心理カウンセラーが指南!横のつながりが苦手な「一人っ子」や「年齢差きょうだい」におすすめの習い事は?

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一人っ子や、年齢差のあるきょうだいの子どもは、「横のつながり」が苦手になりやすいようです。心理カウンセラーの根本裕幸先生に、子育てのポイントをうかがいました。おすすめの習い事や、親の接し方について知っておきましょう。

きょうだいがいても「一人っ子」のマインドになるケースがある

最近は一人っ子の家庭も多いですが、少し前までは一人っ子の数が少なく「一人っ子はわがまま」「一人っ子は何でも好きなものを買ってもらえるから、がまんができない」など偏見を持って見られることもありました。実際一人っ子の心理パターンにはどんなものがあるのでしょうか。

『兄弟姉妹の心理学』の著者である心理カウンセラーの根本裕幸先生によると、実はきょうだいがいても年齢差がある場合は、それぞれが一人っ子のようなマインドを持ちやすいそう。そこで今回は、一人っ子や年齢差のあるきょうだいの心理と、それを踏まえた子育てのポイントをうかがいました。
※2 人以上の兄弟姉妹で、特に性別を限定しない場合は「きょうだい」と表記しています。

大人の緊張感が常に向かっている!? 一人っ子の心理と子育てのポイント

一人っ子の子育ては「初めて」の連続

根本さん:一人っ子に限ったことではありませんが、第一子というのは、親にとって初めての子育てであり、常に緊張感を向けられて育ちます。親にとってはミルクをあげたり、おむつを替えたりするのも初めてのことですし、「どこの幼稚園に入れようか」「どんなランドセルを買おうか」と、常に間違いがないように慎重に行動をするものです。(下の子は、上の子と同じ幼稚園や、同じメーカーのランドセルになりがちですね)。

第一子として育った子も、第二子が誕生すると両親の目の向けられ方が変わりますが、一人っ子の場合は、親の意識が100%注がれている状況が続いていきます。そのため、一人っ子は緊張しやすかったり、慎重だったり、神経質になる傾向があります。親の期待に応えようと優等生になりやすいのも一人っ子の特徴ですが、お世話をされすぎてのんびりした性格になることもあります。

チームスポーツやグループの習い事で経験を増やすのがおすすめ

根本さん:子どもの頃から常に大人に囲まれて育つため、どうしても「横のつながり」が苦手なのが一人っ子です。大人になっても年上の人といる方がしっくりくるという人も多いのではないでしょうか。わざと和を乱しているわけではないのですが、チームで力を合わせて何かを作り上げるということよりも、一人でコツコツ積み上げる方が得意な場合も。ただ、そんな自分のことも冷静に自覚していてコンプレックスを感じている人もいます。幼いうちから、チームスポーツやグループで行う習い事をしたり、ご近所の同世代の友だちと遊ぶ機会を増やすと、自然に横のつながりを経験できるようになるでしょう。

一人っ子のママはきょうだいのいるママと比べると、子どもを通した人付き合いの頻度が少なく、孤立しやすい面もあります。できる範囲で外に出てママどうしの交流も深められるとよいと思います。

親が子どもと目線を合わせることが大切

根本さん:家庭内で「大人2人と、子どもひとり」という状況になると、大人どうしの会話に子どもが入れず疎外感を感じることも。親子の会話もつい、「話を聞いてあげる」「教えてあげる」という形になりがちですが、ちゃんと子どもと目線を合わせて会話をする時間を作ってあげてください。

また、子どもと遊ぶときも、「大人が付き合ってあげる」のではなく、子どもと対等に遊ぶ気持ちで接するとよいと思います。小学生くらいになるとゲームは子どもの方が上手かったりするので、一緒に楽しめるのではないでしょうか。

年の離れたきょうだいは、それぞれが「一人っ子」になりやすい

年齢が離れていると、ライバル意識は芽生えにくい

根本さん:きょうだいの年齢差がある場合は、お互いに一人っ子のようなマインドになりやすいのが特徴。同性のきょうだいでは特に、目に見えなくてもライバル意識を持ちやすいものですが、5つ以上離れると”世代”が変わるため、上の子が下の子にやきもちをやくということもあまりありません。親も余裕を持って子育てができるのが年齢差のあるきょうだいのよいところです。ただ、下の子はいつまでも子ども扱いされて、「自分は何もできない存在」だと自信を持ちづらくなることも。かわいい「弟」や「妹」としてだけではなく、その子の個性を見てあげるようにしましょう。

下の子の子育ての方針は、上の子も含めて共有する

年齢差のあるきょうだいの場合、自然と上の子が下の子のお世話をする場面も多くなります。ですが、下の子からすると、「パパ・ママ・姉(兄)」といわば上司が3人いるような状態になっています。それは良いのですが、3人の言っていることがバラバラだと当然下の子は混乱します。夫婦で子育ての方針を話す際は、上の子も交えるようにしてみてください。

また、年齢差があるきょうだいの場合、上の子に受験など大きなイベントがあると、親もそれに引き込まれ、心理的に下の子が取り残されやすい状況になりがちです。上の子が中学生、下の子が小学生のようなケースの場合、親がチャンネルをちゃんと切り替えて接してあげることが大切です。

子どもの心理を知って、子育てに役立てよう

今回は一人っ子や、年齢差の大きいきょうだいの心理についてうかがいました。もちろん子どもによって、家庭の状況によって違いは大いにありますが、傾向を知っておくだけでも子どもの行動を理解する助けとなり、声かけのポイントがわかってくるのではないでしょうか。

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兄弟姉妹の心理学

お話をうかがったのは

根本裕幸|心理カウンセラー
1997年より神戸メンタルサービス代表・平準司氏に師事。2000年、プロカウンセラーとしてデビュー。以来、述べ15000本以上のカウンセリングをこなす。2001年、カウンセリングサービス設立に寄与。以来、14年間企画・運営に従事。2003年から年間100本以上の講座やセミナーをこなす。2015年3月独立。フリーのカウンセラー/講師/作家として活動を始める。ベストセラーになった「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)、『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)、『いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本』(ディスカバー21)をはじめ、著書多数。
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文・構成/平丸真梨子

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