「エルマーのぼうけん」展を密着レポ!音も光もあるリアルな空間でドキドキの冒険をしよう!

子どもはもちろん、親世代も夢中になって読んだ児童書『エルマーのぼうけん』。日本で初めての展覧会が、7月15日から「PLAY! MUSEUM」で始まりました。展示コンセプトのひとつに「本当の冒険を体感してほしい」ということがあり、臨場感たっぷりの展覧会です。会場の様子をレポートします!

もう一度、シリーズ本を読み返してから行くのがオススメ

これまでも人気の作品や作家さんの展覧会を多く開催している「PLAY! MUSEUM」。今夏の「エルマーのぼうけん」展も、いろいろな視点から作品の魅力を感じさせてくれる展示です。

できれば展覧会に行く前に「エルマーのぼうけん」の児童書シリーズ本を改めて読んでおくと、より展示を楽しめます。一番有名なのが『エルマーのぼうけん』ですが、続編に『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』と続きます。エルマーがりゅうを助けるまで、りゅうを助けた後に家に帰るまで、また、りゅうが囚われてしまった家族たちを救うまでのお話がそれぞれ入っています。

この3冊のモチーフを使った展示が多いので「あのシーンを再現しているんだ!」とわかると、より感動を味わえます。

エルマーと一緒に冒険の旅に出よう

立川駅から歩いて8分、「PLAY! MUSEUM」のエントランスでは、大きなりゅうがお出迎え。ここで一緒に写真を撮ってから、入場しましょう! そして、ちゃんと「心の準備をして」入ります。

というのも、入口から「エルマーのぼうけん」が始まっているからです。少し暗めの通路に橋が架かっていて、モノクロの原画を拡大したパネルや物語で出会う動物たちがちりばめられています。

ジャングルに来たような動物の鳴き声を聞きながら進むと「この島にやってきたたんけんかは、ひとりも、いきてかえれないということを、しっとったかね?」というお話の文章が見えてきます…! 大丈夫、勇気をもってりゅうを助けにいきましょう。

わにの背中を踏むと・・・!?

さあ、ここからは、わにの背中を踏みながら、川を渡るシーンが再現されています。おもしろい場面ですが、実際に自分がわにと対峙すると、ドキドキしますね。実は踏むたびに、わにが「グウ」とか「ギャア」とか鳴くんです。本当に踏んだら、いつ口を開けるかわからないし、実は背中はゴツゴツしてバランスも取りにいし…と、冒険のハラハラ度合いが高まります。

この背中は踏むのにも勇気がいります

りゅうのはばたく音も!リアルな空間を体験して

エルマーがみかんを食べたあとの様子を再現

そして渡った先には、何かオレンジ色のものが床に…。よく見ると「みかんの皮」。ここから『エルマーとりゅう』の世界が始まります。りゅうを助け出したエルマーが、まずみかん島に降り立ち、みかんを19個食べるのです。なんともリアル。壁面には美しい原画が並びます。ひとつひとつは小さい絵ですが、とっても美しく見惚れてしまいます。

町を見下ろしながら、次の世界へ。バサッバサッと聞こえるのは、りゅうがはばたいている音。もし本当にりゅうに乗っていったらこんな音が聞こえるだろう、こんな風が吹くだろうと空間構成を考えながら作られています。

『エルマーと16ぴきのりゅう』からは、洞窟の中にりゅうの家族がいるシーンが再現されていました。とてもカラフルな模様を持つりゅうたち。正面のボタンを押すと、どこかの子にライトがあたって音が聞こえます。全部のりゅうにライトが当たると…? それは会場でのお楽しみ!

   

ワクワクする本がいっぱい!の「ぼうけん図書館」も

最後は、冒険家や学者、スポーツ選手、絵本作家など、100人がそれぞれ選んだ「ぼうけんの書」が並んでいる「ぼうけん図書館」へ。大人も子どもも読んでみたいと思えるバラエティ溢れる選書。子どもも大人も冒険気分をかきたてられます!

ミュージアムショップでは、展覧会オリジナルのりゅうのぬいぐるみもあれば、わにのためのキャンデーやライオン用のくし、すごろくなどもあります。美しい図録も一見の価値ありです。

物語の中でわにが喜んだ棒付きキャンディーも販売
絵本のような図録や、りゅうのぬいぐるみもカラフルでかわいい!

「PLAY! PARK」では連動企画のミュージアムツアーを開催

時間に余裕のある方は、2階にある「PLAY! PARK」もおすすめ。現在は新遊具「ざーざーざら」が展開されていて、透明な「平テープ」が雨のように天井にさがっていたり、丸めてひもをつけたものが転がっていたり。子どもたちが自由に遊べる空間となっています。楽器や工作道具などもあり、子どもたちの遊び心を刺激します。

天井からふりそそぐ「ざーざー」を楽しむ子どもたち
グランドピアノや料理鍋に入れる遊具も

ここでは「エルマーのぼうけん」展に連動した企画も行われていて、本物そっくりのみかんを持って、展覧会を観に行き、会場の好きな場所にみかんの皮を置いていくという(!)ミュージアムツアーも日にち限定で開催するそう。詳しくは、「PLAY! PARK」のサイトをチェックしてみてください。

楽しみ満載の「エルマーのぼうけん」展。周辺はショッピングエリアとなっていて、目の前の芝生広場や水の流れる階段でひとやすみする親子もよく見られます。夏休みにはぜひ親子でお出かけしてみてくださいね!

「エルマーのぼうけん」展 概要

会期:2023年7月15日(土)―10月1日(日)
会場:PLAY! MUSEUM (東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟2階)
入場料:一般 1,800 円 、大学生 1,200 円、高校生 1,000 円、中・小学生 600 円、未就学児無料/特典(おみやげ)つき

開館時間:10:00-18:00(最終入場17:30 まで)
*当日券で入場できます。休日および混雑が予想される日は、
事前決済の日付指定券(オンラインチケット)がおすすめです。
ウェブサイト:https://play2020.jp/article/elmer/
*本展はPLAY! MUSEUM の会期終了後、2024 年夏頃まで全国数会場を巡回予定

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構成・文/日下淳子

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