【生き物絵本】子どもが大好きなダンゴムシもアリも絵本で極める!|絵本専門士がセレクト

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春になってあたたかくなると、道端には色とりどりの花が咲き、生き物がたくさん出てきて、子どもとのお散歩も楽しみになってきます。小さな子たちにとっては、毎日が発見の連続。ぜひ絵本でいろいろな生き物のお話を聞かせてあげてください。春のお散歩が楽しくなる生き物絵本をご紹介します。

年上のお兄ちゃんとの道草は楽しい!

『みちくさしようよ!』

作:はたこうしろう/奥山英治
ほるぷ出版
<5歳から>

子どもにとっては、寄り道するだけで発見がいっぱい! 楽しい道草の絵本を紹介します。学校の帰り道、お兄ちゃんと一緒に道草。お兄ちゃんは、カタツムリやアリを見つけては習性を利用しちょっとした実験をしたり、花のミツの吸い方や葉っぱの飛行機の作り方を教えてくれます実際にやってみたくなるものばかりで、それぞれのページに解説が添えられているのも嬉しいです。
とっても楽しい二人の道草を通して、生き物に限らず自然との触れ合いを楽しめる絵本。道端には、ワクワクすることがたくさん!
たまには、時間を気にせず、上手に自然遊びを楽しんで、お兄ちゃんのような遊びの名人になってみるのもですね

散歩道で出会う春の虫とごあいさつ

くさはらこみちでおさきにどうぞ

作:稲垣あきら
福音館書店
<3歳から>

 子どもとお散歩していると、見つけたアリの行列に立ち止まり、なかなか次にはいけないなんてこともありますね。まさにこの絵本では、くさはらこみちに咲いている草花の脇から、いろいろな生き物が現れます。そんなとき「お先にどうぞ」と譲ってあげる男の子。次々と現れる春の虫たちみんなに「お先にどうぞ」と声をかけます。春らしい色の草花や虫たちの絵は、外に出てお散歩したくなります。忙しい毎日ですが、虫たちとおはなししながら「お先にどうぞ」と言える、ゆっくりのんびりのお散歩を楽しみたいですね。

※2023年5月24日(水)~30日(火)神保町のブックハウスカフェ 「ギャラリーこまどり」にて原画展・絵本販売あり

身近な生き物の代表格・ダンゴムシを観察!

だんごむしのおうち

文:澤口たまみ
絵:たしろちさと
福音館書店
<3歳から>

「ねえねえ、みてみて!」と開いた手の中にはたくさんのダンゴムシ。この絵本のメインは一番身近な生き物、ダンゴムシです。我が家でも子どものポケットから、筆箱から、と思わぬところで遭遇し驚かされたものです。地面にまあるくサークルを描いたらダンゴムシのおうちのできあがり。じっとしていないダンゴムシはあちこちから抜け出しますが、手で通せんぼ。絵本でダンゴムシの生態を知ると、もっと興味が湧いてきます。「本物」が苦手なお母さんも、絵の中のダンゴムシを触ったり通せんぼしたりして、一緒に楽しんでみるのはいかがでしょうか

リアルなアリの生態にビックリ!

アリのたんけん

作:栗林慧
小学館
<3歳から>

大人より低い位置で世界をみている子どもたちは、アリを発見するのが得意ですさらに目線の低い「アリ」の世界はどんな感じでしょう? この絵本は、昆虫写真家・栗林慧さんによる直径1cmのカメラを使った、アリの目線で撮影された写真絵本です。どの写真も間近で撮影されていて、花の蜜を吸うチョウの細長い口やカマキリのカマのトゲトゲもはっきりと見ることができます。動いている実際の虫ではこうはいきませんが、これこそ絵本ならではの楽しみ方
大迫力の写真で想像力を働かせてアリになった気持ちで探検してみましょう。巻末には「この本に出てきた虫ずかん」があり、虫のことや実際の体の長さを知ることができます。

田んぼの中にも生き物の世界が広がっている

たんぼレストラン

作:はやしますみ
ひかりのくに
<5歳から>

になり、田んぼの土が掘り起こされ、冬眠から目覚める生き物たち。田んぼの中にはたくさんの生き物が眠っていました。稲が育ってお米ができるだけが田んぼの一年ではありません。田んぼの中のもう一つのお話が描かれた絵本を紹介します。田んぼから掘り起こされたミミズを鳥が食べ、夏には大きな魚が小さな魚をパク。秋は実ったお米をスズメがついばむ。見開きいっぱいに描かれたダイナミックで表情豊かな生き物のイラストで、身近に田んぼがなくても絵本を通して四季の移り変わりと食べる・食べられる関係があることを知ることができます。見返しには70種類の生き物が描かれています。子どもと一緒に、知っている生き物を探してみてくださいね。


身近な虫から知る「つながる命」

『いのちはめぐる』

文:嶋田泰子
絵:佐藤真紀子
童心社
<5歳から>

低年齢向けでありながら、生き物の食物連鎖を描いた絵本です。アリから始まり、地上だけでなく海の生き物までつながる命。親子で、次は何がでてくるか当てっこして読むのも楽しそう。短くやさしい文章でわかりやすいので、絵本を通して「生き延びるための工夫」や「食べたり食べられたりするつながり」を知ることができます。春のお散歩で見つけた生き物。少し周りをみてみると、他にも違う生き物がいることに気づくと思います。命はめぐっていることを知るきっかけになってくれたら嬉しいです。

大好きな生き物、否定しないでね

虫ガール ほんとうにあったおはなし

文:ソフィア・スペンサー/マーガレット・マクナマラ
絵:ケラスコエット
訳:福本友美子
岩崎書店
<5歳から>

最後は、ちょっと違った方面から虫好きの女の子が主人公の絵本を紹介します。小さい頃から虫に夢中のソフィア。たくさん本を読んで、虫のことに詳しくなって「虫クラブ」を結成。みんなで虫を捕まえたり観察していましたが、一年生になると何もかも変わってしまい、「虫が好きなんて変」と言われます。大好きなことを否定され、悲しい気持ちになってしまうこと、ときにはありますよね。そんなときにソフィアの一番の味方になってくれたのはママ。素敵なアイデアで「虫が好きでもいい」と気持ちを取り戻せたこのお話は、本当にあったおはなしです。もちろん虫嫌いなパパママもたくさんいると思いますが、子どもが好きなことに突き進むときは、ぜひ支えになってあげたいものです。

回の絵本をおすすめした絵本専門士

今野美紀(司書)

都内の公共図書館で児童サービスを担当する傍ら、特別支援学校や高等学校の図書室にも勤務。絵本を真ん中に、子どもだけでなく大人も一緒に楽しい時間を持てるよう、休日には近隣カフェにてわらべうたを取り入れたおはなし会や読み聞かせ、ワークショップを開催しています。一男二女の母。

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構成/日下淳子

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