「すだれ」と「よしず」は何が違う? 暑さをしのぐ効果的な使用法、モダンな洋風デザインにも注目

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「すだれ」「よしず」という名前はよく聞くけれど何が違うの? と思っている人は多いでしょう。どちらも日本家屋を彩る夏の風物で、暑さをしのぐための知恵が凝縮されています。すだれ・よしずの違いや効果的な使用法、おすすめ商品までご紹介します。

「すだれ」と「よしず」の違い

簡単にいうと、すだれは吊るして使うものよしずは立て掛けて使うものです。どちらも自然の風を通しながら、暑さを緩和させる効果があります。

すだれは吊るして使う

吊るして使うすだれ。

すだれの素材は細かく割いた竹で、糸で連ねて同じ長さに切って整えます。主に窓の内側に取り付けて使用しますが、外側に付けても効果的です。

すだれは日本では大昔から使われており、万葉集にもすだれの記述が登場します。平安時代の絵巻物などで見られる御簾(みす)は、すだれのことです。

清少納言の「枕草子」にも、中国の詩人・白居易(はっきょい)の詩を引用した有名な一節があります。

「香炉法(こうろほう)の雪はすだれをかかげてみる」

夏のエピソードではありませんが、宮中でもすだれが使われていたことが分かります。

よしずは立て掛けて使う

立て掛けて使うよしず。

よしずは葦(よし・あし)というイネ科の植物が材料です。葦の茎(くき)が縦になるように、窓や軒先に立て掛けて使用します。海の家や屋台などでよく使われているので、見たことのある人も多いでしょう。

葦は竹よりも柔らかく、壁に立て掛けておくと適度にしなるので、雨風にさらされても傷みにくいのです。葦で作ったすだれなので「よしず」といい、ときには「よしすだれ」と呼ばれることもあります。

すだれ・よしずに共通する効果とは

すだれ・よしずはどちらも、風を通しながらも直射日光を遮るという効果があります。風が通るので、すだれ・よしずの内側は気温が下がりやすくなるのです。

窓の内側にブラインドなどを取り付けるよりも冷却効果があります。ブラインドは風を通しにくく、風が強い日には壁や窓枠にぶつかるため、窓を閉めなくてはなりません。布のカーテンも風が吹くとあおられるので、日差しを遮る効果をあまり期待できないでしょう。

その点、すだれ・よしずは風を通しつつ、日差しを遮るので、気温を下げる効果が高いのです。

すだれ・よしずの効果的な使用法

すだれ・よしずは和風建築だけで使われるわけではありません。すだれ・よしずを現代の家屋で効果的に使う方法を見てみましょう。

すだれは窓の外でも室内でも使える

すだれは主に室内で使用しますが、すだれを窓の外に取り付けると、より効果的に室内の温度を下げることができます。すだれ自体の放射熱が外気に放出されるからです。

すだれを室内に取り付けた場合は目隠しの役目も果たすので、カーテンの代わりとしても機能します。必要がないときは、巻き上げておけば室内は明るくなります。また、屋外と異なり風雨で傷む心配もありません。

すだれの使い方として、もう一つ効果的な方法があります。すだれをエアコンの室外機に立て掛けるように設置して、室外機の熱を下げる方法です。室外機の熱が下がるとエアコンの冷却機能の効率も上がるので、暑さ対策として試してみましょう。

よしずは窓より一回り大きいものを使う

よしずは窓枠よりも一回り大きなものを使うのがポイントです。太陽は移動するので、日差しの向きが変わりますが、一回り大きなよしずを使用することで日差しを遮ることができます。

また、よしずと窓の間の空間を大きく採ることで、冷却機能がさらに上がります。外気と室内の空気との間によしずに遮られた緩衝空間ができるからです。霧吹きなどでよしずを濡らしておくと、打ち水と同様の気化熱効果でさらに涼しくなります。

よしずを設置する際は風に吹き飛ばされないように、軒先などにくくりつけるのを忘れないようにしましょう。

冷房器具と併用する

ここまでは、すだれ・よしずが天然の風を通すことを前提に解説しましたが、エアコンと併用しても効果があります。

窓を閉めてエアコンを使用する際に、すだれ・よしずで日光を遮ると冷却効果が高くなります。エアコンの設定温度を上げられるので、節電にも効果的です。例えば、それまではエアコンの設定温度を26℃に設定していたものを、28℃にしても涼しく感じられるという具合です。

エアコンを使わずに、扇風機と併用する方法もあります。自然の風と扇風機の風をうまく利用すれば、涼しい空間を維持できます。

エアコンの冷気に悩まされていた人にとっては、すだれ・よしずは冷房病を防ぐ手立てとしても役に立つでしょう。

天然素材以外のすだれ・よしずも便利

モダンな印象の洋風のたてす。(Amazonより)※記事内に購入リンクあり

天然素材のすだれ・よしずは、どうしても風雨で劣化してしまいます。傷みにくいプラスチック製や洋風のデザインの商品も出ているので、使用を検討してみましょう。

洋風たてすやプラスチック製よしず

天然の竹や葦でできたすだれ・よしずは自然に優しく、見た目にも涼し気ですが、天然素材以外のすだれ・よしずにもメリットがあります。

例えば、高密度ポリエチレンやアクリル製のアイテムなら、紫外線カット効果も期待できるでしょう。耐久性が高く、雨の日でも外に出しっ放してOKです。

取り付け用のロープや紐が商品に組み込まれているものが多く、別に用意する必要がありません。コンパクトに収納できるタイプを選べば、冬季に片付けるときにも便利です。

デザインやカラーバリエーションが豊富で、インテリアやエクステリアと合わせやすいのも魅力的です。

洋風たてす(ディノス)

立て掛けるだけで日差しを和らげ快適に。和にも洋にも合う色味で心地よく開放感あふれる空間になります。サイズは、高さ300cm、幅180cm。張り地高さは約270cm。

オーニングシェード(Candoy®︎)

遮熱、撥水、紫外線対策もできるシェード。玄関やベランダを快適にしてくれます。サイズ195×195。日本製。

目にも涼し気な「すだれ・よしず」を活用!

すだれ・よしずは同じようなものと思われがちですが、実は材料も使い方も別のものです。すだれは竹でできており、窓などに吊るして使うもので、よしずは葦でできており、窓や軒先に外から立て掛けて使います。

どちらも自然の風を通すので、涼し気な風情を作り出します。エアコンと併用すれば節電や冷房病の緩和にも効果を期待できるでしょう。

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文・構成/HugKum編集部

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