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五円玉の穴は何を表しているの? どうして穴が空いているの?
日本の硬貨でいうところの、5円玉や50円玉のような穴の空いた硬貨。
この穴って、どうして空いているのかご存知ですか?
硬貨に穴を空けて製造する理由には、
・他の硬貨と見分けやすくなる(目の不自由な人にも分かりやすい)
・材料を節約する
・偽造しにくくする
……等があります。
そんな穴あき硬貨の中でも、わたしたちにとって身近な存在でもある5円玉。この5円玉の穴は、実は「歯車=工業」を表しています。上の画像をよく見てみると、ギザギザした模様が施されているのがわかりますね。お金はデザインにも奥深い意味が込められているのです。
穴あき硬貨はとてもレア
わたしたちは普段何気なく5円玉や50円玉を使っていますが、世界に目を向けてみると、これら穴あき硬貨は実はとってもレアな存在です。
なぜなら、西洋の多くの国では、金属をのばして権力者の肖像などを刻印する製造方法をとっていたため、長い間穴あき硬貨は造られなかったから。
日本や中国はかねてより、溶かした金属を型に流して硬貨を鋳造していましたが、これは珍しいことなのです。
日本の古いお金にも、このように穴が空いていました。大陸で流通していた銅銭を模倣したことや、紐を通して持ち運んだり、管理するのに便利だったことが穴を空けた理由なのだとか!
穴だらけ! カッパドキアの洞窟住居、中はどうなってる?
「カッパドキアの洞窟住居」、名前を聞いたことがある方も多いことと思いますが、中がどうなっているか知っていますか?
巨大岩の中に重なる地下都市
人類は6万年以上も前から、穴で暮らしていたことが明らかにされています。洞窟は、雨雪や暑さ寒さをしのぎ、捕食者からも身を守ることができるため、格好の住処だったようです。
そんな穴にまつわる住処の中でも世界的に有名なのが、トルコのカッパドキアにある洞窟住居です。
カッパドキアの洞窟住居のはじまりは、約2400年前。イスラム勢力の迫害を逃れたキリスト教徒が隠れ住むために、巨大な岩の中に、横穴や何層にも重なった地下都市をいくつもつくりあげたと考えられています。
デリンクユと呼ばれる地下都市の最深部は地下85mもあり、カイクマルという地下都市は、なんと地下8階まであったそうです!
地下都市はまるで迷路
カッパドキアで発見された地下都市の数は36!
それらの都市内には、住居、倉庫、ワイン醸造室、家畜部屋、礼拝所などがつくられていました。敵の侵入を防ぐため、通路や階段は狭く、まるで迷路のような佇まい。
今はホテルやレストランとして活用さているものもありますよ。
地球でいちばん深い穴は、どこにある?
では、地球でいちばん深い穴はどこにあるのでしょうか?
人が掘ったもので最深の穴とされているのは、西ロシアの奥地・コラ半島に所在する「コラ半島超深度掘削坑」。
地球の地殻深部を調べる科学プロジェクトとして掘削された人口穴で、深さ約35kmあるバルト海大陸地殻の約3分の1を貫き、古代岩にまで達したといわれています。
15キロを掘削目標に1970年から開始しましたが、深く進めば進むほど、地中温度は上昇。使用していたドリルビットが機能しなくなることが予想され、1992年に志半ばで掘削が中止されました。
ちなみに横に長いトンネル世界一は?
ちなみに、世界最長のトンネルはアメリカにあるキャッツキルアケダクト。その長さ、全長147kmにもわたります!
「ドーナツの穴を売ってはいけない」そんな法律があるってホント?
アメリカのネブラスカ州に位置する街・リーには、1988年に制定された「穴」にまつわる珍しい法律があります。
それは「ドーナツの穴を売ってはいけない」というもの。哲学的な響きがありますが、実際にこの街に存在している法律です。
制定の理由には諸説あるようですが、かつてドーナツの穴を別途販売する詐欺があった、というものが有力説とされています。
穴があるからおいしい?
また、小説家・随筆家の内田百閒が「蓮根のうまいところは穴」と発言したという逸話があったり、本格的なチーズには発酵時のガスによって穴が空いていたりと、食においても穴の存在感は大。
実際に味がするようなものではありませんが、ときには美味しさを増してくれる重要な存在ではないでしょうか。
「穴」の魅力にハマってみる!
今回は、「穴」にかんするトリビアをいくつかご紹介してきましたが、のぞいてみたい穴や、入ってみたい穴、気になる穴はありましたか?
穴の神秘にハマってみたい、そんなふうに思ってくださった方におすすめの本が、こちらの『のぞく図鑑 穴』。
未知の洞窟に潜るには?
トンネルの穴はどう掘る?
穴は宇宙につながっている?!
身近なものから宇宙にいたるまで、大小さまざまな穴の不思議が、豪華なフルカラー&分かりやすい解説とともに収録された一冊。
遠い外国の穴に限らず、実際に足を運べる穴にまつわる国内のスポットや、手に取れる穴も掲載されています。
ぜひこの図鑑を読んで、穴の魅力をさらに堪能してくださいね。
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文/羽吹理美 構成/HugKum編集部