【小児科医監修】はしか(麻疹)ってどんな病気?症状は?ワクチンから治療法まで解説!

たびたびニュースで見かける、はしか(麻疹)の流行。非常に感染力の強いウイルスなので、手洗いやマスクのみでは防げません。症状やワクチン、かかってしまったときのホームケアについて東京都八王子市・金井内科医院の金井正樹先生に伺いました。

はしか(麻疹)ってどんな病気?

高熱が出て、全身に発疹が。ワクチンでの予防が大切

麻疹ウイルスに感染することで起こる病気です。ワクチンの普及により、はしか(正しくは「麻疹」)にかかる人は少なくなっていました。でもここ1〜2年、各地で発症が見られるようになっています。感染力がとても強い病気なので、まずはワクチンで予防することが大切。万が一かかってしまった場合は、周囲に広げない注意も必要です。

はしか(麻疹)の症状

37〜38℃台の発熱に加え、せき、くしゃみ、鼻水、目やになど、かぜに似た症状が3〜4日続きます。そしていったん熱が下がった後、39℃以上の高熱が出て、全身に赤い発疹が現れます。このころ、頬の内側に「コプリック斑」と呼ばれる白いブツブツが見られることも麻疹の特徴のひとつです。熱は4〜5日で下がり、発疹も徐々に消えていきます。

はしか(麻疹)はどうやってうつるの?

感染した人の唾液などに含まれるウイルスを吸い込んだり、手を介して体内に入れたりすることでうつります。感染者の体の外に出たウイルスは空気中に漂っており、それを吸い込むことでも感染するので、感染者の近くや同じ室内にいるだけでうつってしまう可能性があります。

はしか(麻疹)の治療法

つらさをやわらげるための対症療法が中心です。ただし、感染者と接触して72時間以内であればワクチンの接種、6日以内なら薬を注射することで発症を防いだり、症状をやわらげたりすることができる場合があります。

ホームケアで気をつけることは?

自宅では安静にして様子を見守ります。発熱による脱水を防ぐため、こまめに水分補給をしましょう。人にうつす可能性があるのは、発症(最初にかぜのような症状が現れたとき)の1日前から、発疹出現後4〜5日めごろまで。ワクチンを接種しておらず、麻疹にかかったこともない家族がいる場合、その期間は感染者と同じ部屋で過ごすのを避けましょう。熱が下がってから3日過ぎるまで園は出席停止です。

はしか(麻疹)を予防する方法

麻疹の場合、手洗い(アルコール消毒も効果はない)やうがいは感染予防につながりません。確実な予防法は、「麻疹・風疹混合(MR)ワクチン」の接種だけです。1歳になったらすぐに1回めを接種。その後、小学校入学前の1年間に2回めを接種します。大人になってから接種することもできるので、保護者の接種歴がわからない場合や1回しか接種していない場合は、医師に相談しましょう。

記事監修

金井正樹|小児科医

東京都八王子市・金井内科医院院長。「国立小児病院」、米国の小児病院などで小児外科の臨床・研究を行い、2008 年より現職。診療科目は内科、小児科、小児外科、外科。保育園の園医、小・中学校の校医も務める。

出典/めばえ イラスト/小泉直子 構成/野口久美子

親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。

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