【小児科医監修】子どもの乗りもの酔いは何歳から?原因やすぐできる3つの対策を解説

もうすぐ行楽シーズン。車やバスなどで家族でおでかけの機会も増えるはず。そんなときに気になるのが子どもの乗りもの酔い。酔いやすい子どもは長時間の移動が困難だったりして、心配です。小児科医の金井正樹先生に、原因や対処法について伺いました。

Q:電車は大丈夫なのに、バスに乗せると、娘はすぐに酔ってしまいます。乗りもの酔いを防ぐ方法はありますか?

子どもの乗り物酔いが起こりやすい年齢は?

乗りもの酔いは、平衡感覚などの異常によって起こるもので、「動揺病」と言われます。脳の発達が進む2〜3歳頃から起こる可能性があり、12歳ぐらいまでの子どもに多く見られます。

乗りもの酔いの原因は?

A:平衡感覚に異常が起こってしまう

私たちが姿勢を保ったり、バランスをとりながら体を動かしたりする際に働いているのが「平衡感覚」です。平衡感覚は、耳の奥にある三半規管が感知する動きと、目からの情報が小脳で整理されることによって保たれています。乗りものの動きや揺れは、歩いたり走ったりするときとは大きく違うもの。そのため、情報が混乱し、平衡感覚に異常が起こってしまうのです。

乗りもの酔いの症状

胃のむかつき、吐き気、冷や汗など

平衡感覚が乱れると、自律神経(呼吸やさまざまな内臓の働きなど、生きていくために必要な機能を調節している神経)のバランスがくずれるため、さまざまな症状が現れます。多く見られるのは、胃のむかつきや吐き気、めまい、冷や汗などです。

乗りもの酔い予防に有効な3つの対策

乗りもの酔いをするかどうか、また、酔ったときの症状には個人差がありますが、予防には次のようなことが有効だと考えられています。

①体調管理

満腹、空腹時の乗車を避けること。外出の前日は十分な睡眠をとりましょう。

②におい対策

「におい」は、酔いを引き起こす原因のひとつです。可能なら窓を開けて換気をしましょう。自家用車の場合は、こまめに掃除をしてにおいの元を車内に残さないことも大切。香りの強い芳香剤なども避けたほうがよいでしょう。

③ 座る場所

バスの場合は、タイヤの上など揺れが伝わりやすい座席を避けます。また、車内の様子しか見えない後方や通路側の座席より、進行方向の景色がよく見える座席がおすすめです。これは、目から入る情報と体が感じる「前へ進む動き」が一致しやすいほうが酔いにくくなるためです。同じ理由で、ボックス席の列車の場合は、進行方向に顔を向ける側に座るほうがよいでしょう。

 

乗りもの酔いには、メンタルも関係しているの?

乗り物酔いの記憶で似た症状が出やすくなります

一度乗りもの酔いをすると、そのときの記憶のために、似た状況で症状が出やすくなります。また、乗りもの酔いを繰り返すことで、「バスに乗ると気持ち悪くなる」などと不安になることもよく
ありません。楽しい会話をしたり、一緒に景色を眺めたりするなど、子どもの気を紛らせる工夫をすることも予防対策として有効です。ただし、動く車内で手元や画面を見つめる読書やゲーム、テレビ視聴などは逆効果になりがちなので避けましょう。

乗りもの酔いをしてしまった時の対処法

A:下車や、酔い止めの薬の服用など

できれば、いったん乗りものを降ります。衣服を緩めて水分補給をし、少し休んで(可能なら横になる)、症状が治まるのを待ちます。降りられない場合は、衣服を緩めてできるだけ楽な姿勢をとり、遠くの景色を眺めましょう。

酔い止めの市販薬には、3歳から服用できるものもあります。対象年齢や用量、服用のタイミングなどを確認したうえで、使用してもよいでしょう。

 

 

金井正樹先生

東京都八王子市・金井内科医院院長
「国立小児病院」、米国の小児病院などで小児外科の臨床・研究を行い、2008 年より現職。診療科目は内科、小児科、小児外科、外科。保育園の園医、小・中学校の校医も務める。

 

 

イラスト/小泉直子 構成/野口久美子 出典/『めばえ』2019年5月号

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