中生代とは。恐竜が繁栄した時代区分、年代別の生物、恐竜絶滅の原因を解説 

中生代は、恐竜が栄えた時代として知られています。子どもが興味を持ったのをきっかけに、恐竜の図鑑を読んだり博物館へ化石を見に出かけたりする人も多いでしょう。中生代に存在した代表的な生物や、恐竜絶滅の原因を分かりやすく解説します。

中生代とはいつの時代を指す?

中生代とは、いつの時代を指すのでしょうか。具体的な年代と、中生代に起きたできごとを見ていきましょう。

古生代と新生代の中間の時代

中生代は、地質年代の大区分の一つです。地質年代とは約46億年の地球の歴史を区分したもので、中生代は古生代と新生代の間にあります。

具体的な年代は諸説ありますが、およそ2億5,100万〜6,550万年前の期間を指しています。なお、地質年代におけるもっとも新しい区分は新生代です。もちろん現代も、新生代に含まれると覚えておきましょう。

中生代はさらに、三畳紀(さんじょうき)・ジュラ紀・白亜紀(はくあき)に分かれています。三畳紀の中頃から白亜紀にかけて恐竜が大いに繁栄したことから、中生代は恐竜の時代とも呼ばれています。

Masaqui – Original file:Earth Calendar.jpg, data source: International Chronostratigraphic Chart v2013/01, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=31628342より

大陸が移動し大西洋などが誕生

現在地球上に存在する大陸は、古生代の「パンゲア」が分裂したものと考えられています。パンゲアとは、ドイツの気象学者ウェゲナーが「大陸移動説」を提唱する際に、古生代の地球にあったと想定した大きな大陸のことです。

ウェゲナーは古生代生物の化石分布や、南アメリカ大陸とアフリカ大陸の海岸線が似ていることなどから、現在の大陸は中生代にパンゲアが分裂・移動してできたと結論づけました。

大陸の分裂・移動によって海も分断され、大西洋やインド洋などが誕生したといいます。

「年代別」中生代の代表的な生物

中生代には恐竜の他にも、さまざまな生物が出現しました。年代別の特徴と、代表的な生物を紹介します。

三畳紀

古生代ペルム紀の終わり頃、「大絶滅」と呼ばれる地球上の生物のほとんどが絶滅するできごとがありました。しかし三畳紀に入ると、大絶滅を生きのびた種から新しい生物が現れます。

地上では古生代の植物に代わり、針葉樹類イチョウ類ソテツ類が繁茂します。無脊椎動物では、絶滅した三葉虫などに代わってアンモナイトの姿が目立つようになりました。

アンモナイトの化石

脊椎動物では、は虫類から恐竜が誕生します。さらに、は虫類は活躍の場を海や空へと広げます。まず水中で活動できる魚竜が現れ、後半には飛行能力を身に付けた翼が現れました。

三畳紀の恐竜の一部

人間の祖先である哺乳類も、三畳紀に出現しています。今のところ最古の哺乳類は、ネズミのような見た目の「アデロバシレウス」と考えられています。大きなくちばしがかわいい「カモノハシ」も、三畳紀に出現した哺乳類の仲間です。

カモノハシ

ジュラ紀

ジュラ紀の特徴は、恐竜の多様化や大型化にあります。ジュラ紀の後期には竜脚類と呼ばれる大きな草食恐竜が地上をのし歩き、彼らを捕食する肉食恐竜も大型化を遂げています。

ブラキオサウルスステゴサウルスは、大型化した草食恐竜の代表的な存在です。鳥類の祖先、始祖鳥もジュラ紀に登場した生物です。

海の中ではイルカに似た魚竜首長竜、サメ・エイ・アンモナイト・エビなどが栄えました。なおジュラ紀の名前は、フランスとスイスの国境にある「ジュラ山脈」が由来となっています。

白亜紀

白亜紀の「白亜」とは、石灰岩の一種・チョークの日本語です。この時代のヨーロッパの地層にチョークがよく見られることから、白亜紀と名付けられました。

白亜紀には、恐竜がさらに多様化を遂げます。草食恐竜ではトリケラトプスパラサウロロフス、肉食恐竜ではティラノサウルスなどが出現しました。

海中ではヤドカリが進化し、アンモナイトもさまざまな種類が生まれています。また白亜紀には、花をつける被子植物が初めて現れました。シュロ・ポプラ・モクレン・ハスなどは、白亜紀に出現して現在まで生き残っている被子植物です。

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中生代に起きた生物の絶滅とは

中生代の生物の多くは絶滅しており、その姿は発掘された化石からイメージするしかありません。中生代に起こった絶滅の様子と、その原因について解説します。

白亜紀末に恐竜が絶滅

今からおよそ6,600万年前の白亜紀の終わり頃、約1億6,000万年にわたって栄えた恐竜はほぼ絶滅してしまいます。アンモナイトなど恐竜以外の生物も、同じ時期に絶滅しました。恐竜の中で、唯一生きのびたのが鳥類のグループです。

現在の鳥類は、羽毛を持つ恐竜から進化したと考えられています。近年は鳥類とは関連のない種類にも、羽毛を持つものがいたことが分かっています。

実際には、もっと多くの恐竜が羽毛を持っていた可能性も指摘されており、映画や本での恐竜の描写も以前とは変わりつつあるようです。

絶滅の原因は隕石の衝突説が有力

恐竜が絶滅した原因としてもっとも有力な説は、隕石の衝突がきっかけになったというものです。1980年、物理学者のアルバレス親子が中生代と新生代の境界の地層に、「イリジウム」が多く含まれていることを発見します。

イリジウムは地球にはほとんど存在せず、宇宙からもたらされる物質です。またメキシコのユカタン半島では、当時のものと推測される巨大なクレーターの痕跡が見つかっています。隕石の衝突が当時の生物の絶滅に少なからず関与したことは、間違いないといえるでしょう。

衝突がもたらした衝撃波により、各所で火災や津波が発生し、また空が大量の塵で覆われ太陽の光が遮られたと考えられます。暗く寒い時代が続いたため、寒さに弱い生物は死に絶え、光合成をする植物も激減します。

そのため草食恐竜が生きていけなくなり、やがて草食恐竜を捕食していた肉食恐竜も死に絶えてしまったのです。なお鳥類だけが生き残ったのは、暖かな羽毛や飛行能力のおかげと考えられています。

恐竜の時代といわれた中生代

中生代に地球を支配していた恐竜は白亜紀の末期に絶滅し、わずかに生き残った哺乳類やワニ・トカゲなどのは虫類、鳥類などが、次の時代の主役となります。もし恐竜が絶滅しなければ、現在のような人類の発展はなかったかもしれません。

歴史に「もし」はありませんが、恐竜が闊歩する世界を子どもと一緒にイメージしてみるのも面白いかもしれません。

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構成・文/HugKum編集部

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