「風疹」は、乳幼児にかかりやすい病気であることは知られていますが、妊娠中の女性が感染するとお腹の子供に影響が出るため、大人になってもワクチン未接種の方は気を付けたい風疹。症状や予防について、専門家にお話を伺いました。
「風疹」の症状
赤く小さな発疹が出る
風疹ウイルスによって起こります。おもな症状は、発熱、薄い赤色の小さな発疹、耳の後ろや首、後頭部などのリンパ節の腫れなど。症状は比較的軽く、発疹は3日ほどで消えます。ただし、大人がかかると重症化することが多く、特に妊娠中の女性は注意が必要です。
妊婦さんがかかったら
症状は軽いけれど、妊娠初期に感染すると、胎児に「先天性風疹症候群」の危険があり、注意が必要です。
「風疹」の治療は家庭で安静に、が基本
ウイルスが原因で起こる病気の場合、病気そのものを治療する薬はないため、つらい症状をやわらげる治療が行われます。子供は症状が軽いことが多く、受診後のケアは家庭での安静が中心。高熱や関節痛などが見られる場合は、解熱鎮痛薬などが処方されることもあります。
ホームケアの方法
自宅で静かに過ごすのが基本ですが、元気があれば、寝ていなくても構いません。熱がある場合は、脱水を防ぐため、こまめに水分補給をします。発疹がすべて消えるまで、登園停止です。
予防のためにはワクチンを
最も確実な予防法は、ワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)の接種です。生後12か月を過ぎたら、すぐに接種を。小学校入学前の1年間でもう一度接種します。妊娠初期の女性がかかると胎児に深刻な影響が出ることがあるので、特に女性は接種歴を確認し、わからない場合も、追加接種を受けておくとよいでしょう。
小児科医よりアドバイス
風疹は診断が難しく、症状が似ているけれど風疹ではなかった……ということも。かかったと思われる保育者も、抗体の有無を調べる検査や追加接種を!
監修/澁谷紀子先生
総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。
出典/『新 幼児と保育』 文/野口久美子 再構成/HugKum編集部