虹7色を言えますか? 虹の配色や順番の理由、虹の色の覚え方をチェック

虹の色の数は日本では「7色」ですが、実は国によっては6色や4色という国もあります。この記事では、国によって虹の色の数や色が違う理由、日本で虹が7色になった理由を解説。さらに虹の色の順番が決まっている理由、色の覚え方なども紹介します。

虹7色は日本だけ?

「虹の色はいくつありますか?」と聞かれたら、いくつと答えますか? もちろん「7つ」ですよね。

でも、世界のほかの国では7つとは限りません。「7つ」と答えるのは、日本のほかに、よく知られた国ではイタリア・オランダなど。虹の色は「6色」「5色」という国もあります。

世界では、虹の色はいくつで何色?

虹の色には何色があるか言えますか。赤、黄、緑、青…、そのほかは何色だったでしょうか?  虹は4色で、赤、黄、緑、青という国もあります。

日本は7色

日本では、虹の色は7色で、赤、橙(だいだい)、黄、緑、青、藍(あい)、紫です。ですが、日本の古い神話に出てくる虹は4色、江戸時代の浮世絵の虹も、7色より少ない数でした。

日本では、江戸時代の1825年、オランダ語を訳した日本で最初の物理科学書「気海観瀾」(きかいかんらん)という本で「虹は7色」と紹介され、それ以来、虹の色は7色とされています。

もともとは、りんごが木から落ちる様子を見て万有引力を発見したといわれるイギリスの有名な物理学者ニュートンが「虹は7色」と言ったことがオランダに広まり、日本に伝わったと考えられています。

イタリアも7色

イタリアも、虹の色は7色です。赤(Rosso)、橙(Arancione)、黄(Giallo)、緑(Verde)、青(Blu)、藍(Indaco)、紫(Violetto)の7色で、日本と同じ。最後の紫(Violetto)は「すみれ色」とも訳されます。

国ごとの虹の色の数と色

虹が6色、5色、4色の国もあります。日本と同じ7色は、イタリアのほかに、オランダ、韓国など。

6色の国は、アメリカ、イギリスなどで、色は、赤、橙、黄、緑、青、紫です。

5色の国は、ドイツ、フランス、中国、メキシコなど。色は、赤、橙、黄、緑、青です。

4色の国は、ロシア、インドネシアなど。色は、赤、黄、緑、青です。

下にまとめると、以下のようになります。

イギリスは最初7色だった?

さきほど紹介したように、今から300年ほど前にイギリスの物理学者ニュートンが、それまで3色、あるいは5色とされていた虹の色を「7色」と定義しました。

ですが、その後、長い年月の間に変わり、現在はイギリスでは虹に色の数は「6色」とされています。

アメリカが6色な理由は?

今から200年ほど前、アメリカでもイギリスのニュートンの研究により、虹は「7色」とされていました。

ですが、1941年、子ども向けの科学書を多く書いたパーカーという人が、虹の「藍」色は見分けにくいので、藍を除いた「赤、橙、黄、緑、青、紫」の6色としたほうが子どもにはわかりやすいと考えました。

その考えが広まり、現在のアメリカでは虹は「6色」とされています。

ニュートンの研究によって「虹は7色」という考え方が広まっても、時代とともに虹の色の考え方は変わっているのです。

国によって虹の色の数や色が違う理由

なぜ国によって虹の色の数や色が違うのでしょうか。日本でも、江戸時代までは虹の色は、4色や5色と考えられていました。色の数や色に違いがあるのは、国や時代によって、虹の捉え方に違いがあるからです。

日本では虹は7色ですが、実際の虹を見ると、例えば、「赤」と「橙」の間をはっきりと分けることはできません。「橙」と「黄」の間、「黄」と「緑」の間も同じです。つまり、色と色の間に無数の色があると言えます。

あるいは逆に、虹を4色と考える国では、「橙」を見分けることはできず、「赤」の隣りは「黄」となります。

虹がどう見えるか(色の数、何色か)には、文化的な背景や教育がかかわっているのです。

虹が7色なのはなぜ?

日本で虹が7色なのは、江戸時代にニュートンの研究が伝わったためでした。ここでは、虹ができる仕組みと、7色と決めたニュートンの研究について解説します。

虹の原理

虹は、雨上がりやお天気雨(晴れているけど、雨が降っているとき)など、空中にたくさんの水滴があるときに、太陽の光が水滴に当たることでできます。

太陽の光は、実はいろいろな色の光がまざって白い光になっています。その光が水滴を通過するときに、水滴の中で曲がり、水滴から出て行くときに色ごとに分かれます。それが虹になります。

いつ、誰が決めた?

1704年、ニュートンは「Opticks (光学)」という研究結果を発表。そこで虹の色は「7色」と発表しました。では、なぜ7色としたのでしょうか。

ニュートンが生きた時代のヨーロッパでは、音楽が学問の重要な一分野になっており、音楽と自然現象を結びつけて考えることが重視されていました。

そこで「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」の音階に色を当てはめて、「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」の7色としたのです。

虹7色に順番がある理由

虹の色は順番が決まっています。なぜ決まっているのでしょうか。赤の隣が橙なのはどうしてなのでしょうか。虹ができる仕組みから、色の順番の決まり方を見ていきましょう。

虹の7色の順番は、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫

太陽の光は、さきほど説明したように、いろいろな色の光がまざっています。太陽の光が水滴を通過するときに、水滴の中で曲がるのですが、その「曲がり方」が色によって違っています。

その曲がり方の違いによって、色が並ぶため、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順番になります。

並び方が逆になる虹がある

珍しい現象ですが、虹が二重に見えることがあります。明るく、よく見える方を「主虹(しゅにじ)」、外側にうっすら見える方を「副虹(ふくにじ)」と言います。

実は副虹では、色の並び方が逆になっています。虹は太陽の光が空中の水滴の中で曲がることでできますが、主虹は1回だけ曲がり、副虹は2回曲がることでできます。2回曲がることで、色の順番が逆になるのです。

虹の色の覚え方

虹の色を覚える方法を3つ紹介します。

「せき・とう・おう・りょく・せい・らん・し」

虹の7色を音読みして、リズム良く繰り返します。

赤→せき
橙→とう
黄→おう
緑→りょく
青→せい
藍→らん
紫→し

「せき・とう・おう・りょく・せい・らん・し」と繰り返して、覚えます。

「知らせろ男」

虹の色の順番を逆にして覚える方法です。最初の音をつなげます。

紫→し
藍→ら
青→せ
緑→ろ(く)
黄→お
橙→と
赤→こ(う)

緑を「ろく」、赤を「こう」と読みます。つなげて「しらせろおとこ(知らせろ男)」です。

「R・O・Y・G・B・I・V(ロイ・ジー・ビヴ)」

7色の英語の頭文字をつなげて覚える方法です。

赤→Red(レッド)
橙→Orange(オレンジ)
黄→Yellow(イエロー)
緑→Green(グリーン)
青→Blue(ブルー)
藍→Indigo(インディゴ)
紫→Violet(バイオレット)

「R・O・Y・G・B・I・V(ロイ・ジー・ビヴ)」です。

虹の見方

虹はいつ見えるのでしょうか。次の3つの条件に注意して、虹を探してみてください。

1.太陽が出ている

虹は、太陽の光が空中の水滴に当たってできます。つまり、太陽の光がなければ見えません。太陽が出ていることを確認しましょう。

2.雨上がり

虹は、空中にたくさんの水滴があるときに見えます。太陽が出ていて、空にたくさんの水滴があるときというと、雨上がりとなります。

3.太陽の逆方向

虹は、太陽とは逆の方角に出ます。自分の影と同じ方向を見るようにして、空を観察してみましょう。

虹を見てみよう

虹の色の数が国や時代によって違うなんて、少しびっくりですね。万有引力で知られるニュートンが、音楽と関連づけて「7色」と決めたことも面白いエピソードです。それだけに虹は不思議な存在なのかもしれません。

雨上がりに太陽が出ているとき、太陽とは逆の方向の空を見上げてみてください。条件が良ければ、虹が見えるかもしれません。今日ご紹介した方法で、7つの色が言えるかどうか、ぜひ、チャレンジしてみてください。

 

文・構成/HugKum編集部

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