食物アレルギーの子だって海外旅行に行きたい!「FOOD ALLRGY CARD」があれば安心

食物アレルギーの誤食を防ぐ!英語・日本語表記の「FOOD ALLERGY CARD」とは?

食物アレルギーを持つお子さんを持つお母さんに朗報!

2018年10月、子連れ海外旅行をする際に携帯すると便利な「FOOD ALLERGY CARD」が、「アレルギーっ子の旅する情報サイトCAT」(以下CAT)からリリースされました。このカードを使えば、旅行中のレストランや宿などで、スムーズに意思疎通をすることができます。

公式サイト:https://foodallergycardjapan.com/

表面のみとなりますが、上記の公式サイトから無償でダウンロードすることができます。

「CAT」はアレルギーっ子を持つママに、おでかけ情報を届けています

このカードをリリースした「CAT」は、2015年2月に、代表・村田愛さんが立ち上げたWebサイトです。

村田さん自身も食物アレルギーを持つ息子さんのお母さんで、子育てをするなかでアレルギーっ子との外出や旅行が大変だと実感。アレルギーっ子を持つ保護者の人たちが必要としているおでかけ情報を紹介しようと、このサイトを立ち上げました。

「ただ食べられないという理由だけで、子どもから貴重な経験を奪い、成長の可能性をなくしたくないのです。少しでも、アレルギーっ子を持つお母さんたちの役に立てたらと思いました」と村田さんは言います。

同サイトでは、アレルギーっ子に向けた宿やレストラン情報や、アレルギーっ子との旅の体験談などを紹介しています。

 

↑「CAT」代表の村田さんご一家。村田さんご家族は大の海外旅行好きで、これまで家族で6か国(ドイツ・フランス・イタリア・イギリス・ベルギー・オーストラリア)を訪れたそう。
なんと、初の子連れ海外旅行はご長男が1歳2か月のとき。当時は小麦・卵のアレルギーがあったそうです。

訪日外国人と飲食店をつなぐカードとして生まれた「FOOD ALLERGY CARD」

「FOOD ALLERGY CARD」は、そんな「CAT」の活動の一環としてリリースされたものです。

リリースして以来、日本のママたちから多くの反響があったそうですが、実は本来は、日本を旅する外国人向けに作られたものです。

このカードを作った理由を、村田さんにお聞きしました。

コミュニケーションミスが命取りに

「食物アレルギーを持つ人は、日本だけでなく欧米諸国を中心に確実に増えていて、その対応が急かされています。『Food Allergy Reseach & Education』の調査によると、アメリカでは1500万人にも食物アレルギーがあるといわれているんです。でも、日本は欧米諸国や豪州と比べて、食物アレルギー対応食は少ないだけでなく、表示が義務付けられているアレルギー食品の数も少ない。命に関わるコミュニケーションでミスがあってはいけないと思い、このカードを作りました」

日本ではまだあまり知られていませんが、村田さんによると「現在、食物アレルギーを持つ訪日外国人による誤食が、各地で問題になっている」そうです。

外国人旅行者がアレルギー症状を訴える例があとをたたない

例えば、沖縄ではジーマミー豆腐を食べたピーナッツアレルギーを持つ外国人旅行者が、アレルギー症状を訴えたり(2017年)、岐阜県では五平餅を食べた外国人旅行者が、タレに入っているクルミによって、アナフィラキシー症状を起こして病院へ搬送された事故(2018年9月)が起きているとのこと。郷土料理に関しては、日本人でも食材などその詳細は知らないことが多いので、このような事故が起きるのもよくわかります。

「アレルギーっ子を持つご家族と飲食店をつなぐカードとして、多くの人に利用してほしいですね。カードを利用することで、食物アレルギーの対応食がそのお店になかったとしても、アレルギー対応食の必要性を飲食店に伝えることができるからです。」

そういう問い合わせが増えることで、日本の飲食店や宿の意識が少しでも変わってくれたら、というのが村田さんの願いです。

「CAT」では、無償版の「FOOD ALLERGY CARD」ほかに、有償版のカードも販売しています。

有償版はA7サイズ(74㎜×107㎜)の厚紙でできていて、表面だけでなく、裏面にも記載があり、日本料理における注意事項や飲食店に向けた注意喚起などが載っています。価格は100枚2000円(税別)となっています。カードの公式サイトから購入が可能です。

有償版「FOOD ALLERGY CARD」の裏面

なお、「CAT」では、ほかにもさまざまな食物アレルギーを持つ家族に向けての事業を行なっています。

例えば、村田さんは環境アレルギーアドバイザー(※1)の資格を持っているため、旅行会社と組んで、アレルギー対応ツアーの開発協力やその広報活動、集客協力を行なっています。

※1=アレルギーやシックハウス症候群など環境由来の健康問題に対して正しい知識を持って、患者やその家族、周囲の環境を理解し、環境改善をサポートする専門家の資格。一般社団法人「日本環境保健機構」が認定する。

また、2018年2月には「アレルギーマーク」をリリース。このマークを無償で提供し、マークを使ったグッズを販売しています(https://usapen.info/?page_id=1168)。

  

アレルギーっ子のおでかけ情報をまとめた『WAKUWAKU』

また、アレルギーっ子のおでかけ情報をまとめたフリーペーパー『WAKUWAKU』も2018年から刊行をスタート。こちらは病院やママサークル、東海地方のスーパーマーケット「バロー」などに配布されていますが、入手を希望される方には送付することも可能だそう。

どちらもご興味のある方は、CATのサイトからお問い合わせください。

『WAKUWAKU』Vol.,1

vol.1の特集は、「飛べ!アレルギーっ子!海外へ」「アレルギーサークルおすすめ! 私の街のここがいい!」

次号Vol.2は、2019年2月に刊行予定。アレルギー対応の機内食やアレルギーっ子の留学体験談などが特集される。

村田 愛(アレルギーっ子の旅するサイト Child × Allergy×Trip代表)

長男が小麦・卵アレルギー、次男がキウイアレルギーという二男の母。大の海外旅行好き。子連れのおでかけサイトは数多くあるが、アレルギーっ子に特化したサイトがないことに発奮し、2015年2月にCATの活動をスタート。アレルギーっ子の旅情報を多く発信している。

https://usapen.info/

文/山津京子 写真提供/アレルギーっ子の旅するサイト(村田愛)

 

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