「動物」を題材にした絵本は子どもたちが年齢に関係なく楽しめます。
あてっこしながら読めるもの、想像を膨らませながら読めるもの、物語の奥に潜むものを考えながら読めるものなど、赤ちゃんから小学校高学年まで時期別に楽しめる絵本をまとめました。
今回は「この本読んで!」編集部が厳選した「動物」の絵本5冊を紹介します。
目次
0歳赤ちゃんのファーストブックにもぴったりな動物絵本
『どうぶつ だあれかな』
絵/かきもとこうぞう
文/はせがわさとみ
900円(学研)
お子さんとあてっこしながらページをめくってみて!
表紙を見てください。小さなライオンの子が、だれかのお尻を見上げています。だあれかな? ページをめくると、大きな動物が姿を見せます。「ながーいはな だあれかな?」「ぞうさんです」。お次は、おやまがふたつ、だあれかな? ライオンの子は、大きな動物たちに遊んでもらいながら進んでいきます。
ライオンの子と一緒に「だあれかな?」とあてっこしながら、やさしくて愛らしい動物たちと遊びましょう。
3,4,5歳の幼児に人気!想像力を育てる動物の絵本
『どうぶつしんちょうそくてい』
文/聞かせ屋。けいたろう
絵/高畠 純
1,300円(アリス館)
動物はどうやって身長を測る?想像しながら読んでみて!
今日は動物たちの身長測定の日。順番に背の高さを測っていきましょう。まずはウサギ。耳を伸ばしても、ダメですよ。次はカンガルー。あらあら、ジャンプしていて測れません。続いて、キリン、ワニ、コウモリ、コアラ、シロクマと、子どもたちに大人気の動物たちが登場します。
それぞれ、どうやって測るのかな?と、わくわくしながらページをめくってください。作者が実際に、上野動物園で取材して測ったりしたそうですよ。
『エイモスさんがかぜをひくと』
文/フィリップ・C・ステッド
絵/エリン・E・ステッド
訳/青山 南
1,400円(光村教育図書)
動物たちの顔の表情に癒される心温まるストーリー
エイモスさんは、毎日動物園に行って、ゾウとはチェス、カメとはかけっこ。そんなふうに動物たちとそれぞれの時間を過ごします。でもある日、エイモスさんがかぜをひいてしまいました。いつも来てくれるエイモスさんが来ないので、動物たちは心配になり、とうとう、動物園を抜け出してしまいます。向かった先は……。
あたたかみのある文章と落ち着いたイラストで、動物たちとエイモスさんとのやりとりが、一層すてきに見えてきます。子どもがかぜをひいて、少し元気がないときに読んであげてもいいですね。
小学校低学年向けの動物絵本
『ジャガーとのやくそく』
作/アラン・ラビノヴィッツ
絵/カティア・チエン
訳/美馬しょうこ
1,400円(あかね書房)
幼い頃の自身の障碍と向き合い克服し、動物を守る使命を貫いた動物学者の感動の自伝
どもりがあるぼくだけど、つっかえずに言葉が出るときがあります。それは、歌っているときと、動物に話しかけているとき。クローゼットで飼っていたハムスターたちや動物園のジャガーに、うまくしゃべれるようになったら、かわりに動物たちの声を伝えて動物を傷つけるのをやめさせると約束しました。大人になったぼくは、その約束を果たすことができたのです。
野生生物の保護を訴える、動物学者である著者自身のことを描いたノンフィクション。子供の悩みに寄り添いながら、夢をもつことの大切さを伝えてくれます。
小学校高学年向けの動物絵本
『クマと少年』
作/あべ弘士
1,500円(ブロンズ新社)
兄弟のように育ったアイヌの少年とクマの物語
アイヌの村に生まれた一人の少年と、山の神であるクマの物語。少年とクマの子キムルンは、母さんのおっぱいを一緒に飲み、兄弟のように育ちました。ですが、子グマに神の国へ帰ってもらうイオマンテ(クマおくり)という大切な儀式の日が来ます。でもキムルンは、オリを壊して山へと消えてしまいました。何年か後に大きくなった少年は、山の中でキムルンと再会します。
旭川で生まれ育った著者が、ずっと描きたかったという作品。動物や植物とともに生きる人間たちの姿に、子供たちも感じ取るものがあるのではないでしょうか。
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絵本選書・文/「この本読んで!」編集部 構成/HugKum編集部