プラットホームとは? 意味や種類、プラットホームビジネスについて解説

プラットホームとはシステムやサービスの土台・基盤です。インターネット上にはプラットホームを活用したさまざまなサービスがあり、現代社会には欠かせません。プラットホームの意味や種類、さらにプラットホームを活用したビジネスの概要も紹介します。

プラットホームとは

インターネットの普及に伴い、「プラットホームビジネス」「オンラインプラットホーム」などの言葉をよく耳にするようになりました。普段何気なく聞き流していますが、プラットホームとは具体的に何を指すのでしょうか。

プラットホームの概要とインフラとの違いを紹介します。

システムやサービスの基盤となる環境

通常「プラットホーム(platform)」というときは、システム・ソフトウェア・サービスなどの基盤を指すのが一般的です。本来の意味は「台」「壇」ですが、IT用語では「動作環境」の意味で使われます。

プラットホームが適用される範囲は広く、何をプラットホームとするかは対象によって異なります。

例えば、ソフトウェアのプラットホームは、それを動かすOSです。一方OSにとっては、PC本体が動作に必要なプラットホームに該当します。

近年は、プラットホームを活用した「プラットホームビジネス」が隆盛です。さまざまな製品をそろえたECサイトや音楽・動画配信サイトも、プラットホームと呼ばれます。

「インフラ」とは何が違う?

インフラとはインフラストラクチャー(infrastructure)の略語です。

プラットホームと同様に何かの「基盤」「土台」を意味しますが、一般的には社会生活に欠かせない公共・公益設備や施設について使われることが多いでしょう。

プラットホームとの違いは、インフラの方が動作環境における必要度がより高い点です。

例えば、IT用語で「ITインフラ」というときは、OSやPCを指すことはありません。IT環境構築に必須のネットワークやサーバーなど、より幅広い意味で使われるのが一般的です。

プラットホームの主な種類

ネットワークを活用したプラットホームは、現在広く社会に根付いています。どのような種類があるのか、主なものを見ていきましょう。

オンラインプラットホーム

オンラインプラットホームとは、インターネット上でやり取りされるサービスの基盤です。サービス・商品を提供したい企業や個人と、それらを探しているユーザーとを結び付ける場を提供しています。

近年は社会のデジタル化が進み、あらゆる人がインターネットにアクセスできるようになりました。オンラインで提供されるビジネスは増加の一途をたどっており、オンラインプラットホームの種類も多様化しています。

オンラインショッピングモール・人材マッチング・フリマサービス・口コミサイトなど、オンライン上にビジネスの場を設けているサイトは、全てオンラインプラットホームといえるでしょう。

ソフトウェアプラットホーム

ソフトウェアプラットホームというときは、OSを指すのが一般的です。

ソフトウェアをインストールしても、OSがなければ稼働できません。ソフトウェアに適切な動作環境を提供するOSは、ソフトウェアの基盤です。

PCならWindowsやMacOS・Linuxなど、スマートフォンならAndroid・iOSがソフトウェアプラットホームに該当します。ただし、スマートフォンのOSは「モバイルプラットホーム」として区別されることもあります。

一般に、ソフトウェアは仕様の異なるOSやハードウェアでは稼働しません。しかし近年は、異なるプラットホームでも稼働できる「マルチプラットホーム」「クロスプラットホーム」と呼ばれるソフトも登場しています。

プラットホーム戦略の特徴

私たちが普段気軽に活用しているオンラインショップも、企業のプラットホーム戦略の一つです。ビジネス業界に欠かせないといわれる、プラットホーム戦略の特徴を紹介します。

複数のサービス提供で人を集める

プラットホーム戦略とは、多様なサービス・商品を扱う企業を共通の場に集約し、ユーザーに提供する経営戦略です。

一つのプラットホームに複数の「サービス・商品を提供したい企業」「サービス・商品を求めるユーザー」を集め、一大経済圏を構築します。売りたい人・欲しい人がスムーズにマッチングすることで、企業・ユーザーともにwin-winの状態を実現できます。

プラットホームを提供する「プラットホーマー」は、企業・ユーザーから利用料を得たり、プラットホームを自社の宣伝・売買の場として活用したりすることが可能です。

多くの企業が集まってユーザーが増えるほど、ビジネス規模は拡大していきます。

プラットホームビジネスの身近な例

「プラットホームビジネス」という言葉がピンと来ない人は、身近な例を知ると実感できるでしょう。

私たちの日常生活に溶け込んでいるプラットホームビジネスについて紹介します。

Amazonや楽天などのECサイト

オンラインショッピングモールとして確固たる地位を築いている「Amazon」や「楽天」は、プラットホームビジネスの代表です。

Amazonは、世界最大規模を誇るECサイトです。ネットショッピングサイトの先駆け的な存在で、膨大な量の商品・サービスを取り扱っています。

日用品の販売から動画・音楽・書籍のサブスクサービスまで提供し、ニッチなユーザーのニーズを取り込むことにも成功しています。

楽天は、国内最大手のECサイトです。Amazonと同様に提供するサービス・商品の幅は広く、ユーザーは同一アカウントで旅行・マネー・SNSサービスなども利用できます。

LINEやTwitterなどのSNS

LINEやTwitterに代表されるSNSは、ユーザー同士が自由に交われる場を提供するプラットホームビジネスです。

今やLINEは、多くの日本人が活用するメッセージアプリです。エンタメを提供する「コンテンツプラットホーム」と生活関連サービスを提供する「ライフプラットホーム」があり、LINEへのログインだけでユーザーの全てのニーズがカバーされます。

Twitterは、個人的な「呟き」の場を提供するアプリです。ユーザー間のやり取りが活発で、ハッシュタグを見れば今何が話題となっているかが分かります。Twitterをきっかけにバズる企業も多く、近年は多くの企業がマーケティング戦略に導入しています。

Uber Eatsなどのデリバリーサービス

「Uber Eats」に代表されるデリバリーサービスは「配達によって利益を得たい飲食店」「配達で利益を得たい配達員」「自宅に食べ物を届けてもらいたいユーザー」を結び付けるマッチングプラットホームです。

Uber Eatsはアメリカで誕生したデリバリーサービスで、2016年に日本に登場しました。店員ではない「配達パートナー」が食べたい店の料理を配達するスタイルは画期的で、今や社会的にも広く認知されています。

ユーザーはアプリ上で注文・会計・配達予約までできるため、面倒な手間がかかりません。ワンストップ型の手軽さが好評を博したことから、同様のサービスが続々と登場しています。

クラウドワークスなどのマッチングサイト

クラウドワークスは、スキルのある人材を求める企業とスキルを提供したいワーカーを結ぶマッチングプラットホームです。

クラウドワークス上では、企業が発注したい仕事を開示してワーカーを募ります。ワーカーは希望の仕事に応募し、両者のニーズが合えばマッチング成立です。企業・ワーカーは仕事を発注・受注して、クラウドワークスに手数料を支払います。

クラウドワークスは、「クラウドソーシング」をプラットホーム化したことで注目を集めました。副業や多様な働き方を求めるワーカー・業務効率化を図りたい企業は増えており、今後も成長が期待されます。

プラットホームは土台の環境と覚えよう

プラットホームとは、あらゆるものの土台となる環境を指す言葉と覚えておきましょう。

オンラインサービスの土台なら「オンラインプラットホーム」、ソフトウェアの土台なら「ソフトウェアプラットホーム」です。

デジタル化が進む現代、ショッピングから出前の注文・仕事探しまで全てオンライン化されています。

企業とユーザーあるいはユーザー同士をつなぐプラットホームの種類は多種多様です。日常生活を思い返してみると思い当たるものが多く見つかるかもしれません。

 

構成・文/HugKum編集部

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