実は14歳！筋肉ムキムキのアメコミヒーロー『シャザム！』【親子で観たい映画】

ごく普通の14歳の少年が、突然スーパーパワーをゲットし、筋肉ムキムキのアメコミヒーローとなる映画『シャザム!』が、4月19日（金）より全国公開されます。見た目はマッチョな大人なのに、やることなすこと子どもっぽくて悪ガキ丸出し。このギャップが笑いのジャブを連打する、痛快爆笑ヒーロー映画が日本に上陸！

本作は「スーパーマン」や「バットマン」シリーズ、最近では海底のバトルシーンが話題になった大ヒット作『アクアマン』で知られるDCコミックの映画化作品です。世界で最も成功を遂げたアメコミの映像化プロジェクトといえば、ドル箱シリーズ「アベンジャーズ」などのマーベルコミック原作の作品群ですが、ここ数年DCコミックの映画も右肩上がりの快進撃を見せています。特に『シャザム!』は、全米限定先行上映においてDC映画史上世界最高収入を記録した『アクアマン』を超え、1日で330万ドルの興行収入をたたき出しました！

DC映画としては初となったダサくてかわいいユニークなヒーロー像が客層の間口を広げ、アメコミ映画ファンだけではなく、ファミリー層にも大ウケしたようで。実際に、家族で観ても大爆笑間違いなしの鉄板エンターテイメント大作に仕上がっていますし、本作ならパパも喜んで家族サービスに参加してくれそうです。

爆笑コメディに裏打ちされる感動のドラマに感涙

主人公のビリー・バットソン（アッシャー・エンジェル）は、ある日、謎の魔術師から、恐るべきパワーを得ます。ビリーが「シャザム！」と唱えると、いきなりマッチョなヒーローに変身し、スーパーマンさながらの怪力や、稲妻パワー、飛行能力を発揮。ところが彼は、その能力をヒーローらしく愛と平和のために使うわけではなく、いかにも子どもらしい稚拙な用途で、乱用していきます。

たとえば、シャザムとなったビリーが、怪力ぶりを確かめようとしてあちこちを破壊してみたり、稲妻パワーで携帯を充電したり、悪友のフレディとビールをラッパ飲みして、そのまずさ（苦さ!?）に吹き出したりと、ヒーローとしてはあるまじき態度に出て、思わず失笑。まあ、そこが子どものリアリティーでもあるのですが。ところがただの爆笑映画ではなく、コメディの裏を縫うように、ちゃんと友情や家族にまつわる人間ドラマも紡がれています。

ビリーは幼い頃に母と生き別れ、里親の家で暮らしつつも孤独を感じながら生きていますし、友人のフレディもハンディキャップを抱えた少年です。本作では、彼らの苦悩や叫びを要所要所で入れ込みつつ、同時に彼らを育てている里親の苦労も織り込んでいます。この丁寧に編み込まれた人間ドラマがあるからこそ、米・映画評論サイトRotten Tomatoesでは91%Freshという高評価をたたき出したことは間違いありません。

アメコミ映画では前代未聞！演出は『銀魂』の福田雄一

ファミリーで洋画を観に行く場合、マストといえる日本語吹替版ですが、今回その演出を担当したのは、ドラマ、映画、CM、舞台に引っ張りだこであるコメディの名手・福田雄一監督。ご存知、「銀魂」シリーズや連ドラ「今日から俺は!!」などを手掛けたヒットメーカーです。ちなみに、日本語吹替版の監修と演出の両方を日本の映画監督が担当するのは映画史上初の試みとなりました。

声優陣も当然ながら、シャザム役で菅田将暉を筆頭とした豪華な布陣に。シャザムに変身するビリー役に「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジ役で知られる緒方恵美、友人フレディ役に「機動戦士Vガンダム」のウッソ・エヴィン役の阪口大助、最強の敵・ドクター・シヴァナ役にアニメ版「ジョジョの奇妙な冒険」のDIO役の子安武人、魔術師である先代シャザム役にアニメ版「銀魂」の銀さんこと坂田銀時役の杉田智和のほか、福田組でお馴染みの俳優・佐藤二朗も参戦。佐藤は「収録が7分で終わった」というチョイ役だそうで、お見逃しなく。

異例の10連休となった今年のゴールデンウィーク。家族旅行もいいけれど、近場でのレジャーを考えているファミリーには、映画鑑賞もぜひ選択肢に入れてほしいです。『シャザム!』なら笑いと感動はもちろん、疾走感あふれるド迫力のアクションもたっぷり入っているので、遊園地のアトラクション気分で楽しんでください。

文／山崎伸子