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セサミストリートでダイバーシティが自然に学べる!!
番組を観たことがなくても、ビッグバードやクッキーモンスター、エルモなど、番組の人気キャラクターたちに見覚えがある人は多いのではないでしょうか?!パパママがテレビで観ていた当時は、ABCの歌などが学べるエンタメ教育番組だったと記憶している方も多いと思います。
セサミストリートは、時代と共に変化し、時代に即した、子どもの心を育てる良質なコンテンツをたくさん配信しています。現在では、YouTube や動画配信サービスで、セサミストリートを観ることができるようになり、日本語訳も充実しています。
今回は、番組を制作する非営利法人『セサミワークショップ』の理念や活動内容について、夏からスタートする「セサミストリートの世界展」について、『セサミストリートジャパン』の吉田麻鈴さんに伺いました。
吉田麻鈴さん
セサミストリートジャパン合同会社 マーケティングマネージャー
2016年にセサミワークショップへ入社し、2021年からセサミストリートジャパン合同会社マーケティングマネージャーを担当。セサミストリートの日本語版制作や小学校向けカリキュラムの開発、健康教育や多様性理解のプログラムにも携わっている。
セサミストリートが伝えたいのは多様性とインクルージョン!
「セサミストリート」が誕生したのは、1969 年のアメリカ。
経済格差や人種差別が問題になっていた当時、質の高い教育を受けられない子どもたちにテレビ番組を通して教育を提供したいという願いから生まれました。
教育者や発達心理学者など多くの専門家を招いて繰り返し協議を重ねながら、丁寧に作られたこの番組は、放送がスタートするとすぐに話題となり、アメリカの放送業界において権威のあるエミー賞をこれまで214 回も受賞しています。番組の制作を担当した非営利法人『セサミワークショップ』( https://www.sesamestreetjapan.org)は、番組の制作以来、これまでにテレビ番組だけでなく、さまざまなメディアや教育プログラムを、世界160 以上の国や地域に提供しています。
「セサミストリート」の活動理念について、教えてください。
吉田さん:「セサミストリート」の大きな活動テーマは、 多様性とインクルージョン〟です。‵‵インクルージョンとは直訳すると包括ですが、私たちはさまざまな人種や民族、宗教、異なる文化であっても、お互いを尊重し合い、生きることの素晴らしさやその楽しさを子ども
たちに伝えたいと願っています。
そして、その願いを形にしたのが、教育番組「セサミストリート」なのです。
「セサミストリート」のコンテンツを通して、多様性を学べる
「セサミストリート」は動画配信サイト等でコンテンツをたくさん増やしていらっしゃいますね
吉田さん:「セサミストリート」は、現在、YouTube の公式チャンネル(セサミストリート日本公式- YouTube)やU-NEXT(unext.jp) などで視聴することができます。
アメリカで放映された当初、番組内容は文字や数などについての教育が主体でしたが、これまでの長い歴史の中で、番組を制作する『セサミワークショップ』は、その時代や国・地域のニーズや文化にマッチしたコンテンツを子どもたちに常に届けてきました。
時代に合わせ、変わったものや登場したキャラクターを教えてください。
吉田さん:例えば、昨年は新型コロナウイルス禍で悪化したアジア系住民への人種差別問題や、世界各地で起きている人種差別問題に取り組み、新キャラクターの韓国系アメリカ人7歳の女の子・ジヨンを登場させました。人種差別問題の取り組みでは、プロテニス選手の大阪なおみ選手も登場するなど、さまざまなゲストと共に人種や文化の多様性を尊重する大切さを伝えています。
今後は、 ポジティブ・アイデンティティー〟の重要性を子どもたちに伝えていきたいと思っています。自分のことをまずしっかり知って、自身をポジティブに捉えたうえで、相手のことを知り、共通点や違いを認め合いながら生きていくことの楽しさを知ってもらいたいのです。
自閉症のジュリアは、体を触られたりすることが苦手なのですが、どうして苦手なのかがお子さんでも理解出来るような動画を配信しています。
自閉症のジュリアについて知ることができる
吉田さん:以下の映像は、その ポジティブ・アイデンティティー〟がとてもよくわかるコンテンツです。
5歳の男の子・ウェスと、その父親・イライジャの肌の色について、エルモが好奇心旺盛に、なぜ茶色なのかを知りたがり、それに対してイライジャは、肌色を構成するメラニンについて話したうえで、肌の色は私たちのアイデンティティーにとても大切であることを伝えています。
黒人のキャラクター/ウェスと その父親イライジャ
ステップアップファミリーのルーディー
番組を親子で観るときのポイントはありますか?
吉田さん:「もしお子さんが質問をしたなら、それが答えに躊躇するような質問であっても、まずはその好奇心を尊重すること」。そして、「事実に基づいて正直に答えること」が大切だとセサミストリートは考えています。
ダイバーシティを学ぶのにおすすめのキャラクター
ジュリア
お絵かきや歌うことが大好きな4歳の女の子。自閉症の特性があります。ハグや大きな音は苦手で、お友だちと遊ぶのが大好き!家族や友だちの理解を得ながら、いろいろなことに挑戦し、ジュリアならではのスタイルを見つけます。得意なことは、かたち探し。大親友は、うさぎのぬいぐるみ「フラッフスター」!
男の子のウェス、ウェスの父親イライジャ
5歳の男の子ウェスと、その父親イライジャ。ウェスの学校での体験談などを基に、人種や人種差別について、子どもと大人が一緒になって考え、対話する方法を伝えます。
「ともだちになろうカルタ」も、セサミストリートの世界観を知るのにおすすめ!
「セサミストリート」の世界観を知るには、このほか「ともだちになろうカルタ」もおすすめです。このカルタは、進級や進学など新生活を前に不安を抱える子どもやその保護者に向けて、今年3月、「セサミストリート」が制作したもので、現在、無料で公開されています。エルモからは「おたがいのおきにいりであそぼう」、ジュリアからは「みんなともだちになれるよ」など、「セサミ」の人気キャラクターたちのメッセージが全 20 種類のカードになっていて、ダウンロードも可能です。
このカルタはどのように使うと良いでしょうか?
吉田さん:カルタ遊びのように、保護者の方やごきょうだいが、カードのメッセージを読んで、それをお子さんが取るという遊びでもいいですし、メッセージが入っていないカードもあるので、親子でそのメッセージを考えたりして遊んでもらっても構いません。遊び方はとくに決まっていないんです(笑)。友だちや親子で楽しく遊んでいただけたらうれしいです。
特設サイトで、各カードをクリックすると、そのカードに書かれているメッセージを象徴する「セサミストリート」の映像コンテンツを観ることもできます 映像エピソードは、どれも人とコミュニケーションするときのマナーや、その重要性がテーマになっていて、こちらも親子で話すきっかけになると思います。
カルタの特設サイト ともだちになろうカルタ はこちらから
こちらからアクセス>>https://karuta.sesamestreetjapan.org/
「Hello! セサミストリートの世界展」開催!セサミストリートの世界を体感しよう
2022 年夏、「セサミストリート」の日本上陸50 周年を記念して、この番組の世界観やメッセージを体感できるイベントが、阪神梅田本店 8階催事場にて開催されます!
今回のイベントは「セサミストリート」のさまざまなコンテンツに触れて、楽しく遊びながら「セサミストリート」のこれまでの歴史と、これからがわかる展示内容となっているそうです。
例えば、会場内には番組のスタジオセットが設置されていて、来場者は番組キャラクターたちが住んでいる街・セサミストリートの中に入り込んでその世界観を体験できるそう。
また、番組の50 周年記念に制作されたスペシャル番組をシアターで鑑賞したり、実物パペットの人形なども見ることができるそうです。
夏休み最後の親子の思い出づくりにおすすめのイベントですね!
展覧会概要
開催期間:8月17日(水)→29日(月)<最終日は午後5時まで>※入場は閉場の30分前まで
場所:阪神梅田本店 8階 催事場 <入場有料>
※入場に関する詳細は阪神梅田本店ホームページをご確認ください。
https://www.hanshin-dept.jp/hshonten/event/index.html/
イベントの詳細は「Hello! セサミストリートの世界展」の公式HPにてご確認ください。
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文/山津京子
構成/HugKum編集部
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