なめこの豆知識
独特のヌメリがあって、不思議な食感の「なめこ」。何気なく食べていますが、「そもそもどんな食材なの?」とふと疑問に思いませんか? まずは、なめことはどんな食べ物なのかチェックしていきましょう。
なめことは? 漢字で書ける?
なめこは、「なめたけ」とも呼ばれる日本原産のきのこ。モエギタケ科分類されます。なめこは、なんといっても独特のヌメリがあるのが特徴です。そんな特徴のある、なめこを漢字で書くと「滑子」。また地域によっては「ヌメリタケ」と呼ばれることもあるようです。
旬はある?
一般的にスーパーなどで売られているなめこは、1年中流通しています。これは、おがくずなどを用いて、ハウス等で人工栽培されたもの。天然のなめこは、ブナやナラの木に群生します。そんな天然のなめこが出回るのは、9~11月ごろです。
なぜ賞味期限の表示がない?
スーパーなどに売られているなめこは、しめじなどのように株がついた状態のものと、バラバラにして真空パックに入っているものがあります。購入する際、賞味期限を確認しようとパッケージを見ても、賞味期限の表示がないことを不思議に思ったことはありませんか?
なめこは加工食品ではないため、賞味期限の記載義務がありません。これは野菜や果物に賞味期限の記載がないのと同じです。しかしなめこは、傷むのが早いという特徴も。真空パックされたなめこは、購入後、冷蔵庫で保存して2~3日で使い切るのが理想。そのため、購入する際は、なるべく新鮮ななめこを選ぶことが大切なんです。
なめこを選ぶポイントは?
なめこを選ぶ際、注意して見るポイントは以下の4つです。
・肉厚でカサの大きさが揃っているもの
・カサが開いていないもの
・ヌメリが濁っていないもの
・真空パックが膨らんでいないもの
なめこは栄養豊富な食材
なめこは豊富な栄養素を含んだ食材です。なめこの主な栄養素や、その栄養素を損なわない食べ方などを見ていきましょう。
なめこの主な栄養素
なめこは、腸内環境を整える効果がある水溶性食物繊維が豊富。血糖値の急上昇を抑えてくれたり、体内の水分調節を促すカリウム、エネルギー代謝に重要な役割を果たすナイアシンなどが含まれます。
またカロリーは、可食部100gあたり15~20kcal。低カロリーで糖質も低く、ダイエット中のおかずにもおすすめです。
栄養素を損なわない食べ方は?
しいたけやえのきなどのきのこは、洗わないほうが良いとされていますが、なめこは調理する前に流水で洗って使います。このとき、洗いすぎるとせっかくの栄養素を逃してしまうことも。そのため洗い過ぎずにサッと洗うのがポイントです。
また、なめこはナイアシンなど、水に溶ける性質を持つ栄養素を含んでいます。そのため、スープなど汁物に入れると、栄養素を逃すことなく摂取することが可能です。また、なめこにはカルシウムの吸収を助けるビタミンDも含まれています。そのため、しらすなどカルシウムを多く含む小魚と一緒に食べると良いでしょう。
なめこの下処理方法や調理方法は?
料理に使いやすようにする、なめこの下処理方法を見ていきましょう。
なめこは生食NG?
なめこをそのまま生で食べるのはおすすめできません。なめこは水分が多いため、傷みやすく袋の中で雑菌が繁殖していることも。下痢や嘔吐などの食中毒を引き起こす原因になりかねません。そのため、必ず加熱調理してから食べるようにしてください。
下処理方法
【加熱調理に使う場合】
1、なめこは擦ったりせずに水でサッと洗います。
2、ザルに上げて水気を切って、そのまま加熱調理に使うことができます。
【和物やサラダなど冷たい料理に使う場合】
1、なめこをサッと水で洗います。
2、鍋にお湯を沸かし、なめこを入れて1分ほど茹でます。
3、ザルに上げて水けを切ります。
なめこを使ったレシピ3選
なめこといえば、味噌汁の具や大根おろしと一緒に食べるのが定番。毎回同じ使い方だという方も多いのではないでしょうか? いつもと違う料理に使いたいときのヒントに、なめこを使ったおすすめレシピ3つを紹介していきます。
なめこと豆腐としらすのサラダ
【材料】
・なめこ… 1パック
・絹ごし豆腐… 1丁
・しらす… 適量
・レタス… 3~4枚
・韓国のり… 適量
・ごま油… 適量
・醤油… 小さじ1.5
・おろししょうが(チューブのものでOK)… 適量
【作り方】
1、なめこは下茹でをし、ザルに上げておきます。
2、レタスと豆腐を食べやすい大きさにカット。
3、醤油とごま油、おろししょうがを混ぜて、ドレッシングを作ります。
4、器にカットしたレタス、豆腐を入れ、その上からなめこ、しらす、韓国のりをふりかけ、3のドレッシングをかければ完成です。
なめこと卵とトマトの中華風スープ
【材料(2人分)】
・なめこ… 1/2パック
・卵… 1個
・トマト… 1個
・鶏がらスープの素… 大さじ1
・白だし… 小さじ2
・塩… 少々
・酒… 大さじ1
・水… 300ml
・刻みネギ… お好みで
・ごま油… お好みで
【作り方】
1、なめこは水で軽く洗い、ザルに上げておきます。
2、トマトは食べやすい大きさにカット。卵は割って溶きほぐしておきます。
3、鍋に水を入れ、沸騰させます。
4、沸騰したら、鶏がらスープのもと、白だし、塩、酒、トマト、なめこを入れてひと煮立ちさせます。
5、ひと煮立ちしたら、溶き卵を回し入れ、かき混ぜます。
6、器に5を入れ、お好みでごま油、刻みネギを入れてできあがりです。
なめこのチーズリゾット風
【2人分】
・なめこ… 1/2パック
・ご飯… 150g
・たまねぎ… 1/2個
・ニンニク… 1片
・粉チーズ(パルメザン)… 大さじ3~5お好みで
・水… 200ml
・固形コンソメ… 1個
・ブラックペッパー… 適量
・塩… 少々
・乾燥パセリ… 適量
・オリーブオイル… 大さじ1
【作り方】
1、なめこは下茹でし、たまねぎとニンニクはみじん切りにしておきます。
2、鍋にオリーブオイル、ニンニクを入れ、香りが立ったら、ためねぎを入れて炒めます。
3、たまねぎの色が透き通ってきたら、水、固形コンソメを入れます。
4、3が沸騰したらご飯を入れ混ぜます。
5、4になめこ、粉チーズを入れて弱火でさらに炒めます。
6、とろみが出てきたら火を止め、ブラックペッパーと塩で味を整え、お好みで乾燥パセリをかけて完成です。
意外となめこはいろんな料理に大活躍
なめこは、なめこおろしや味噌汁が定番でしょう。しかし、和え物や汁物以外にも、炒め物にしても美味しいんです。比較的調理も簡単で、意外といろんな料理に使うことができて便利。また栄養も豊富なため、なめこは積極的に摂りたい食品の1つです。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)