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「夏は暑さに負けず元気に!」は、乳幼児にはNG
通年変わらない生活の基本ですが、ナースリールームでは、どうしたら一人ひとりの子どもが安心して健やかに機嫌よく過ごせるかを第一に考えます。
夏は、熱中症や、汗・日焼け・虫刺されなどによる肌のトラブルに気をつけて、子どもたちが快適に過ごせるように、不必要な外出は避け、空調を管理した室内で過ごすようにしています。
涼しい季節には園の周辺をお散歩していますが、暑い時期の日中は、お散歩は控えます。
直射日光を避け、プールに入ったりすることはありますが、多くの時間、お部屋の中でのんびり過ごしたり、体を動かしたり、じっくり取り組めるあそびを楽しんだりしています。
「夏は暑さに負けず元気に!」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、それは小さな子どもたちには全く向いていない、危険なイメージです。
無理をせず大きく体調を崩さないように、夏とうまく付き合うことを一番に考えています。
熱中症予防のための水分補給は、常温で、与えすぎないことを守って
冷たい飲み物は、体を冷やしてしまします。また、一度にたくさんの量を飲みすぎると、それだけでお腹がいっぱいになってしまいますし、胃液が薄まって食欲が低下してしまいます。
夏を乗りきる体力を温存するために、常温の水分をこまめに補給することを心がけています。
3歳くらいになると、自分の水筒を持ち、いつでも飲みたい時に水分をとれるようになってきますが、まだ自分で判断したり、自分の思いを伝えるのが難しい0・1・2歳児には、大人がお水を飲ませてあげたり、飲むように促すことが必要です。
ナースリールームでは、行動の節目節目で子どもたちに「飲む?」と誘うようにしています。
外から帰って来た時、寝て起きた時、シャワーした後、泣いた後、など場面場面で。それから「おしっこ、出ていないな?」という時にも、「お茶いかがですか?」と誘うようにしています。
水分補給の1回の目安は50㏄
子どもは飲みたい時は飲むし、飲まない時は飲まないので、誘ったら必ず飲むわけではありませんが、この方法でこまめな水分補給ができています。
こまめに水分補給ができていると、1回の水分補給は50㏄くらいのことが多く、一気に100㏄を飲むような時はかなり喉が渇いていた状態かもしれません。ナースリールームでは、赤ちゃんには、水分補給の際には哺乳瓶で50㏄を用意しています。
大人の軽い日焼けは、乳幼児にはやけどになることも
皮膚の薄い乳幼児は、大人ならば軽い日焼けをする程度の日差しでも「やけど」をしてしまうことがあるので気をつけなくてはなりません。また、蚊にも要注意。刺されたところを掻きむしってしまい、悪化して「とびひ」になってしまうこともあります。
ナースリールームでは、薄手のカーディガンや、長袖、長ズボンなどの着用により露出を減らすことで子どもたちの肌を守るようにしています。
また、蚊除け対策として、服で隠せない露出面には、手作りの液体タイプの虫除けを塗っています。
虫よけスプレーは、子どもが吸ってしまうのでNG。虫除けパッチは誤飲に注意
スプレーは、シュッとした時に子どもが吸ってしまう恐れがあるため使用を避け、液体タイプのものを手で塗るようにしています。また、虫除けパッチは、赤ちゃんが誤飲し、窒息してしまう恐れがあるので使用しないようにしています。
手作りの虫除けは、とても爽やかなよい香りがします。また、少し冷たいのが気持ち良いのか、子どもたちは嫌がらずに塗らせてくれることが多いです。
簡単に作れますので、市販の虫除けが苦手な方は試していただいても良いかもしれません。使用する際は、どこかに少し塗ってみるなどして、安全を確かめてから使用してください。お肌に合わない場合は使用を控えてください。
ナースリールームで使用している虫除けのレシピ
(レモングラス) 6滴
(ゼラニウム) 3滴
無水エタノール 5ml
精製水 45ml
※レモングラスをシトロネラに変えてもOKです。
※2週間くらいで使いきれる量を作ることをお勧めします。
※直射日光を避けて冷蔵庫などで保管してください。
※使用する前に試し塗りを行い、安全を確かめてください。
要注意の水遊び。3センチの深さで溺れてしまうことも
プールの水が深さ3センチほどでも、子どもは溺れてしまうことがあります。また、水で滑りやすいので、水遊びの際は、とにかく子どもから目を離さないように気をつけています。
水で濡れた場所はとても滑りやすいのです。子どもの頭は体の大きさに対して大人が想像するよりもずっと重いので、プールを少し覗き込むだけでも、頭から水に落ちてしまうことがあります。そのため、プールの中だけではなく、外にいる時も、常に注意しながら見守っています。
水遊びは、ゆったりと水を手で触ったり、すこし水に足を入れたりするだけでも、涼しさを得ながら楽しめる、子どもたちにとって、とても魅力的な遊びの一つです。
子どもたちの安全に気を配りながら、夏ならではの時間を一緒に楽しく過ごしたいものです。
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教えてくれたのは
東京家政大学ナースリールーム施設長。東京家政大学を卒業後、保育士として同大学ナースリールームに勤務する。平成31年からは施設長を務める。