お風呂映画『湯道』の上映時間は、“フロ”とかけて2時間6分!
生田さんが「いかがでしたでしょうか」と上映後の会場に語りかけると、大きな拍手が上がったこの日。生田さんは「ありがとうございます」と喜びをかみしめ、「風呂好きの皆さんにはたまらない映画ができたと思っております」とコメント。「皆さんの“ひとっ風呂”浴びたような、さわやかな笑顔を見ることができてすごく幸せです」と笑顔を見せました。劇中で生田さんと兄弟役を演じた濱田さんは、「斗真さんと僕の兄弟設定の違和感は、洗い流せたでしょうか」と質問。拍手を浴びながら、「よかった。ホッとしました」と安堵の表情を浮かべていました。
「最近、本当に寒いので」と切り出した橋本さんは、「映画を観てホッとして、お風呂に浸かったような高揚感を抱いていただければ」とアピール。企画・脚本を担った小山さんは、「皆さんにお願いしたいんですが、“追い焚き”をぜひよろしくお願いします。少し先にはおそらくブルーレイが出ますので、その時は“かけ流し”をお願いします」と話すなど、それぞれがお風呂とうまくかけたコメントをお見舞い。
小山さんは「監督にずっと聞きたかったことがある。上映時間、2時間6分というのは、風呂を意識したんですか?」と上映時間が“フロ”とかかっていることが気になっているという。鈴木監督は「やっと気づいてくれる人がいた」と口火を切り、「そういうことにしておいてください」と奇跡的なことが起きたとニヤリとしていました。
またステージでは、お風呂の映画にちなみ、それぞれが今“沸く”こと“沸いた”こととして、お気に入りやマイブームを発表しました。生田さんは「お茶場に沸く」そうで、「撮影現場によくあるんですが、ワゴンみたいなのものにフリーで食べていいチョコとかおせんべいとか、飲んでいいコーヒーとかがある。そのお茶場が充実していると、ものすごく(気持ちが)沸く」と撮影の合間のおやつが、心躍る瞬間なのだとか。
橋本さんは、「海外旅行に沸く」と回答。「1月にカナダにいった。オーロラを見に行くという、ロケに行かせていただいた。マイナス30度くらいで、めちゃくちゃ寒くて。まつ毛も凍ってしまうくらいの寒さだった。肌も霜焼けになっちゃう。でも久しぶりに海外旅行に行けて、すごく楽しかった」と振り返りながら、「芯まで冷えていたので、その後のお風呂が最高に気持ちよかった。オーロラを見に行って、カナダで朝方にお風呂に浸かる、というのがすごく幸せだった」とニッコリ。
さらにカナダのお風呂事情を聞かれると、橋本さんは「泊まったホテルの浴槽が浅くて。多分、私以外は入れないんじゃないかなって思うくらい。首元ギリギリまで浸かりたいんですが、浅すぎて横向きになるくらいだった」と告白。生田さんや濱田さんから「それ本当にバスタブなの!?」とツッコまれ、橋本さんは「バスタブじゃなかったらどうしよう!」と大笑いしていました。
生田斗真、追い焚きのお願い「一緒にお風呂に入るとその人のことをもっと好きになる」
笑いにあふれた時間となった、初日舞台挨拶。最後に生田さんは、「本日はどうもありがとうございました」と改めて観客に感謝。
「一度と言わずに、二度三度、この映画を“追い焚き”してほしいなと思っております。ご家族、お友だち、恋人、たくさんの方々とご覧になってほしい。一緒にお湯に浸かると、その人のことをもっと好きになったり、もっと深く知れたような気持ちになるのが、お風呂の魅力だと思います。皆さんも、今日のお風呂がより気持ちよくなることを祈っております」と願い、大きな拍手を浴びていました。
『湯道』作品概要
第81回米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』(08)の脚本を手掛けた小山薫堂の完全オリジナル脚本を、生田斗真をはじめとする豪華キャストを迎えて映画化したエンターテイメント作品。亡き父が遺した銭湯「まるきん温泉」を継いだ弟の悟朗(濱田岳)が入院したため、数日間店主を務めることになった兄・史朗(生田斗真)の奮闘と、銭湯を訪れる人々との悲喜こもごもが描かれていきます。
取材・文・撮影/成田おり枝