覚えようとすると暗記するトピックスが多すぎるので、書けるようになってから、『実はこっちからなんやで』と書き順を後から教えた方がいいと思います。
漢字を覚える作業と、書き順を覚える作業は別と捉えて。
あと、はねとかは、例えば「狩る」などの「けものへん」のはねなら、アルファベットのJみたいだねと教えるとか、漢字を分解して覚えるときはねもリズムに組み込んで覚えちゃうとかでしょうか」
Q2.「妹」を間違えて覚えてしまいました。
篠宮さん「この間違いは、僕の覚え方で解消できますよ!
妹は、女、一、木(おんないちき)で覚えるのはどうでしょう?」
Q3.「家」が難しくて覚えられません!
篠宮さん「家は、ウ万シャッシャッく(うまんしゃっしゃっく)と覚えてみては?
万が分からなかったら、漢数字の一とカタカナのクと分けて覚えても。
自分なりの分解の仕方で覚えていいんです!」
Q5.「頭」や「顔」を左右逆に覚えてしまいました。
篠宮さん「頭は、豆 一ノ目八(まめ いちのめっぱ)で覚えましょう。豆から始まる!と覚えておけば、左右逆にならないと思います」
篠宮さん「顔は、立ノミ 一ノ目八(たちのみ いちのめっぱ)と覚えるのはどうでしょう?」
「鬼滅の刃」のキャラ名「竈門炭治郎」も秒でマスター
最後に、篠宮さんが最も好きな漢字や、子どもが漢字を好きになる方法を伺いました。
🎤「篠宮さんが、最も好きな漢字は?」
篠宮さん「一つに絞るのは難しいのですが、『怒濤』の『濤』です!」
篠宮さん「「怒涛」は、「涛」と右が寿でもいいんですが、書けてカッコいいのは「濤」。しかも、この字が書けるとめちゃくちゃ便利なんですよ!
躊躇の「躊」が書けるようになる!
祈禱も書けるようになる(笑)」
🎤「ズバリ漢字好きな子どもにさせるには?」
篠宮さん「書けない漢字があったら、一旦置いておいて、書ける漢字からやってみて!
あとは大人もあっと驚くようなすごい漢字に挑戦してみたり、自分の好きなものの名前から書いてみるというのも手。
例えば「鬼滅の刃」が好きなら、「竈門炭治郎」と漢字で書けるようにマスターしたらカッコいいよね」
「鬼滅の刃」のキャラ名の漢字を覚えよう!
篠宮さんのYouTubeには、「鬼滅の刃」の キャラ名を漢字で書けるようになる動画もあります!
漢字が苦手な子どもこそ、難漢字に挑戦を!
小学一年生が「竈門炭治郎」とスラスラと漢字で書いたら、大人から「スゴイ!」と言われること間違いなしですよね。大人から一目置かれると、自信がついて漢字コンプレックスもなくなるはず!
このように子どもの好きなアニメのキャラ名かから難漢字をマスターして、それをきっかけに漢字の楽しさに気づくというアイデアは即実践できそうですよね。
ちなみに、篠宮さんのお子さんは毎朝一人で早起きして、YouTubeを1時間くらい観ているそう! 初めは、「スライムの作り方」などを観ていたそうですが、だんだん自分の疑問を検索するようになったとか。例えば「どうして海があるの?」などをYouTubeで検索し、その理由を教えてくれるそう!
お子さんは「なぜ?なんで?」を自分で調べると納得いくまでとことん調べ、それがいつの間にか勉強になっているのかもしれません。
みなさんも、まずは篠宮さんのYouTube動画で「竈門炭治郎」という難しいキャラ名に挑戦してみませんか。このYouTube動画に出てくるキャラクターのイラストも篠宮さんが描いたそうです。(うまい!)
教えてくれたのは
1925年の創刊以来、豊かな世の中の実現を目指し、子どもの健やかな成長をサポートしてきた児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターに関わっていただき、子ども達各々が自身の無限の可能性に気づき、各々の才能を伸ばすきっかけとなる誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載しています。
文・構成/HugKum編集部