【シングルファーザー奮闘記】周りは女親ばかり… 恥ずかしがり屋で気の小さい僕が、子ども会の役員をつとめるハメに

妻が癌と分かってから1ヶ月で他界。突然のことで、戸惑い先が見えない状態でしたが、いろんな方が支えてくれたおかげで、娘は中学校を卒業し無事に義務教育を終えることが出来ました。小中学校ともに学校生活を楽しみながら、たくさんの思い出ができたようです。


その過程には保護者の協力や参加が必要な行事やイベントなどがあり、僕自身もたくさんの経験ができました。今回はそれらの中で特に印象に残っていることをお話させてください。

女性が大半の中に入ることが苦手

学校での子どもの様子を見ることできる授業参観や体育大会などの学校行事は、保護者にとっても非常に楽しみな行事だと思います。

もちろん僕も娘が「どんな様子で授業を受けているかなぁ」とか「どんな友達がいるのかなぁ」などと考えながら行事に足を運ぶのがいつも楽しみでした。

しかし、それらの行事に参加する際に、楽しみと同時に億劫に感じることが一つだけありました。

それは保護者の参加者の大半が女性(母親)で、その中に男性一人で入っていかなければならないことです。他の男性がいることもありましたが、それは奥さんと夫婦での参加をしている方がほとんどでした。

そんなことを気にするほうが不思議だと思う方がたくさんいるかもしれませんが、恥ずかしがり屋で小さなことを気にしやすい性格の僕は、女性がたくさんいる中を挨拶しながら歩くのが苦手なのです。

さらに挨拶を全く返してもらえないことや「あの男の人、誰?」なんて声が聞こえてくることもあり、ちょっぴり凹むなんてこともありました…。

なので、授業参観をはじめとした行事には開始時間よりもかなり早めに会場入りし、他の保護者が会場に来る前に、なるべく人とすれ違ったり会ったりしないでやり過ごせる場所を真っ先に確保していました(笑)。

子ども会の役員になり不安がいっぱいに…

大勢の女性の中に一人で入るのが苦手なそんな僕が、地域で子どもたちのためのイベントの実施や集団登校のお世話などをする、子ども会というコミュニティの役員をしなければならなくなりました

僕の期待もむなしく、他の役員メンバーは僕以外は全てお母さま方で女性ばかりです。

僕は本当にやっていけるのだろうか…。
話し合いや活動に参加したくないなぁ…。

と不安でしょうがなかったことをよく覚えています。

しかし活動を続けていくうちに、意外にも父親だからこそ頼りにされ活躍できる場面があったのです。

行事に必要な物の運搬や会場設営などの力仕事はもちろんですが、結構多かったのが男性の視点からアイデアや考え方を求められることでした。

その他、ちょっと変わった活躍の場面を挙げると…

・地域で気の難しい方と評判のちょっと強面のおじさんとの交渉を成立させたこと
・公民館のトイレの鍵が壊れていたことで閉じ込められてしまった子どもを救出するために、壁をよじ登って中に入り救出

なんていうこともありました(笑)。

面倒くさいと感じたことや苦労したことはありましたが、この役員の活動が娘の在学期間中で僕はいちばん印象に残っています。

そして、人から必要とされることってやっぱり嬉しいですよね。そのおかげで不安な気持ちは少しずつ薄れていき、活動のほうは逆に楽しくなっていきました。

もし役員の中に男性が僕だけではなかったら、こんな気持ちや充実感は味わえなかったかもしれません。そう考えると唯一の男性メンバーになれた僕は幸運だったと今は思っています。

他の場面での意外なメリット

さらに役員とは関係のない学校行事に参加した際にも、意外なメリットがありました。

それは、いろんな学年の子どもたちが僕の顔を覚えてくれていて「あっ、Aちゃんのお父さん」などと声を掛けてくれるようになったことです。また、保護者の方からもいろんな場所で声を掛けてもらえるようになりました。

特に顔見知りではない方から役員の活動に関することで声を掛けられ、お礼の言葉を頂けたときは本当に嬉しかったです。唯一の男性役員ということで、いろんな方に覚えてもらいやすかったのかもしれませんね。

そんな風に声を掛けられるようになった僕の様子をそばで見ていた娘も、「パパは人気者だね」と言いながら嬉しそうな顔をしていたことをよく覚えています。この時は娘からちょっとだけ尊敬の目で見てもらえたと思っています。

また他の役員さんと関われたことで、それまで知らなかった学校関連の情報をたくさん得ることができました。それらは保護者の知り合いが少なかった僕にとって非常にありがたかったです。

気持ちが変わり、さらに楽しめる自分になる

子ども会の役員の活動を通じて、ここまで述べてきた経験はできましたが、その後も依然として女性(母親)中に男子一人で入って行くことは得意ではありません(笑)。

でもそれ以前より億劫な気持ちは薄れ、学校の行事やイベントに参加することがさらに楽しくなったことは間違いありません。

もし僕と同じような気持ちを持っているシングルファーザーさんや、恥ずかしがり屋で気の小さいお母さん/お父さんがいましたら、そんな方にこそ子ども会に限らず何かの役員さんへ挑戦してほしいです

きっと今より学校の行事やイベントを楽しめる自分に出会えると僕は思います。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。すべての親子が幸せになりますように!

*  *  *

次回は、これまでのシングルファーザー生活を振り返って、楽しかったことや良かったことだけでなく、大変だったことや失敗したことなど、いろんなことを拾って書いてみようと思います。

よろしければ、以前の奮闘記にも目を通していただけると嬉しいです。

前回のお話「その夜、娘は出ていった。思春期の娘とのすれ違い・・・」はこちら>>

【シングルファーザー奮闘記】vol.1から読む

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文・構成/ひまわりひであき

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