小学生の「いじめ」はなぜ起こる?いじめの原因や種類、親の対応と対策について

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もし、我が子がいじめにあったら…。そんなことは考えたくないでしょうが、親ならば「いじめ」について知っておいてほしいことがあります。この記事では、なぜいじめが起こってしまうのか。その原因やいじめの種類、事例をご紹介します。また、我が子が小学校でいじめを受けた場合の対応もお教えします。いじめから我が子を守ってあげてください。

小学生のいじめ、なぜ起こってしまうの?

小学生のいじめは、なぜ起きるのでしょうか。いじめる側、いじめられる子の理由をそれぞれ解説します。

いじめる側の子供の理由、その原因は?

子供が他の子供にいじめをする理由には、相手の行為にいらだったり、憤りや脅えを感じることが挙げられます。それに対する反発、報復として、攻撃を加えるのです。いじめる側の子どもは、「相手が悪いからやっている」という相手の非を主張する傾向にあります。場合によっては、集団の中で共通の感情となることもあるのです。

いじめらる子供の理由、その原因は?

いじめられる子供には一定の特徴が見られます。対人関係が不得意だったり、欲求不満に対する耐性が欠けていたり、思いやりがないなどです。また、成績がよかったり、容姿がかわいいなども、嫉妬の原因となり、いじめにつながるケースもあります。さらに、おとなしい子や内向的な子も、攻撃の対象になりやすくなります。

いじめの原因は学校側にもあります。たとえば、先生のいじめに対する認識不足や、先生と児童の交流が不十分であること、生活指導や管理的な締め付けが強いと、集団として異質なものを排除しようとする傾向が生じやすくなる、などが挙げられます。

小学生に見られるいじめの種類

小学生のいじめには、いくつか種類が見られます。低学年、中学年、高学年に分けてその種類をご紹介します。

小学校低学年に多い、いじめの内容

低学年の時期のいじめには、ちょっかいを出すというようなものが多い傾向にあります。たとえば、叩いたり、蹴ったり、人の嫌なことをしたり、悪口を言ったりなどです。これは、低学年では言語表現が未熟なことが原因と考えられています。仲間が欲しくてもどのようにして接したらいいのかわからなかったり、日常的な不満やストレスの解消について適切な方法を見出せなかったりするなど、自分の感情を上手に表現できないことから、いじめが発生しているように思われます。

小学校中学年に多い、いじめの内容

中学年の時期になると、叩いたり、蹴ったりということのほかに、仲間はずれや無視するなどが加わわります。この時期は、同性の気の合うもの同士のグループが形成される時期だからです。集団にうまくなじめなかったり、集団と異なる雰囲気をもつものを排斥するいじめが発生しやすくなります。

・女子に見られる特徴

男子にくらべ、女子のほうがグループをつくる傾向にあります。そのことにより、仲間はずれや無視などの心理的ないじめが多くなります。

・男子に見られる特徴

男子では、中学年になっても低学年と同様のいじめが多いです。たとえば、暴力などの身体的ないじめです。

小学校高い学年に多い、いじめの内容

高学年になると、仲間はずれや無視するなどに加えて、しつこく悪口を言うなどの心理的ないじめが目立つようになります。

・女子に見られる特徴

高学年という時期は、女子にいじめが多く発生する時期です。その場合には特に心理的ないじめが多く見られます。具体的には、グループ内での親密さを競う争いが起きたり、グループ間での対抗が激しく行われたりすることがあり、それがいじめにつながるケースがあります。

・男子に見られる特徴

高学年の男子においては、リーダー格の児童が出現することが多々あります。それにより、小集団における支配欲を伴ういじめに発展することがあります。

実際にあった、小学生のいじめの事例

ここでは、実際にあった小学生のいじめの事例を掲載します。

人との関わりが未熟なことがいじめに…

A君は、いつもトラブルを起こしていました。教室でも落ち着きがなく、イライラした印象で、クラスメイトを突き飛ばしたりしていました。また、クラスメイトが砂場で遊んでいるときに、砂山を突然崩したり、砂を投げつけたりも。そのようなトラブルから、多くの子供たちがA君を怖がりはじめ、関わろうとしなくなります。A君自体はというと「友達がいない、遊んでくれない」と悲しんでいます。

このケースは、人との関わりや自己表現の仕方がわからず、自分の欲求の実現に性急なことなどがいじめにつながっています。

グループ内のいじめ

同じクラスの女子5人は仲が良く、いつもグループ行動をしていました。しかし、リーダー格で人気者のBさんが、ほかの4人から急に「自分勝手」、「気にくわない」、「生意気」などの理由から仲間はずれに…。同グループのCさんは、周囲にBさんの陰口を言いふらすようになります。その後、Bさんは不登校になってしまいました。

ある時期までは対等な仲間として付き合っていたのが、仲間うちで学習面や運動能力が優れていたり、人気があったりしたことを羨んでいじめるケースです。

特徴をなじるいじめ

D君は、肥満傾向で、動作が緩慢。学習が遅れがちという特徴があります。その特徴について「デブ」、「バカ」などと言われたり、暴力を振るわれたりなどして、いじめを受けました。

いじめる側はD君を自分たちとは異質なところがあるとして、相手への嫌悪感や拒否感を、悪口や暴力で示します。いじめる側が大人数になると、罪悪感やいじめている意識が薄くなります。

我が子がいじめられているかも?と思ったら

お子さんがいじめられていると感じたときの対応をお教えします。

いじめ2

まずは話を聞いてあげてください。話したがらないようであれば、紙に書き出してみるように言ってみましょう。たとえば、心配事、辛いこと、自分の好きなところ、嫌なところ、こうなればいいなと思うことを書き出してもらいます。それを見て、確認し、対処法をいっしょに考えてあげてください。

いじめが発覚、親の対処法は?

我が子がいじめを受けていると認識したときの親の対処法をお教えします。もしものときの参考になさってください。

・子供を守る

子供の安全を確保することが最優先事項です。いじめの原因から子供を引き離すようにしてください。そして、子供に、味方であること、守ってあげるということを伝えます。そうすることで、子供も少しは心が休まるはずです。また、学校を休ませる、学校を変えるなども1つの選択肢だと頭に入れておきましょう。

・学校・警察に動いてもらう

学校に相談することも重要です。早めに相談することで、いじめの長期化させずにすみます。また、おおげさかもしれませんが、警察に動いてもらうのもひとつの手段です。我が子の命に関わることです。命を守るほうが大切だと考えるようにしてください。

・悩み事を相談できるサービスを利用する

どうしたらいいのか悩んでしまうのは、子供も親も同じです。そんなときは、悩み事を相談できるサービスを利用しましょう。「文部科学省 24時間子供SOSダイヤル」では、いじめ問題やその他の子供のSOS全般に悩む子どもや保護者などが、電話で相談できるサービスです。都道府県及び指定都市教育委員会が夜間・休日を含めて24時間対応可能な相談体制を整備しています。

24時間子供SOSダイヤル

電話番号:0120-0-78310

我が子が誰かをいじめているかも?と思ったら

子供と正面から向き合う時間をつくってください。悪さをした時や、他人に迷惑をかけた時は、何が悪いのか、どうしていけないのか、その理由もしっかり説明した上で叱りましょう。また、ほかの子供と比べず、手伝いをしてくれた時、誰かの役に立つことをした時には、笑顔で「ありがとう!」とほめてあげてください。そうすることで、「世界にたった一人」しか存在しないお子さんの「個性」を伸ばすことにつながります。

お子さんのいじめで悩んだとき助けになってくれる本

『笑おうね 生きようね いじめられ体験乗り越えて(小学館)』

いじめ本
『笑おうね 生きようね いじめられ体験乗り越えて』

著者は、よしもとNSC(お笑いタレント養成所)の名物講師。これまで1万人以上の芸人志望の若者たちを指導し、見続けてきました。現在活躍している芸人や、芸人になる人の中にも、過去にいじめを受けたという人は少なくありません。また、著者自身も喘息の持病で留年したことをきっかけに、小学生時代、いじめで辛い思いを経験しています。でも、生きているからこそ、今があるのです。著者の教え子でもある一流芸人や、著者自身のいじめられ体験と、それに負けずに生き抜いたことを、今、いじめに直面し辛い思いを抱えている人たちに伝えてくれます。

『笑おうね 生きようね いじめられ体験乗り越えて』(本多正識・著/小学館)

ママパパの口コミ

「共感できました。」(40代・埼玉県・子ども2人)
「泣きそうになった」(40代・北海道・子ども3人)

いじめから子供を守るのは親しかいない

いじめから子供を守れるのは親しかいません。子供からのいじめのサインを見逃さないようにしてください。そして、子供にやさしく対処してあげるようにしてくださいね。

関連サイト

いじめへの対応のヒント-文部科学省
いじめの心理と構造 – 東京都教職員研修センター

 

文・構成/HugKum編集部

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