京都土産「八ツ橋」はおせんべいの一種? 生八つ橋との違いや、4大メーカーの特徴を解説

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京都のお土産の定番である「八ツ橋」。八ツ橋はどんなお菓子かご存知ですか。この記事では、八ツ橋の特徴や歴史、由来などについて解説していきます。また、「八ツ橋」と「生八ツ橋」との違い、作り方、八ツ橋のおすすめもご紹介します。

八ツ橋とは

「八ツ橋」は、米粉、砂糖、ニッキを混ぜた生地を蒸し、薄く伸ばして焼き上げた堅焼きおせんべいの一種です。形は半円に湾曲した長方形で瓦のような形をしています。

場所・エリア

八ツ橋が食べられている地域は、京都全域です。販売しているお店の多くは京都市内にあり、京都駅や観光地などで購入することができます。

いつ、どんなときに食べる?

八ツ橋は、特別な日に食べるといった風習はありません。日常的に食べられています。また、京都の土産物としてもよく用いられます。

歴史

八ツ橋の歴史は享保(1716~1736年)にさかのぼります。この頃、箏曲の創始者・八橋検校の墓がある京都の黒谷で、琴の形をしたせんべいを売ったのが最初といわれています。また、一説には、黒谷の茶店の主人が、夢に現れた検校から、製法を教えてもらったという説もあります。

八ツ橋が全国的に有名になったのは、京都で大正天皇が即位したときです。即位祝賀行事につめかけた人々が京都駅で八ツ橋を買い求めたことにより、全国にその名が知られたといわれています。

由来、言い伝え

八ツ橋の名前の由来は、ふたつの説があります。ひとつは、「伊勢物語」に登場する三河国八橋の八枚橋に形を模した菓子を作ったことから。もうひとつは、箏曲の創始者・八橋検校の名前にちなんでというものです。

八ツ橋の特徴

八ツ橋の味や種類といった特徴を見ていきましょう。

特徴1:味と食感

八ツ橋は、まろやかな甘味と品の良いニッキの香りが特徴です。また、焼いてあるため、パキッとした硬さがあります。香ばしく、歯ごたえがあるのも八ツ橋の魅力です。

通常の八つ橋はパリッと焼いた煎餅状の焼八つ橋を指す。
通常の八つ橋はパリッと焼いた煎餅状の焼き八つ橋を指す。

特徴2:「生八ツ橋」もある

八ツ橋には大きく分けて2種類あり、1つは焼いたもの、もう1つは生のものです。生のものは「生八ツ橋」といいます。

ちなみに、あんこなどを生八ツ橋で包んだものは「餡入り生八ツ橋」と呼ばれています。

生八ツ橋は、1960年代に登場した比較的新しいお菓子です。「美十」という会社が、やわらかい生八橋に餡を包んで売り出したのがはじまりで、現在ではさまざまなメーカーで生八ツ橋を販売しています。

「八ツ橋」には「生」もあり、昨今の京土産としてはこちらも人気。
「八ツ橋」には「生」もあり、昨今の京土産としてはこちらが人気。

特徴3:八ツ橋は琴のような形をしている

八ツ橋は、半円に湾曲した長方形の瓦型をしていて、琴や橋のような形をしているのが特徴です。昨今では、八ツ橋を細く巻いた形のものや、厚みが薄く、よりパリッとした食感が楽しめるものも登場しています。

生八ツ橋は、三角形の形がスタンダードですが、長方形のものもあります。また、動物や人形、ハートといった形の生八ツ橋も販売しています。

八ツ橋の違い

ここでは、「八ツ橋」と「生八ツ橋」の違い、メーカーでの違いを解説していきましょう。

違い1:「八ツ橋」と「生八ツ橋」の違い

左が八ツ橋、右が生八ッ橋。

「八ツ橋」と「生八ツ橋」の違いは、生地を焼いているかどうかです。

八ツ橋は、米粉と砂糖とニッキを混ぜて蒸し、薄く伸ばして焼いたもの。生八ツ橋は、米粉と砂糖とニッキを混ぜて蒸し、焼かずに食べやすい大きさに切り分けたもの。皮だけのものです。

生地を焼くかどうかで、食感や味わいも違ってきます。

違い2:生八ツ橋の味の違い

八ツ橋も生八ツ橋も、定番の味わいはニッキです。ただし、生八ツ橋の皮の風味にはニッキのほかに、黒ごま、抹茶、いちご、黒糖、桜、ミントなどもあります。

また、生八ツ橋のなかのあんもさまざまで、つぶあん、こしあん、抹茶あん、黒ごまあん、いちごあん、さくらあんなど、バライティーに富んでいるのも特徴です。

違い3:4大メーカーの特徴の違い

京都には八ツ橋の4大メーカーがあります。それが、「聖護院八ッ橋総本店」「本家西尾八ッ橋」「井筒八ッ橋本舗」「美十」です。それぞれの八ツ橋で特徴が異なります。

●聖護院八ッ橋総本店


聖護院八ッ橋総本店は、1689年創業のメーカーです。

八ツ橋は、米粉、砂糖、肉桂のシンプルな原材料で作られており、ふわりと香る肉桂と、心地よい歯ごたえ、懐かしい味わいが魅力です。

あん入り生八ツ橋の名前は「聖」といいます。自社で炊いたつぶあんをねっとり、もっちりとしている皮で包んであるのが特徴です。

●本家西尾八ッ橋

 


本家西尾八ッ橋は、1689年創業のメーカーです。

八ツ橋の原材料は、米粉、砂糖、肉桂に加え、きな粉もふくまれており、パリッとした食感と、ニッキの風味がやさしく広がるのが特徴です。

あん入り生八ツ橋の名前は「あんなま」といいます。皮、あん、ニッキの風味のバランスがよく、いくらでも食べられます。

●井筒八ッ橋本舗


井筒八ッ橋本舗は、1805年創業のメーカーです。

八ツ橋は、パリッとした食感と、たちまち広がるニッキの香りが特徴です。また、甘い衣がかかったタイプや、角切りタイプなどもあります。

あん入り生八ツ橋の名前は「夕子」といいます。皮は厚めで弾力があるのが特徴的。皮に負けないよう、甘めのあんこがたっぷりつまっているのも甘いもの好きにはたまりません。

●美十


美十は、1957年創業のメーカーです。生八ツ橋を生んだメーカーでもあります。

八ツ橋は、他のメーカーに比べて薄いのが特徴。パリッと軽く、後を引く味わいです。また、「チョコ八ッ橋」や「八ッ橋クランチ」も販売しています。

あん入り生八ツ橋の名前は「おたべ」といいます。皮がやわらかいのが特徴で、きな粉の風味が豊かに感じられます。ニッキの風味はほのかなので、ニッキが苦手な人にもおすすめです。

八ツ橋の作り方

八ツ橋の作り方
八ツ橋の作り方

ここでは、八ツ橋の作り方をご紹介します。作り方は意外とシンプルで、生地をこねて焼くだけです。お店と同じ出来ばえにするのは難しそうですが、自家製八つ橋を追求してみても楽しいですね。

材料

米粉 30g
砂糖 15g
水  15ml
シナモンパウダー 適量

作り方

【1】ボウルに、米粉、佐藤、シナモンパウダーを入れて混ぜ合わせる。

【2】【1】に水を少しずつ加え、生地がまとまる程度に混ぜる。

【3】【2】を麺棒で1mm厚さに伸ばし、包丁で食べやすい大きさに切れ目を入れる。

【4】天板に【3】をのせ、150℃のオーブンで10分程度焼く。

【5】一度取り出し、切れ目に沿って生地を割り、天板にのせる。

【6】【5】を再び150℃のオーブンで10分程度焼く。

八ツ橋のおすすめ

ここでは、八ツ橋や生八ツ橋のおすすめをご紹介します。気になる商品を味わってみてはいかがでしょうか。

京名物 井筒八ッ橋 30枚

甘いニッキの香りと素朴で懐かしい味わい。パリッとした食感も楽しめます。お茶はもちろん、コーヒーやアイスクリームとも相性は抜群です。

京都銘菓 生八つ橋 夕子ミルキー 8個入

不二家のミルキーと生八ツ橋のコラボ商品です。やさしいミルクの美味しさが楽しめるミルキーの練乳を白餡と合わせ、井筒伝承の生八ッ橋で包んでいます。子どもから大人まで楽しめる味わいです。

聖護院八ッ橋総本店 聖・抹茶詰合(10個入)

ニッキの生八ッ橋と抹茶の生八ッ橋の詰め合わせです。それぞれの皮で、ほど良い甘さのつぶあんを包んでいます。

生八ツ橋(いちご餡9個入り)

フリーズドライのいちごを使用した餡を包んだ生八ツ橋です。かわいらしいピンク色の皮も特徴的。ひと口食べればいちごの風味がふわりと広がります。

井筒八ッ橋本舗 井筒のなま八ッ橋

こちらの商品はあんこの入っていない生八ッ橋です。いわゆる皮の部分だけ。ニッキ味と抹茶味の2種類が入っています。求肥のような触感と、ニッキや抹茶の香りを楽しめます。アイスのトッピングにするのもおすすめです。

八ツ橋を食べて京都気分を満喫しよう

八ツ橋は京都を代表するお菓子です。ひと口食べれば、ニッキの香りが広がり、京都の雅な雰囲気を感じることができます。八ツ橋を食べて、京都気分を満喫してみてはいかが。

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文・構成/HugKum編集部

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