わが子がいじめの加害者に? 友だちに乱暴をしていたことが発覚。親はどうすれば・・・

月刊誌『小学一年生』で連載中の「子育て相談室」。小学一年生のお子さんをもつパパママから寄せられたお悩みに、専門家の先生方からアドバイスをいただく人気コーナーです。今回寄せられたのは、「わが子がお友達に乱暴をしていた」というケースについて。集団生活・学校生活がスタートした一年生の今だからこそ、親子でしっかり向き合っておきたい問題です。

Q:友だちに乱暴をしていました!

息子が学校で、友だちに陰で乱暴をはたらいていたことがわかりました。家ではとても優しくいい子なので、最初は信じられませんでした。息子に問いただしたところ、「反応がおもしろいからやった」というのです。悲しくなって、感情的にきつく叱しかってしまいました。相手のお子さんにも申し訳ない気持ちでいっぱいです。この後、どのようにフォローをしていけばよいでしょう。(ことりさん)

A:まずは子どもの気持ちに共感しましょう。

気になるのは、お母さんが日ごろから、子どもの話をしっかり聞いてあげているかな?  ということです。子どもの話を最後まで聞かず、感情的に叱ってしまうと、子どもは何も話してくれなくなってしまいます。「どうせ、お母さんはわかってくれないから」と。

このお母さんがすべきなのは、まずお子さんに謝ることです。時間がたっていてもかまいません。「この前、ちゃんと話を聞かずに怒ってしまってごめんね」と。そして、あらためて子どもの話を聞き「そうだったのね。わかったわ」と、子どもの気持ちに共感することが大切です。その後で、「でもこれはやってはいけなかったよね」といった話をしましょう。子どもはお母さんが気持を受け止めてくれたことで、自分の行動も素直に振り返ることができるようになるのです。「子どもに謝るのは気がすすまない」という親御さんもいるでしょう。けれど、「悪いことをしたら謝る」、その姿勢を親が子どもに示すことで、お手本になるのではないかと思いますよ。

A:親は人との関わり方のお手本を示し、子ども目線での会話が大切!

お母さんにとっては「まさかわが子が」という思いはあるでしょう。けれど、1年生でのトラブルとしては、それほど珍しいことではありません。

この子は「反応がおもしろいからやった」と言ったそうですが、これは相手に興味があるということ。「仲よくなりたい」「もっと一緒に遊びたい」といった思いを相手に伝える力が未熟なのです。

コミュニケーション力の第一歩は、相手の話を聞くことです。そのお手本は身近にいる大人、つまりお父さん、お母さんです。具体的には、子どもの様子を日頃から見守り、会話は子どもの目線まで下りること。そして、矢継ぎ早に一方的に話すのではなく、間合いを取って受け答えをすること。じつは、こうした対話ができない大人は意外と多いんですよ。これらをきちんとできているか、今一度ご自身の行動を振り返ってみましょう。

そして、できればおじいちゃん・おばあちゃんなどと、電話でもいいので会話する機会を増やしましょう。親以外の信頼のおける大人と会話することで、コミュニケーションのバリエーションを増やしていくことにつながるのです。

\私たちがお答えしました/

ぺたほめ医専アカデミー代表・日本心理学会認定心理士
藤田 敦子 先生

ほめて認める独自の「ぺたほめ®子育て術」を提唱し、テレビ出演・出版・講演などで大活躍の子育てアドバイザー。「ぺたほめ®子育て術」によって成長した二人の息子は、最難関大学・京都府立医科大学医学部医学科に現役合格。著書に『母親が変わればうまくいく 第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』(講談社)。藤田敦子オフィシャルブログ https://ameblo.jp/petahome/

「脳の学校」代表・医学博士
加藤  俊徳 先生

脳を8つの系統に分けて育てる「脳番地トレーニング」を提唱。昭和大学客員教授。加藤プラチナクリニック院長。著書に、『すごい左利き』(ダイアモンド社)、 『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)など多数。 InterFM 897 「脳活性ラジオ Dr. 加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務める。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

『小学一年生』2021年12月号別冊『HugKum』 イラスト/やまのうち直子 構成/天辰陽子

 

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