離婚して1年。小1と年中の息子たちの自分勝手で奔放な振る舞いに悩んでいます【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴半世紀あまり。常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

小学3年生の娘と、小学1年生の息子、年中の息子の3人の子の母です。二人の息子がかなりのやんちゃで手を焼いています。トイレを汚す、食事中に離席する…。自分のできる事はちゃんとしようと話しましたが、いくら注意しても言うことを聞きません。ケンカもしょっちゅうです。朝から家事に追われている私を横目に、ギリギリに起きてのんびり朝ごはんを食べ、食器もそのまま、身だしなみも適当な感じで登校、登園しています。久しぶりに帰省した時も、子ども達の自由すぎる振る舞いに、親にびっくりされてしまいました。ある程度の事をやってもらうためにはどうしたら良いのでしょうか。ちなみに1年前に離婚をしたばかりなので、その影響もあるのかと悩んでいます…(3人の子を育てるシングルマザー)

内面の落ち着かない気持ちが子どもたちの行動に出ているのでは。あなたはマイペースな生活を取り戻して

お子さん達はいままでも、しょうがない子だったのですか? それとも、離婚した前後からですか? 読ませていただくと、子どもたちは落ち着けずにあなたの顔色を見ている気がします。つまり、自分達の行方を心配してる? 「この家で落ち着く場所はあるんですか?」という漠然とした不安の中にいるような気がします。

どんな経緯で、どんなふうな離婚をなさったのか、住まいは以前のままなのか、すでに前から夫はいなかったのか、離婚と同時に転居したのか、全くわからないので具体的な想像はできません。ですが、あなたがある覚悟をなさってのスタートなさったことは事実でしょう。子どもは状況を横から眺めていたのです。いままで通りではなくなることを、お父さん、お母さんからちゃんと話しましたか? 今までとは違う、それも自分の判断ではなく、生活はあなたに依存しなければならないのですから不安になっても仕方ありません。子どもは戸惑い、安心する日々になるのには時間がかかるでしょう。内面の散らかった落ちつかなさが、行動全般に出ているのだと思います。

あなたと子どもたち。両方が落ち着くまでは寛容に見守りましょう

長女だって落ち着いているわけではないでしょうけれど、年齢的に親を客観視しはじめているし、自分の気持ちを整理しようとしているでしょう。下の二人は身体で消化するので、けんかも多くなります。「さあ、これからはお母さんを支えて、自分達で生活面も役割を分担していこう」なんて、ありがたい発想は無理です。

あなたも三人を抱えて、生活も仕事もてんやわんやで無理をなさっています。子どももそうなんです。ここは、両方が落ち着くまで、寛容にするよりないでしょう。気持ちには時間がかかります。なので、工夫してイライラ状態の引き金になる事をなるべく少なくしましょう。

朝食の準備はしない。朝はご飯と、インスタントの味噌汁に納豆を置いておけばいいんです。パンと牛乳だっていい。夕飯もお皿一枚にする。栄養は給食で補ってもらいましょう。身だしなみは任せる。怒鳴ってでもやって欲しいことをひとつくらいに絞って、強制的にやらせる。

あなたはマイペースで生活を! 子どもは親の背中を見て育つと言います。正面を向けられた怒り顔より、ずっと効果があります。あなたが前向きに進んでいれば、背中を見て「手伝おうかなぁ」なんて子どもが思える時期を迎えるときがきっときます!

 

記事監修

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。

イラスト/海谷泰水

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