保育園園長が教える、子どもの食事の「3大困った」解決法!ママの口コミも

3歳から幼稚園に入園するお子さんのほとんどは、それまではママによる家庭保育で生活をしてきました。でも幼稚園に入園するようになれば、たくさんのお友だちとの共同生活がはじまります。

幼稚園の生活では、食事をみんなととるため、その年齢にあった食べ方やマナーが必要になります。ですが、今までは「とにかく食べてくれたら花マル◎」としていたママからは、急に「食べ方」や「マナー」と言われると、心配になってしまうという声も。

実際、現在2歳児クラスでお友だちと一緒に生活を送っている児童は、普段どのように食事をしているのでしょうか。保育園の園長先生に、食事について、普段から気を付けたいこと、入園までに身に着けておきたいことをお伺いしました!

 

困った!その1 好き嫌い

2歳になったら食べ物の好き嫌いが出てきました。

その食材が苦手なのか、味が嫌なのか、固いなどの食感が苦手なのか、一言で「嫌い」と言っても子供の「嫌い」にはいろいろな理由があるはずです。また、「嫌い」と思っているものは、実は「食べなれない」だけなのかもしれません。

保育園ではどこでもだいたい1か月の間で、2週間ごとに同じ献立を出すようになっています。それは一度食べられなくても、もう一度同じ献立を口にする機会を作るという狙いもあるのです。

「嫌い」になるのはいつも食べているものとの違いを敏感に感じられる、舌や味覚の成長の表れでもあります。せっかく作った料理を食べてくれないのはツライですが、好き嫌いもわが子の成長と捉えて、汁物にしたり、小さく刻んだり、形や味を変えてお子さんの食べられる方法を見つけられるといいですね。

園ではどうしてる?

園では子供たちに給食で使う白菜をちぎってもらったり、プランターで野菜を育て、子どもたちがそれを収穫して食べたりすることもあります。嫌いだと思っていても、自分で育てたり、調理を手伝ったりすることで、子どもにとって食材への思い入れが強くなるようです。家でのお手伝いや栽培が難しい場合は、一緒にスーパーに行って、お子さんに野菜を選んでもらうのでもいいと思います。そのとき、ただ調理されたものをお皿に載せるのでなく、食べるときには「〇〇ちゃんが選んでくれたニンジンだよ」と声をかけるだけでも、その日のお子さんの反応は違ってくると思いますよ。

 

困った!その2 少食・食べムラ

基本的に小食ですが、食べムラもあります。

その量が本当にその子にとって少ないのか、まずはお子さんの適量をきちんと把握しておきたいですね。

普段から小食のお子さんは、おやつなどの回数、量、タイミングなど生活のリズムを規則正しくする必要があります。決まった時間に朝食、昼食、夕食。外に出てしっかり遊ぶ。おやつは3時に1回のみ……とすれば次第に生活にも体にもリズムができるので、食べないことも、一度の食事で食べ過ぎてしまうこともなくなりますよ。

園ではどうしてる?

幼稚園や保育園ではバイキングを採用しているところもあるので、それを家庭でもやってみるのはどうでしょうか。自分のお皿に好きなものを盛り付けると、少なくても完食することで達成感が得られますし、おかわりをすることもうれしく、食事がもっともっと楽しくなるはずですよ。

 

困った!その3 遊び食べ

遊びながら食べてしまい、食事が長いです。

子供が集中できるのは、食べ始めの10分間程度。その時間はママも席につき、お子さんと一緒にごはんを食べるようにしましょう。時間が過ぎ、遊んでいると感じたら「もう、ごちそうさまでいい?」と聞きます。よければお皿を下げ、遊びと食事の違いを意識させ、メリハリをつけます。

園ではどうしてる?

家庭ではできあがった料理からテーブルに並べ、「先に食べていて」となりがちですが、

できるだけ一緒に食べ始めましょう。園では子どもが遊んでいる間に配膳し、食事の準備が済んでから声がけをし、「食事の時間」を作るようにしています。

 

教えて幼稚園の先輩ママ!こんなときどうしてる?

気になる食事、これからのこと。まだまだ気になる園での給食のこと。幼稚園先輩ママに年少クラスのことを聞いてみました!

おはしについて

うちの園では年中さんになると遊びの時間でもお箸を使い、できるようになった子からお箸を使うようになりました。(年長ママ)

あいさつについて

年少さんの頃はまだ周りに合わせて、食べるのを待つことができません。準備ができた子から、または各テーブルなど小さなまとまりでの「いただきます」でした。年長の頃から、クラス全員そろってあいさつをして食べ始めていたと思います。(年長ママ)

好きなものばかり食べたがるのは?

うちの子は偏食で家では好きなものしか食べませんが、幼稚園ではお友だちがいるからか、しっかり食べていると聞きます。でも苦手なものがあるときは最初から量を減らすことができ、食べ終われば好きなものをおかわりすることもできるようです。偏食でも食べられなくても、認めてもらえている安心感を親子ともども感じています。(年中ママ)

 

 

お話:にじのいるか保育園

杉並井草・早瀬園長先生

 

まんが・イラスト/高坂ゆう香 構成・文/赤荻瑞穂 『めばえ』2018年8月号

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