お子さんがママのお手伝いをしたがったら、 一緒にワイワイ、ランチクッキングはいかがでしょう? 細かいことは気にしない! 楽しく作っておいしく食べれば、 きっと食への興味が増しますよ。
目次
お手伝いは1歳から可能。 興味を持ったそのときに
「人生で必要な知識や教養の7割は、3〜8歳の間に家族の食卓で身につく」といわれるように、食育は子育ての中の大きな柱です。特に乳幼児は食への興味・関心が広がっていく大事な時期なので、子どもの「やってみたい」というタイミングに合わせて、お手伝いをスタートさせましょう。
内容は、調理のほかに茶碗を並べる、片づけるなど何でもOK。個人差があるので、本人のやりたいこと・できることを優先するのがスムーズに進めるコツです。お手伝いを楽しい経験にしてあげましょう。
子どもは自分が作ったものをよく食べます。それは、ポンと食卓に出されたものは何だかよくわからないけれど、作るという工程を経験することで、何が入っているかわかる安心な食べ物になるからです。すると、嫌いなものを食べたり、量も多く食べるようになったりと、食の悩みが解決するきっかけになります。
お手伝い3か条
1、手を洗う
お手伝いで気をつけるのは、安全と衛生です。調理の前には必ず、石けんで手を洗うことを習慣づけましょう。また、小さい子は注意していても、調理中に手を口に入れてしまうことが多いので、生肉や生の粉などはビニール袋に入れて扱うと安心です。無理なく取り組めるように、お手伝いの方法を工夫しましょう。
2、食材に触れる
調理をするときは、素材の元の形状を見せて、それがどう変化していくかを教えてあげます。野菜は触ったり、持ったりして、その感触や重たさを自由に 味わわせてあげましょう。今は、カ ット野菜やカットフルーツが普通になっていますが、できれば丸ごと触れさせたいもの。買い物のときに見せてあげるのもいいでしょう。
3、楽しく作る
お手伝いは、親子のふれあいの時間でもあります。日常の関係が「指示出し・指示待ち」になっている親子も多いので、お手伝いは「一緒にやろう」というスタンスで。そして、結果がどうあれ「ありがとう」と感謝すれば、子どもは達成感を得られます。その積み重ねが、食への前向きな気持ちを育てます。
食のしつけは脳の発達にまで影響する
食のしつけの第一歩は、きちんとした姿勢で座って食べることです。この時期の子であれば、5分、10分でいいので食べることに集中できるようになると、必要量の8割がたをとれて、パッと食事を終わらせることができます。あまり食べなかったり、すぐに遊び食べに走ったりするのは、しっかり空腹になっていないからです。うるさいから、食が細いからという理由で、飲み物や食べ物を食事のあい間にちょこちょこ与えていないでしょうか? 集中して食べることができると、しっかり噛んで飲み込むので、誤飲が減るという安全性も高まります。さらに、噛み合わせがよくなると、あごの発達も促されるので、それが発音や脳の発達にも影響を与えるといわれています。そのスタートは、1歳から。2~3歳でも遅くありません。座って食べる、集中する。食べたら、自分の茶碗を1個でも下げて食事を終わりにするといったリズム作りを目指しましょう。
■ひと工夫で手を汚さずに作る 鶏ひき肉のソーセージ風
●材料(写真の大きさで4本分)
鶏ひき肉…200g 玉ねぎ…1/2個 片栗粉…大さじ1 ケチャップ…大さじ1 塩・こしょう…各少々
●下準備
玉ねぎはすりおろしておく。オーブンペーパー(クッキングシート)を切っておく。
●作り方
1、タネを入れる
丈夫なビニール袋にすべての材料を入れる(子どもはできる材料だけ入れればOK)。
2、もんで混ぜる
大人が袋の口を持ち、全体をもむようにしてよく混ぜる。力が足りないときは大人が手を添える。
3、絞り出す
袋の口を結び、角を1㎝ほど切り落とし、手を添えて、オーブンペーパーの上に絞り出す。
4、ペーパーで包む
ペーパーをくるくる巻き、両端をねじって留める。
5、レンジでチン
耐熱皿にのせて電子レンジに入れ、ボタンを押し、3分30秒~4分加熱する(竹串を刺し、中まで火が通っているか確認する)。
※電子レンジの加熱時間は、600Wの場合です。
※ペーパーやカップは「電子レンジ・オーブン調理可」と表記のあるものを選びます。
■いろいろな野菜を“遊び感覚”で調理 野菜たっぷりみそ汁
●材料(小ぶりのお椀4杯分)
キャベツ…1枚 エリンギ…小1本 にんじん(薄い輪切り)…4枚 だし汁…300cc みそ…30g
●下準備
にんじんは下ゆでする。外葉があれば、取り除いても。丸ごとのキャベツに触れてみよう。外葉はこんなに大きいよ。
●作り方
1、キャベツをちぎる
洗って芯を除き、葉を手で一口大にちぎる。芯はスライスする。
2、エリンギを裂く
サッと洗って食べやすい長さに切り、手で縦に細く裂く。
3、にんじんを型抜きする
好みの型で抜く。
*鍋にだし汁とエリンギを入れ、ひと煮立ちしたらキャベツを入れる。材料が柔らかくなったらみそを溶き入れ、下ゆでしたにんじんを型抜きして飾る。
バナナヨーグルトとにんじんりんごの蒸しパン
●材料(カップおよそ4個分)
A(基本の材料)[小麦粉…200g ベーキングパウダー…小さじ4 砂糖…大さじ4]
バナナヨーグルト サラダ油…小さじ2 砂糖…大さじ1 バナナ…1/2本 レモン果汁…小さじ2 ヨーグルト…100cc
にんじんりんご 100%りんごジュース…80cc サラダ油…小さじ2 にんじんすりおろし…大さじ3(好みにより増減する)
●作り方
1、タネを混ぜる
丈夫なビニール袋2枚(バナナ用とりんご用)にAを半分ずつ入れる(バナナの袋には、砂糖大さじ1を足す)。空気を入れて口を閉じ、袋を振って混ぜる。
2、バナナをむいて切る
バナナは皮をむき、フォークなどで好きな大きさに切り、変色を防ぐためレモン汁をかける。
3、にんじんをすりおろす
皮をむいたにんじんをすりおろす。
4、もんで混ぜる
バナナの袋にはサラダ油、ヨーグルトを加え、にんじんの袋は、サラダ油、りんごジュースと3を合わせ、全体をもんで混ぜる。
5、絞り出す
袋の口を結び、角を1㎝ほど切り落とし、手を添えて、紙カップなどの容器に八分目まで生地を絞り出す。バナナの場合は、2のバナナをのせる。
蒸し方
湯気の上がった蒸し器に入れ、15~20分蒸す(蒸し器がない場合は、生地をカップの半分までにし、電子レンジで約4分加熱)。どちらも竹串を刺し、串に生地が付かなければでき上がり。甘さ抑えめなので食事にも、おやつにも!
斉藤明美さん(左) 「台所のある幼児教室 こんぺいと」主任、料理教室プランナー。元幼稚園教諭。
長島真理子さん(右) くっくるこんぺいと代表。食育インストラクター。元幼稚園教諭。
今回取材に協力してくれたのは「台所のある幼児教室 こんぺいと」。作って、食べて、遊んで知力を育てるのがコンセプトで、1歳から料理体験ができます。
撮影/泉 健太 出典:『ベビーブック』2017年9月号