心も体も温まる卵酒の効果とは。ふわトロに仕上げるコツや、子どももOKなレシピを紹介

昔から日本で飲まれてきた卵酒。ほんのり甘くて、とろみのある卵酒は体が温まり、寒い時期や、風邪をひいた際などに飲む飲み物として知っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな卵酒の効果や作り方、子どもも飲める卵酒のレシピなどを紹介していきます。

卵酒とは?

卵酒とは、加熱した日本酒に鶏卵を混ぜ入れ、砂糖などを加えて飲む飲み物。江戸時代に書かれた書物、『本朝食鑑』や『料理物語』に登場していることから、江戸時代には飲まれていたことがうかがえます。

卵酒の効果とは?

まずは卵酒の効果としてあげられるのは、体を温めること。日本酒などのアルコール類には血流良くし、体温を上げる効果があります。体温が上がることで免疫機能も高まり、風邪にも効果的だとされているのです。

また、ほんのり体を温め、リラックス効果がある卵酒は、なかなか寝付けないときの飲み物としてもおすすめです。しかし、アルコールが入っているため、飲み過ぎるとかえって眠れないことも。そのため飲む量には注意が必要でしょう。

卵酒の栄養とは?

卵には良質なタンパク質が含まれます。体力の回復に効果がある必須アミノ酸をはじめ、ミネラルやビタミンB2、B6も豊富。免疫力を高めたり、皮膚や粘膜を健やかに保つ効果があるため、風邪の予防も期待できます。

卵酒を飲む際の注意点

栄養満点で体を温める卵酒は風邪のひきはじめにも効果があるといわれています。しかし、風邪薬などの薬と一緒に飲むのはNG。卵酒にはアルコールが含まれています。解熱鎮痛薬などの薬とアルコールを一緒に摂取すると、薬の作用が強く出過ぎることがあるためです。風邪薬などの薬と卵酒は一緒に飲まないようにしてください。

美味しい卵酒を作るポイントは?

卵酒を作る際、分離したり、生臭さが残ってしまったりしたことはありませんか? そんな失敗しないためにも、まずは卵酒を美味しく作るポイントをみていきましょう。

・ポイント1:卵と砂糖をよく混ぜる

卵の黄身と白身、砂糖をよく混ぜましょう。白身が残っていると生臭さを感じたり、飲む際に舌触りが悪くなってしまいます。卵が泡立つくらいしっかり混ぜるのがポイントです。

・ポイント2:酒の温度は50~60℃にする

日本酒の温度が高いうちに卵と混ぜると、卵と酒が混ざらずに分離してしまう原因になります。卵が固まり始める温度は約60℃。溶いた卵に酒を入れる際は、50~60℃がベストです。

アルコールを完全に飛ばしたくて一度沸騰させた場合は、酒の温度が下がってから卵と混ぜましょう。

・ポイント3:酒はゆっくり少しずつ入れる

分離せずにふわトロの卵酒に仕上げるために、酒はゆっくりと少しずつ注ぎ入れることが大切です。

基本的な卵酒の作り方や材料

卵酒を美味しく作るポイントを踏まえた上で、実際に卵酒を作っていきましょう。

材料

・卵… 1個
・日本酒… 200ml
・砂糖… 大さじ1~2(お好みの甘さで)

作り方

1、卵と砂糖をよく混ぜ合わせる

ボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えてよく混ぜます。

2、溶いた卵を濾す

溶いた卵は茶こしやザルで濾すと、ふわふわで口当たりが滑らかな卵酒に仕上がります。

3、日本酒を温める

鍋に日本酒を入れ、50~60℃くらいになるまで温めます。もし、アルコールを飛ばしたい場合は、沸騰させてから温度が下がるまで冷ましてください。

4、溶いた卵と日本酒を混ぜる

コップなどに、溶いた卵を入れ、そこに温めた日本酒を少しずつゆっくり混ぜ入れていきます。よくかき混ぜ、卵と日本酒が混ざれば完成です。

子どもでもOKな卵酒のレシピ

卵酒には日本酒が入っていますが、アルコールを飛ばせば、子どもでも飲むことができます。また牛乳やハチミツを入れるのもおすすめ。子どもにも飲みやすい卵酒になります。

材料

・日本酒… 150ml
・牛乳… 50ml
・卵… 1個
・砂糖… 大さじ1~2(お好みの甘さで)
・ハチミツ… お好みで

作り方

1、ボウルに卵を割り入れ、砂糖を入れてよく混ぜます。

2、溶き卵は茶こしか、ザルで濾しておきましょう。

3、牛乳は、耐熱容器に入れラップをかけて電子レンジで加熱。

4、日本酒は鍋に入れて沸騰させ、アルコールを飛ばします。

5、3と4が50~60℃になるまで冷まします。

6、マグカップなどに溶き卵を入れ、日本酒、牛乳、をゆっくり注ぎ入れ、最後にハチミツを入れて、よく混ぜれば完成です。

海外にも卵酒がある⁉︎

アルコールに卵を入れて飲む習慣があるのは日本だけではありません。欧米には「エッグノッグ」「ボンバディーノ」という卵酒に似たホットドリンクがあります。

エッグノッグ

エッグノッグとは鶏卵に牛乳やクリーム、砂糖、ブランデーやラム酒などを入れて作られるカクテル。冷たくしても飲まれますが、多くはクリスマスなどの寒い時期にホットカクテルとして飲まれています。

ボンバディーノ

ボンバディーノとは、北イタリアのスキーリゾートで飲まれているホットカクテルです。卵のリキュールである「アドヴォカート」を温め、そこにラム酒やブランデーを入れ、ホイップしたクリームをのせて作られます。デザート感覚で楽しむホットカクテルです。

卵酒のアレンジレシピ

いつもの卵酒と少し味を変えたいときにおすすめ、卵酒のアレンジレシピをチェックしていきましょう。

しょうが入り卵酒

【材料(卵1個分)】

・日本酒… 150~200ml
・黒糖または三温糖(砂糖でもOK)… 大さじ1~2(お好みの甘さで)
・卵… 1個
・しょうがのすりおろし… 小さじ1~2(お好みで)

【作り方】

1、ボウルに卵を割り入れ、黒糖または三温糖などを加えて、よくかき混ぜます。

2、日本酒は鍋に入れて加熱します。

3、1に適温まで冷ました日本酒をゆっくり入れながら混ぜます。

4、3を鍋に移し、しょうがのすりおろしを加えます。

5、常に混ぜながら弱火で2~3分煮たら完成です。

甘酒で作る卵酒

【材料(卵1個分)】

・甘酒… 150~200ml
・卵… 1個

【作り方】

1、卵はよく溶きほぐし、茶こしで濾しておきます。

2、耐熱容器に甘酒を入れ、電子レンジで加熱。

3、甘酒が程よく冷めたら、溶いた卵に少しずつ加えながら混ぜます。

4、全体によく混ざったら完成です。

昔からあるホットドリンク卵酒

風邪のひきはじめや、寒い季節は温かい飲み物が飲みたくなります。そんなときにおすすめの卵酒。アルコールの種類を変えたり、しょうがを加えるなど、楽しみ方は様々です。ほんのり甘く、どこか懐かしい味が心も体もポカポカ温めてくれるでしょう。

この冬を暖かく乗り越えるホットドリンクとして、ぜひ卵酒をお試しください。

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

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