「ニューボーンフォト」は生後21日目までがおすすめ。その理由は?新生児の神秘的なかわいさは一生の記念に。専門カメラマンに聞いた注意点も

生まれて間もない、新生児の姿を収めた『ニューボーンフォト』。海外では十数年前から流行し、日本ではここ数年で知られるようになりました。Instagramなどで見かけたことがある方も多いのでは? 今回は、可愛くておしゃれなだけでない、ニューボーンフォトの魅力について、ニューボーンフォトグラファー・Josué(ジョズエ)のもろだこずえさんにお話を聞きました。

『ニューボーンフォト』ってどんな写真?推奨は生後21日目まで!

 『ニューボーンフォト』と聞くと、その名の通り新生児の時期に撮った写真かな?とイメージしますよね。具体的にはどんな写真のことを指すのでしょうか。

ママのお腹にいたときのような、心地いいポージング ※写真はJosuéのInstagramより引用

もろださん「新生児の赤ちゃんは胎内にいた時のまま体が柔らかく、胎内体勢の心地よさを覚えています。その特性を生かし、ポージングして撮影したものが一般的にはニューボーンフォトと呼ばれています。赤ちゃんを心地よく睡眠に導いて、よく眠ってくれている間にポージングをして撮影をします。」

―新生児とは生後何日目までなど決まりはあるのでしょうか?

もろださん「小児医学的には、28日目までが新生児期ですが、ニューボーンフォトでは21日目までに撮影することを推奨しています。私としては21日でもちょっと遅いかな」

 眠る時間が長い生後21日目までを推奨

 ―なぜ21日目では遅いのでしょうか?

もろださん「これは睡眠サイクルが関係しています。ニューボーンフォトを撮影する際は、基本的に赤ちゃんを寝かせて、寝ている間に撮影を終えます。これは私自身が3人目を生んだときに観察をして実感したのですが、21日目くらいから睡眠のサイクルが変わり、泣かないけれど起きている時間が長くなるんです」

―撮影時間が長くなればなるほど、お母さんにも赤ちゃんにも負担になるので、撮影時間はなるべく短くする必要がありますね。

もろださん「そうなんです。1回の寝かしつけの間に撮影を終えられるよう、睡眠のサイクルが長くて、深く眠ってくれる21日目までをおすすめしています」

ポージングや小道具で特別な1枚に

ただ赤ちゃんを撮影するだけでないのも、ニューボーンフォトの特徴。JosuéのInstagramに投稿されたニューボーンフォトを見ると、頬杖をついていたり、ぬいぐるみを抱っこしていたり、愛らしいポージングをした作品が並びます。この神秘的な世界観がニューボーンフォトの魅力。

頬杖をついたポージング。こちらは頭を支えた写真と手首を支えた写真を合成して作成します(合成せずに頬杖ポーズを撮ることは非常に危険です)。※写真はJosuéのInstagramより引用

でも、新生児がポージングが出来るとは少し驚きです。ここで注意したいのは、決して見よう見真似で試したりしないこと。

勉強したからこそできるポーズが可愛い!

 もろださんが撮影する際は、まずもろださんが赤ちゃんを寝かしつけしてから、赤ちゃんにポージングをさせるのですが、これは専門的な知識が学べる『ニューボーンフォトカレッジ』『日本ニューボーンフォトセーフティー協会』での受講や、著名なニューボーンフォトグラファーのワークショップなどで、今もしっかりと学んでいるからこそ成せる技。

もろださん「撮影の際、赤ちゃんははだかんぼで、横向きになっていたり、手を重ねて顔の横においたり、頬杖をついたりさせます。簡単に見えるかもしれませんが、これらのポージングは専門の勉強をしてないとできないんです。私自身、ニューボーンフォトの勉強前からカメラマンの仕事を長くしていましたが、通常の人物撮影とはまったくの別ものなんだと衝撃を受けました」

また、撮影は赤ちゃんもママも何事もなく撮影を終えられることが大前提。なにかあれば看護師や助産師と連絡が取れるようにニューボーンフォトカメラマンの資格を習得し、赤ちゃんの体調や母体に関するセミナーの受講は今も続けているそうです。

季節や名前にちなんだコーディネートも

赤ちゃんを包むおくるみやふわふわの布、ぬいぐるみなどの小物もかわいいJosuéの作品。小道具などのコーディネートやスタイリングをするのも好きだというもろださんは、撮影の前に、ママの意見も取り入れて作り上げています。

 もろださん「事前にママの好きな色味や雰囲気、ポージングのリクエストもお受けしてやっています。ほかにも今の時期ならこのお花にしようかなとか、名前がこうだからこうしようかなとか考えながら作品の演出を決めています」

秋生まれの子には秋の彩りや実りを感じさせるコーデに。※写真はJosuéのInstagramより引用

センスが光るコーディネートで、思い出に残る1枚が完成します。

新生児期を残せる大切な写真に

 産後のママは体もメンタルも不安定。目の前の育児を一生懸命こなしているうちに、我が子はあっという間に新生児期を過ぎていることも。

もろださん「自分が経験してわかりますが、新生児のふわふわ感、小さな我が子が部屋にいるときのあったかい空気感は特別なオーラを放っています。でもママ自身は必死で日々がどんどん過ぎていく。意外と新生児のかわいさに全力で向き合える瞬間がないから、その時期を写真に残すことで、見返すたびに産後の幸せなことだけを思い出してほしいって思うんです」

撮影のために赤ちゃんをお預かりしている間だけは「赤ちゃんの可愛いに没頭してもらいたいな。可愛さを全力で味わってほしい」とも語るもろださん。

 あの時期しかない顔と、幸せに満ちた柔らかさで残せるのがニューボーンフォトの魅力です。専門カメラマンのもとで撮影した写真は、親子の一生の記念になること間違いありません。

【後編】ではもろださんがニューボーンフォトグラファーを志した理由、カメラマンやスタジオ選びのポイントを伺いました。こちらもぜひご覧ください。

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【前編】では、現在ニューボーンフォトグラファーとして活躍しているJosué(ジョズエ)のもろだこずえさんに「ニューボーンフォト」とはどんなも...

お話を伺ったのは…

諸田梢さん

Josué もろだこずえさん

|フォトグラファー

2005年より集英社スタジオにて勤務。2009年に独立し、以降フリーランスとして活動。女性ファッション誌・美容誌の撮影を中心に活動したのち、自身の出産を機にベビー&キッズの雑誌・書籍などの撮影に多数従事するようになる。
2021年よりニューボーンフォトグラファーとして活動開始。2022年春からは活動拠点を東京都から群馬県に移転。群馬のママたちにも”上質で本格的なニューボーンフォト”を体験してほしい。Josuéの撮影が大変な産後の癒しとご褒美になってくれたらという思いで活動中。

Josué【公式】Instagram→@josuenewborn
Josué【公式】ホームページ→https://www.josue.jp/

取材・文/長南真理恵 

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