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乳幼児の頃は免疫力がまだ十分でない時期
このところ、よく「免疫力」という言葉を聞きます。 免疫力は、私たちの体を病気から守る大切な防御機能。「細菌やウイルス、がん細胞など身体にとって異物が侵入してきたとき、それを排除しようとするシステム」のことです。
そもそも子どもはどのようなメカニズムで免疫力をつけるのでしょうか。
和歌山県立医科大学小児科学講座・徳原大介先生に聞いてみると、
「お子さんの免疫は大きく2種類あります。ひとつは妊娠中から胎盤を介して母親から受けるIgG抗体です。これは生まれたばかりの頃が非常に高い濃度で、生後徐々に赤ちゃん自ら産生するようになります。ただ、その狭間のような生後3~6ヶ月の頃はもっとも血中の濃度が低い時期です。
それとは別に、人は腸管や肺などの粘膜に体を守る免疫機能を持っています。その中心となるのが分泌型IgA抗体で、細菌やウイルス、毒素に反応して感染に対抗するのですが、赤ちゃんは粘膜免疫の発達が未成熟です。例えば腸管をみると、小腸が短く、表面にある繊毛は短く、そこから分泌されるIgA抗体の量も少ないのです。
やがて小腸の長さは年齢とともに長くなり絨毛も高くなり、IgA抗体を分泌する量も増え免疫機能も高まるのですが、それまでの間はどうしても免疫力は未発達ですね」
ウイルスは1年中、子どもたちを襲ってくる!
そんな時期ですから、小さな子どもはよく風邪をひいたり、おなかを壊したりするのですね。
「しかも乳幼児は常に感染症にさらされています。冬はインフルエンザが流行しますし、夏は手足口病、夏から秋にかけてはRSウイルスが流行ります。ノロウイルスなどの胃腸炎は冬だけでなく春や夏など何度か流行がみられます。1年中気が抜けません。
和歌山市の調査では、5歳未満で夜間・休日の応急診療センターを診療したお子さんは、感染症が6割以上を占めています。中でも感冒や気管支炎など、呼吸器感染症が49%を占め、胃腸炎も14%みられます」(徳原先生)
0~1歳児は特に保育園を休みがち
江崎グリコが実施したママへの調査を見てみると、保護者から見て、子どもが体調をくずしやすい時期は1歳から1歳6カ月。
この時期は母親から授かったIgG免疫も少なくなり、粘膜免疫もあまり育っていません。それでいて1歳未満の頃よりも人と接するなど活動力が増えるからでしょう。保育園に通い始める頃ですから、多くの仲間と毎日接し、ますます感染しやすくなります。
0歳児では保育園をお休みする日数がなんと年間19.3日。1歳児でも12.8日も休みます(*)。パパママは有給休暇をやりくりするなど、頭が痛いですよね。
*保育園での0歳児クラスは0~1歳台の子どもが在籍。1歳児クラスは1~2歳の子どもが在籍
免疫力には食事が重要? でも何をしていいかわからない
なんとか感染症にかからずに、かかっても軽症のまま暮らしてほしい。そのために、パパママはどうしたらいいか考えますが、上の棒グラフのように「何をしていいかわからない」と答えた人が半数近く。ただ、どうやら免疫力がキーワードになっている、と感じている人も少なくありません。
免疫力をつける方法はいろいろありますが、パパママはまずは「食事が大事なのではないか」と推測します。昨今では「免疫力をつける食材」などもたくさん紹介されています。でも、どの食品が免疫力に関係するのかはっきりわかっている人は少なく、子どもに与えることが適切な食品なのかもわかりません。「免疫力をつけたい」と思っていても、具体的な方策はなかなか見いだせないようです。
いつもの食事の栄養を補完するフォローアップミルクに免疫力が!
そんな中で、今注目されているのがフォローアップミルクなのです。
フォローアップミルクとは、母乳のように飲ませる育児用ミルクとは違います。離乳食で不足しがちな栄養素を補う補完食品です。
たとえば、江崎グリコの「アイクレオ グローアップミルク」は、1歳頃※から3歳頃までを対象としたミルク で、⾷事やおやつと⼀緒に摂ることで発育をサポートする商品です。この商品の最⼤の特⻑は、発育サポート成分「MFGM(Milk Fat Globule Membrane;乳脂肪球⽪膜)」を配合していること。
MFGMは⺟乳にも含まれる物質で、子どものカラダを守る成分が含まれた乳由来成分です。腸管バリアに有効なサポート成分として、注目されているのです。
※ 離乳⾷の3回⾷が始まる9ヵ⽉頃からでも利用可能
フォローアップミルクに配合されるMFGMに注目!
江崎グリコでは、「免疫発達期」の体調管理をするためには、元気でつよいカラダつくりをサポートすることが必要であるとの考えから、MFGMに注目してきました。
海外ではすでにMFGMが免疫発達をサポートする成分として、粉ミルクへ配合されるようになってきています。
また、江崎グリコの商品は、⽜乳や⾷事だけでは不⾜しがちな鉄、そしてカルシウムとその 吸収を助けるビタミンD、さらにはヌクレオチド、ガラクトオリゴ糖も配合しています。乳糖を主体とした糖質組成により、あっさりとした飽きの来ない、飲みやすい味に仕上げています。
離乳食が終わったこの時期、免疫力が気になるなら、「牛乳を飲んでいるから大丈夫!」と思わずに、しっかりと栄養を補完できるグローアップミルクを選んで、日々のドリンクとして活用するといいですね。
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徳原大介(とくはら だいすけ)教授
和歌山県立医科大学 小児科学講座。1998年 関西医科大学医学部卒業。医学博士。2007年から東京大学医科学研究所粘膜免疫学部門、2010年から米国アラバマ大学バーミングハム校免疫ワクチンセンターにて腸管・ 呼吸器の粘膜免疫の研究に取り組み、イネ種子であるコメを用いた経口粘膜ワクチンの開発に従事。 2012年から大阪市立大学小児科において小児消化管診療に携わるとともに、乳幼児の免疫システムの 基礎的研究を基盤とした消化管感染症に対する粘膜ワクチンの開発研究を展開。2019年に同大学准教授を経て、2022年1月から現職。日本小児栄養消化器肝臓学会理事。
取材・文/三輪 泉
情報提供/江崎グリコ株式会社