大人になっても必要なスキルが身につく
読書=国語テストの点数アップ?
国語力といってもその定義は広く、読書をしたら国語力が上がるとは一概に言いきれません。また、読書をたくさんすれば、必ずしも学校の国語テストの点数が高くなるというわけでもありません。しかし読書をして、繰り返したくさんの文章にふれ、さまざまな物語を読むことで、読解力や語彙力、想像力や思考力など大人になっても役立つ幅広いスキルを養うことができます。
現代社会で育つ子どもたちは、動画を見ることが増え、文字にふれる機会が少なくなってきています。文字を読むということは大人になっても欠かせないことで、子どものころから読書をすることで、知識のみならず、人生の幅を広げてくれる「力」が身につきます。
読書の強制はせずに、まずは本に親しめるように
ヨンデミーでは、子どもたちが大人になっても本を読み続けることを目標として活動しています。本が嫌いな子に読書の強制をしてしまうと、ますます本を読むことに抵抗感を与えてしまう可能性があります。本嫌いな子には、まずは本に親しめるように、図書館に行ってみたり、本の話題を家族の団らん時間に取り入れたりするなどして本を身近に感じられるようにしてみるのがおすすめです。
読書で読解力や語彙力を伸ばすにはどうしたらいい?
本を読む楽しさを発見してみよう!
ヨンデミーでは、「楽しく」→「たくさん」→「幅広く」の順番で読書習慣をつける方法をおすすめしています。この3つのどの段階においても、それぞれのお子さんのレベルに沿った本を正しく選んで読み続けることがカギとなっています。
まずは、本の楽しさを自分で発見することから始めてみましょう。お子さんが、まだ本を読むことが楽しめていないなと感じられる段階の時は、スキルアップのことは気にせず、とにかくお子さんが好きな本を好きなだけ読ませてあげるように心がけてみてください。
「8~9割理解できる本」を読み続けてみよう!
本を「楽しく」読めるようになったら、次は8~9割理解できる本を「たくさん」読むことにチャレンジ!読解力や語彙力を伸ばすには、 簡単すぎる本ばかり読んでもいてもなかなか力を伸ばすことができません。だからといってレベルに合っていない難しい本をいきなり読んでも、読書を楽しむことはできません。そこでおすすめするのが「8~9割理解できる本」を読むことです。
「8~9割理解できる本」の見つけ方
「8~9割理解できる本」といっても、その子の読書レベルに合った本をご家庭で見つけるのは難しいかと思います。そんな時は、お子さんが本を何冊か読み終わった後、好きだった本1冊について楽しく会話をしてみてください。会話の中で本の内容や出てきた言葉をさりげなく聞いてみると、お子さんがどれだけ理解できていて、どれだけ知らない言葉があったのか確認することができます。ここで注意することは、テストのように質問攻めで聞かないこと。本についての会話を楽しむことで、お子さんは本を読むことがより楽しくなるので、親子の会話を思いっきり楽しんでください。
また、読解力が上がってくると自然に読むスピードも上がってきます。お子さんによっては飛ばし読みをすることがありますが、読書を楽しんでいるようでしたらそこまで気にしなくてもいいでしょう。楽しんで読んでいるということはある程度理解しながら読めているということでもあります。そんな部分も意識しながらお子さんの読書する姿をぜひ観察してみてください。
ジャンルの違う本に挑戦するときは語彙力のレベルを要チェック
新しいジャンルの本を読むときは、語彙力が追いついているか確認することが必要です。たくさんの種類やテーマの本がありますが、小学校低学年では動物を主人公にしたお話、中学年では学校を舞台にした物語、そして高学年ではファンタジーや魔法をテーマにした本が主流となっています。動物系の物語に読み慣れたので、いざ学校を題材にした物語を読み始めたら、「時間割」などといった聞きなれていない語彙がたくさんでてきて、本を読むのが難しく感じてしまうことも。ジャンルの違う本に挑戦するときは、簡単なレベルの本から挑戦するようにするといいでしょう。
ゆっくりのペースで本のレベルをアップしていくことで、新しい言葉を自然と身につけ、少しずつ読む力を着実に身に着けることができます。次に読む本は「ちょっと知らない言葉がでてくる、少し難しい本」を見つけて読んでみましょう!
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◆お話を伺ったのは…
教育に読書を取り入れる分野で第一人者の澤田英輔氏の指導を受ける。英語多読講師の経験も活かし、大学在学中の2020年4月に中学以来の友人と「Yondemy」を起業。「子どもの読書離れ」という課題の解決に向けて、同年12月にオンライン読書教育「ヨンデミーオンライン」のサービス提供を開始。2年間で累計3500人以上の会員登録者数を誇る。
文・構成/小学館 HugKum編集部
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