アーティストの手にかかれば文具も芸術品に!
日本橋髙島屋で開催されている「知られざる文具アートの世界」展。子どもの頃から、みんなが一度は使ったことがある文具が22名の新進気鋭のアーティストたちによって、アート作品に生まれ変わった様子を目の当たりにできます。開催初日、展覧会の様子をレポートします!
展覧会のアンバサダーは、芸人・俳優であり自身も粘土作品などのアート作品を発表している片桐仁さん。展覧会で一番最初にお目見えするのは、いろいろな素材を使って展覧会タイトルを仕上げた作品。圧倒的存在感です。
新聞紙×ガムテープアーティストの関口光太郎さん、色鉛筆画家の三上詩絵さん、黒板アート作家のすずきらなさん、段ボール女子の大野萌菜美さん、現代アーティストの新聞女さんなど、22名のアーティスト、160点の作品が並びます。
「どうやって作ったの?」「こんな表現方法があるなんて!」と、近くで見ると驚くものがたくさんあります。
身近な消耗品だって、アイデア次第でいろいろな形になる
身近なアイテムを使っているのに、アッと驚く作品がいっぱい。どれもお子さんの「作ってみたい!」という意欲をかきたてること間違いなしです。
輪ゴムで、こんなにすごいアートが完成
こちらは、輪ゴムで編み上げた服の作品です。アーティスト(material researcher)のSAKAMOTO ENTERTAINMENTさんが、生地やフリンジまですべて伸縮自在に変化する輪ゴムを使って制作しました。機能性や希少性が重視される現代に、誰も気づかない性質を模索してアートにしたいと考えたそう。
セロハンテープがこんなにぴかぴかに
セロテープアート®作家の瀬畑亮さんは、幼少期にセロハンテープを丸めたときに「形になったものが壊れない」という発見をしてから、セロハンテープを使った作品を極めるまでに至ったといいます。3D プリンターでもなく、セロハンテープで作り込まれた躍動感ある馬は、ぴかぴか輝いています。
身近なマステが超大作に!
マスキングテープアーティストの船原七彩さんは、世界的名画をマスキングテープで模写して作品に仕上げました。これがマスキングテープで?と近づいて見ると驚きます。「富嶽三十六景」の文字やゆらめく雲の様子もはっきりとわかりますね。
作品は失敗や努力の積み重ねで成り立っている
取材当日、現地で制作の実演がありました。作家さんの制作工程は驚きの連続で目が離せませんでした。
丸いシールだけで出来上がるアートは想像力無限大!
実演をしてくれたのは、現代美術家の大村雪乃さん。丸シールだけを使って、点描感覚で絵を仕上げていきます。さまざまなサイズのシールを、ピンセットを使いながらセット。「絵具などの画材を使うのはわかりやすいけれど、終わりが見えるもの。コンセプトを練っておもしろいアイデアを考えるのが好きなんです。身近にある丸シールで、表現することに向き合うおもしろさを感じてほしいです」と大村さん。ノートルダム寺院のステンドグラスをモチーフにした作品は、遠くから見ても光を感じさせるような美しさでした。
鉛筆彫刻家の超絶技巧に脱帽
鉛筆彫刻家のシロイさんも、鉛筆の芯に彫刻していく超絶技巧を見せてくれました。顕微鏡をのぞきながら、プラモデル用の道具や裁縫用の針、化粧刷毛などを駆使して、細かい細工をほどこしています。同じ展覧会に出展している山崎利幸さんの作品に衝撃を受けて、鉛筆彫刻を始めたそう。
挑戦してみたい!という小学生にアドバイスをお願いしたら「最初はガタガタになったり、少しの衝撃でも折れたりします。でも失敗を怖がらないでほしいです。折れるのは当たり前。少しずつ少しずつ上達していくものなので、どんどん失敗して挑戦していってほしいです」と答えてくれました。
絵を描いたり、工作したりすることが大好きなお子さんたちにも、きっと刺激を与えてくれる展覧会です。身近な素材からアートになるアイデアがいっぱい! GWはぜひ、日本橋高島屋で文具アートのすばらしさを目の当たりにしてみてください。夏休み後半の8/9~21は、横浜高島屋にも巡回予定です。
「知られざる文具アートの世界」展
会期:2023年4月26日(水)~2023年5月8日(月)
会場:日本橋髙島屋 S.C.本館 8 階催会場
開館:10:30-19:00(19:30閉場)
※最終日5月8日(月)は17:30まで(18:00閉場)
入場:一般1,000円/大学・高校生800円/中学生以下無料
https://clk.nxlk.jp/m/4eo1z2bID
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文・構成/日下淳子