「やられたらやり返せ」子どものいじめSOSに、大人が絶対に言ってはいけないこと

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子どもにとって、悩みごとや辛い気持ちをだれかに打ち明けるのは、なかなかハードルの高いこと。やっとの思いで発されたSOSに、わたしたち大人は真摯に対応できているのでしょうか。

子どもにとって「頼れる大人」になるために、お子さんからのいじめSOSへの対応の仕方を今一度振り返ってみましょう。

「まあまあ言葉」でいじめSOSをスルーしていませんか?

良かれと思ってお子さんに投げかけているそのフレーズ、「まあまあ言葉」ではありませんか? 「まあまあ言葉」とは、悩みを抱える子どもにしっかりと向き合わず、せっかく発されたいじめSOSを流してしまうNGワード。
本記事では、子どもに対して言うべきではない「まあまあ言葉」とその危険性を解説します。

まずは、こちらのマンガをご覧ください。

『こども六法ネクスト おとなを動かす  悩み相談クエスト』(小学館)より
漫画/森井ケンシロウ

「やられたらやり返せ」というフレーズは、お子さんをさらに傷つけかねない「まあまあ言葉」の代表格。
下記では、このような「まあまあ言葉」を取り上げていきます。

NGワード1)「やられたらやり返せ」

子どもを励ますつもりで使われがちな言葉ですが、そもそもSOSを出しているお子さんは、やり返すどころか「やめてほしい」とさえ伝えられず困っているかもしれません。そんなお子さんにとって、この言葉はさらなる悩みのタネ。

また、真に受けて本当に仕返しをしてしまった場合、すでに起きているトラブルをより深刻な問題へと発展させてしまうおそれもあります。たとえひどいことをされたとしても、仕返しは決して正当化されません。お子さんだけが悪者にされてしまうケースもあり得るので、「仕返し」を唆すような発言は軽い気持ちでもNGです。

NGワード2)「SNSなんて見なければいい」

お子さんがSNSトラブルに見舞われた際、「いやならSNSなんて見なければいい」といった旨の言葉を投げかけるのもNG。

SNSにおいても、誹謗中傷のような攻撃は不当に相手を傷つける行為にあたり、名誉毀損罪や侮辱罪になり得ます。それを「見なければいい」で済ませるのは、加害行為の正当化に等しい行動です。

誹謗中傷は、サイト運営者に通報できるほか、自分たちだけで解決できない場合は弁護士に相談するという手もあります。まずは「それは辛いね」と共感し、しっかりとした対応をとりましょう。

NGワード3)「あなたにも悪いところはあるんじゃない?」

いじめられていることを打ち明けるとき、お子さんのほうも「自分にも悪いところがあるのではないか」と思い悩んでいるかもしれません。「あなたにも悪いところはあるんじゃない?」という言葉は、そんなお子さんをさらに追い込んでしまいます。

また、たとえお子さんに悪いところがあったとしても、それとこれとは別の話。先にも述べたように、「やられたらやり返す」仕返しは、決して正当化できる行為ではないのです。子どもの悩みに正面から向き合い、相手からされた行為に対してはしかるべき対応を取りましょう。

NGワード4)「子どものやったことですし」

子どもが人に迷惑をかけてしまったとき、多くの場合、責任を取るのは親です。このときに、「子どものやったことだから」とごまかすことは責任逃れと言えます。

もちろん、子どもを守り、子どもの味方でいることも大切なことですが、時には厳しく叱ることも親の務め。お子さんが間違えを犯してしまった際は、それが「自分自身のミスを乗り越える」という経験につながるように、共に問題に対峙しましょう。

『こども六法ネクスト』で、大人と手を組む&子どもに応える

ここまでご紹介してきたマンガや「まあまあ言葉」は『こども六法NEXT おとなを動かす 悩み相談クエスト』からの引用・抜粋です。

「困っているのに大人に話を聞いてもらえない」
「思い切って話しても、ないがしろにされてしまう」

本書は、そんなお子さんに、大人の「まあまあ言葉」への対処法をマンガと文章でわかりやすく教えてくれる一冊。

さらに、学校・弁護士・スクールカウンセラー・警察・児童相談所・精神科医による、大人への相談の仕方に関する実践的なアドバイスもたっぷり収録。大人とうまく手を組んで、その知識や感覚・経験に頼る術を具体的に教えてくれます。

大人もいっしょに読むことで、いじめについて子ども目線で考えられるほか、子どものSOSにしっかり応えるための対応力や、相談スキルを高められるはず。

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「頼られるスキル」と「頼るスキル」、どちらも磨いて

先述したとおり、今回ご紹介した『こども六法NEXT おとなを動かす 悩み相談クエスト』は、子どものSOSに正しく対応するヒントをくれる、大人にもおすすめの一冊。
子どものトラブルに、学校や弁護士、スクールカウンセラー、児童相談所などがどのように対応できるのかもまとめられており、「親だけでは解決できない」と困ったときにも役立ちます。

子どもを守るためには「頼られるスキル」も大切ですが、誰かに上手に「頼るスキル」も同じように必要。ぜひ、お手にとってみてくださいね。

構成・文/羽吹理美

こども六法NEXT おとなを動かす 悩み相談クエスト
監修/山崎 聡一郎 イラスト/森井 ケンシロウ 著・文/古城 宏|小学館|1,100円+税

「やられたらやり返せ」「あなたにも悪いところがあるんじゃない?」
子どものSOSをそんな「まあまあ言葉」でスルーしていませんか?
「まあまあ言葉」とは、悩みを抱える子どもにしっかりと向き合わず、せっかく発されたSOSを流してしまうNGワード。本書は、7つの「まあまあ言葉」を軸に、本当に頼れる大人の探し出し方や、トラブル解決へ向けて大人に動いてもらうための実践的な方法を教えます。きれいごとは一切抜き&マンガと文章でわかりやすい、いじめに悩む子どもの人生にしっかりと寄り添ってくれる一冊です。

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