マンゴーの保存方法|食べ頃の見極め方と常温・冷蔵・冷凍の使い分けをレクチャー

南国のフルーツ、マンゴーは、「旬の季節を選んで旅の予定を立てる」という人もいるほど魅力のある味を持っています。この頃は完熟したマンゴーも各地のスーパーで手に入れることもできるようになりました。そんなマンゴーの基本的な扱い方と、保存の方法をみていきたいと思います。食べたくなった時に手軽にマンゴーを食べられるよう、ご参考にしてくださいね。

マンゴー保存の基礎知識

赤いリンゴのように完熟するアップルマンゴーは、代表品種である台湾の愛文(アーウィン)種が有名ですが、フィリピンからのペリカンマンゴーなど、種類が豊富にあります。同じマンゴーでも、産地と品種によって味が異なるため、お気に入りの味を見つけたときは品種を覚えておくと良いですよ。

国内では宮崎県、沖縄県、鹿児島県などで栽培される完熟品が近年は出回るようになり、身近なフルーツになりました。国産のものは4~9 月が流通期間ですが、輸入品は一年を通して購入することができます。

マンゴーは追熟する

マンゴーには追熟といって、収穫後に甘みや芳香が増すばかりでなく、酸味が減り、赤く柔らかく完熟していく作用があります。やや未熟なうちに収穫しているので、私達の手元に届く時に、まだ熟しきっていないこともあります。そんな時は慌てて切らずに、追熟するのを待てば美味しくなります。

食べごろの見極め方

種類によって色や形も様々なことから、完熟を判別するのは難しいと言われています。全般的には表面がなめらかなものが新鮮で、皮にしわやたるみが出ていると古くなってきています。

また、表面に黒い斑点が出てくると傷んできた合図でもあります。すぐに食べるか、冷凍保存に切り替えてください。

食べ頃にあわせて保存方法を使い分けて

追熟中は常温のままで保存し、完熟後に野菜室に入れることで2週間の保存ができます。さらに冷凍したら1か月まで期限を伸ばすことができます。

追熟中は常温保存

それでは、具体的は保存方法をみていきます。

常温保存のポイント

常温というのは、室温15〜25℃前後の、風通しが良く直射日光が当たらない場所のことです。熱を発する電化製品の横や、湿気の多い場所は適していません。家族の目にとまりやすい場所に置いて、完熟のタイミングを日々確かめていると、美味しく食べられる期間を見逃しにくくなります。

また、マンゴーの熟成を早めたい時は、りんごやメロンなどの果物を近くに置くと効果があります。これは、それぞれの果物が追熟中に発するエチレンガスによるものです。

バナナといっしょに保存する場合には気をつけてください。バナナ自体の熟成も普段より進みやすいので、完熟したものなら離れた場所に置かないと傷んでしまいます。

また、一度冷やしたマンゴーでも、もう一度常温に戻せば追熟します。しかし包丁を入れてしまうと熟成が止まります。産地では未熟なマンゴーをピクルスにしたり、炒め物にしたりして味わうそうですよ。

熟したあとは冷蔵保存

熟した後は冷蔵するのが基本です。

冷蔵保存は乾燥に注意して

熟してからは、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ入れて保存してください。むき出しのまま入れてしまうと、乾燥して皮がふやけてしまうので注意が必要です。

エチレンガスにも配慮が必要

エチレンガス放出の点でも、他の食材への影響を防ぐ必要があります。ポリ袋に入れて保存すれば、ガスが不要に充満せず、他の食材を傷めることはありません。

マンゴーは冷凍保存もOK

すぐに食べられない場合や、量が多い時などは冷凍保存もできますよ。

食べやすい大きさに切ってラップに包む

熟したあとの保存は冷凍がオススメです。皮をむいて、食べやすい大きさに切り、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ入れてください。切断面が空気に触れないようにすることがポイントで、ラップでぴっちりと包んで、冷凍用保存袋に入れてから冷凍庫へ入れてください。

ピッチリ包んだあとは、冷凍用保存袋に入れてください。

美味しく食べる解凍方法

冷凍庫から出してすぐのマンゴーは、甘味があまり感じられませんが、しばらく置いて半解凍にすると甘味が戻ってきます。5~10分ほどでカットした切断面が溶けて離れ、20分ほどで甘味が強くなります。スーパーなどで買える冷凍マンゴーのように、そのまま食べると美味しいです。

また、冷凍マンゴーは塩をした白身魚のお刺身と合わせるのもおすすめです。オリーブオイルをかけ、バジルやディルなどのハーブで飾ればおもてなしの一品に。

生ハムメロンに似ている料理です。

マンゴーの上手な切り方

マンゴーの美味しいカットの仕方をくわしくご紹介します。

皮と種の取り方

マンゴーの種は真ん中に平らな形で入っています。外からはわかりませんが、種の全面に繊維がくっついているので、包丁で探りながら切り進むと、ザクザクした感触がするのでわかります。

できるだけ果肉を厚く切りたいので、ゆっくりと包丁を入れながら、3層のスライス状に切ってください。

両側の種なしの部分はリンゴのように皮をむき、スライスすれば食べやすくなります。

真ん中にある種の周囲が一番甘いのですが、包丁ではなかなか切りにくいものです。スプーンでこそげ取ると味わうことができますよ。

おしゃれな切り方は

花咲きカットと呼ばれる、ダイス状のカット方法はこちらです。

皮をむく前に、格子状に包丁で切れ目を入れます。あまり強い力を入れると皮まで切れてしまうので、包丁の先端で皮を感じながらそっと切ってください。

皮の底から押し上げると果肉が盛り上がります。

フォークですくいながら、食べやすい形にカットができます。

マンゴーのおすすめレシピ

ここからはマンゴーレシピのご紹介です。ゼリーとサラダの他、マンゴージュースを使ったタピオカミルクもおすすめです。

マンゴーゼリー

ほどよい甘さでさわやか。のどごしつるん♪ ホームパーティーの締めにうれしいスイーツ。

◆材料

(大人4人分)
ペリカンマンゴー 2個
板ゼラチン 6g
牛乳 1と1/2カップ

【A】
生クリーム 1/2カップ
砂糖 大さじ7
※子どもの分量は、大人の1/2量ぐらいが目安です。

◆作り方

【1】マンゴーは皮をむいて、実をこそぎ取る(1カップ分用意する)。
【2】板ゼラチンは水につけてふやかす。牛乳は耐熱容器に入れて電子レンジ(600Wの場合)で1分温め、ゼラチンを加えて溶かす。
【3】ミキサーに【1】、【2】、【A】を入れてペースト状にし、器に移してラップをかけ、冷蔵庫で冷やし固める。

教えてくれたのは


行正り香さん

おしゃれな暮らしぶりと簡単でおいしいレシピが大人気。二児のママ。

『ベビーブック』2012年2月号

ソーダゼリー入りフルーツサラダ

ソーダ入りのぷるぷるゼリーが爽快!たっぷりのフルーツでおなかも大満足です。

◆材料

(4~5人分)
【フルーツサラダ】
マンゴー 1個
すいか(小玉) 1/2個
パイナップル 1/4個

【A】
水 300cc
砂糖 120g
レモン果汁 1/2個分

【ソーダゼリー】
炭酸水(無糖) 320cc
板ゼラチン 10g

【B】
水 50cc
砂糖 40g

◆作り方

【フルーツサラダ】
【1】【A】を鍋に入れてひと煮立ちさせる。砂糖が溶けたら火を止め、粗熱を取る。
【2】フルーツは皮をむき、ひと口大に切る。
【3】ボウルに【2】を入れて【1】を回しかけ、落とし蓋のようにラップをぴったりかける。冷蔵庫に2時間以上入れて、味をなじませる。
【ソーダゼリー】
【1】板ゼラチンはたっぷりの冷水(分量外)でふやかしておく。
【2】小鍋に【B】を入れてひと煮立ちさせ、完全に溶けたら火を止める。
【3】【1】の水気を切って【2】に加え、余熱で混ぜ溶かす。ボウルに移して炭酸水を静かに注ぎ、氷水のボウルに当てながら全体にとろみがつくまで冷やす。容器に移して冷蔵庫で固める。
【盛りつけ】
器にフルーツサラダ、ソーダゼリーの順に盛りつけて、ミント(分量外)を飾る。

教えてくれたのは


柳瀬久美子さん

フードコーディネーター。1988年から4年間フランスで修業し、エコール・リッツ・エスコフィエ・ディプロマを取得。帰国後、広告や雑誌のフードコーディネート、レシピ提案、企業のメニュー開発、お菓子教室講師など幅広く活躍。おしゃれでおいしいスイーツレシピに定評あり。

『めばえ』2016年9月号

シンガポール風タピオカマンゴー

南国の香りが漂うマンゴーとタピオカの名コンビ♡

◆材料

(3~4人分)
タピオカ(小粒) 60g
ココナッツミルク 120㏄
グラニュー糖 20g
マンゴージュース 200㏄
グレープフルーツなど柑橘類 適量

◆作り方

【1】たっぷりの熱湯でタピオカ(小粒タイプ)をゆで、全体が透明になったら火からおろす(※ゆでる時間は、袋の表記に従って)。冷水にさらしてぬめりを取り、ざるにあけてから水気を切る。
【2】小鍋にココナッツミルク、グラニュー糖を入れて弱火にかけ、グラニュー糖を溶かす。
【3】グラスにマンゴージュース、【1】【2】を入れ、冷蔵庫で冷やす。
【4】食べる前にグレープフルーツの実を飾る。

教えてくれたのは


西山朗子さん

お菓子研究科。『Le Petit Citron ル・プティ・シトロンお菓子教室』主宰。料理研究家・藤野真紀子さんにお菓子作りを学び、2000年より教室をスタート。

『めばえ』2019年9月号

ねっとりと甘いマンゴーで南国気分

リンゴやキウイなどの爽やかなフルーツと違い、マンゴーは熱帯の暑さが似合う甘さが特徴です。ぜひ、その甘さを普段から食卓へ取り入れて、楽しみたいものですね。保存方法やカットの仕方をご参考に、気軽に手にとってみてはいかがでしょうか。

構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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