子供が「片付け」をしないからイライラ…。自分からすすんで「おかたづけ」をしてもらうには?

片付けをしない子供についイライラ。どうすればできるようになる?

片付けても片付けても、すぐに散らかす子供。親が片付けたほうが早そうと思って片付けてしまったり、「片付けなさい!」と声を荒げてしまったり。何かいい方法はないのでしょうか。幼稚園に20年勤務し、子育てを長く研究する平山許江先生に伺いました。

子供は本来、しつけなくても片付けが好きなものです

片付け、子供はすごく好きですよ。子供にとって片付けは後始末ではなく、別の遊びです。例えば砂場で道具を片付ける時、かごなどにポンポン入れる、この「ポンポン」が楽しいわけです。

もう一つ好きな理由は、散らかったものを片付けると、砂場や部屋が元通りにきれいになる。成果がわかりやすいんです。子供は、おもちゃが1個でも残っていると見つけて持ってきます。そして、きれいになったと思うと「おーわった」と判断し、満足します。こんなふうに子供が「よし、終わり」とか「ここまで」とか、自分で判断し決められることは、日常生活の中であまりありません。

でもお母さんは、片付けは仕事とか、遊びとは違うイヤな作業というイメージなのでは? だから「させなきゃ」「早くしなさい」と思うのでしょう。それでは子供の感覚とズレてしまいます。ぜひ、片付けと思わないで、別な遊びをするんだな、それも楽しい遊びなんだなと思ってください。

子供が片付けやすい収納やテクニックは?

とは言え、どう片付けて(遊んで)いいかわからない状態では、子供は何もできません。まず親が、わかりやすくセッティングしましょう。持っているおもちゃによって違いますが、例えば大事なものはこの箱に、本はこの棚になどと、分類してしまえる場所をつくってあげます。剣など棒状のものは、ゴミ箱のような筒型の器を用意するなど、子供が簡単に片付けられる工夫をしましょう。

片付けに掛ける時間を決めよう

年齢に合わせ、3歳なら3つの分類くらいが、ほどよいでしょうか。プラス分類できないその他のものを入れる「何でもボックス」をひとつ作るのがコツです。また量や範囲は、5分程度、頑張っても10分以内に終わるくらいが適当です。子供では手に負えない散らかり方だと思ったら、親も手伝い、「本屋さん、本、お願い」などと言って、できることを任せましょう。

「片付けたくない」と言う時は、「そうね、もっと遊びたいけど仕方がないね」と共感しながらも、親が手早く片付け、最後だけ子どもに任せ、やった気にさせましょう。子供はしみじみと「しょうがないんだなあ」と思うでしょう。

片付けるタイミングを見計らう

では、いつさせるのがいいのでしょうか。例えば「出かけるから片付けよう」とか「片付けたらテレビ見ようね」とか。「次に楽しいことが待っている」時が、「片付け時」です。

片付けでどんな能力が身につくの?

かつて幼稚園の子供達に、砂場の道具の「仲間分け」をさせた時のこと。ふるいとへらが一緒で、お玉は別……? 理由を尋ねると「水を汲めるものと汲めないもの」で分けていたのです。なるほど!子供に任せると素晴らしい!

このような分類する力、前述したような判断する力遊びに区切りをつける力など、知的な能力が、片付けをすることで伸びます。

一方、片付けたほうがきれいで気持ちいいという感覚や、こうするとなくならないとか、大事にしまっておこうとか、暮らし方の知恵も出てきます。もう少し大きくなると、「片付けないとみんなが困るよ」「明日困らないように片付けよう」などと、一つのルールとして自分を律することができるようにも。

片付けは、とても有意義な活動です。

 

子育て中のママ・パパへ先生からアドバイス

今の子供達は、おもちゃをたくさん持っているので、よく遊ぶものだけ出しておくなど量を減らすと、親も片付けが苦にならなくなります。次々とおもちゃを出して遊ぶなら、遊び終わったものを親が片付けていけば、散らかりません。また、プラスチック製のおもちゃは日に当たると劣化し、割れてとがったりして思わぬけがをすることも。危険がないよう、時々チェックしてください。

 

平山許江先生

お話:平山許江先生

保育楽者。東京学芸大大学院への入学などをはさみ、幼稚園に20年勤務。大学教授を歴任し、現在、青木教育研究所所員。日々、保育の楽しさを探究中。著書に『子育てはどたばたがよろしい』(世界文化社)

イラスト/松木祐子 出典/めばえ

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